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第三十六夜 ここから更に10分は講座を聞かないとサルートは出てこない

移動するか となり

「ここは俺が」と片瀬 会計時に何やら包を持ってくる


倉田さんも口を出さないので俺も黙って会計を任せる

すでに裏取り&人物評価モードに入ったようだ


「何だそれ」


「ここの串カツなら 手土産で申し分ない 初のお店だしな」


Barに着くと ちょうどマスターが ドアを開けてOpenに架替え中

そのまま皆で口開けで入っていく


「これ 皆さんでどうぞ」と串カツを渡す片瀬


「ごちそうさん 山田の串カツ?」


「そう あそこのならどこでも手土産に出来る」


マスターがお皿に盛って

「一人一本 速いものガチ」との紙を貼りカウンターに置く


カウンターに並んで座って

「なんでさ 釣具屋さんに居たの? 俺を追跡したの?」


「たまたま 秋のシーズンインなんだよ おれらシーバスのショアのランガン派

 新しいルアーの発表があってさ 関西限定もタイガースにはあるんだ

 見る前に パンチを発見して 問い詰めに行った」


「そうなんですね 若い方はショアのランガン派が多い

 私は 六日市港のボートシーバス 色々面白い物があっていい店」


「スワローズって関東系のお店もあるから 倉田さん一緒に行かない」

釣り仲間 しかもシーバスのルアーと同じカテゴリー 話が弾んでいく


でも俺 魚釣りやらないし魚は市場で買うものだし ランガン派も意味不明だし

四人で来たが 会話が意味不明で加われず ボッチで呑む比丘


二人はショットでサルートを一杯呑んで

あとはウオッカ抜きのスクリュー・ドライバー オレンジ・ジュースだな


明日は市場に行くから 客が増えてきたから と20時には撤収していった

倉田さんと二人

「どう思う 俺は代打屋だからその場は最大限の努力をする

 ああいった努力の平坦化をして長く営業を続ける心掛け」


「本物なら 裏を取ります」ガチになった倉田さん


「マスター 前から頼んでるデジポットを受け取ってよ

 払い忘れとか困るし あの二人にも使わせて様子見がしたい」


「それって あの二人のお試しかメインだろ しゃーない

 賭けに負けての奢り券もあるから 他には内緒な」


ショルダーバックから諭吉の紙封を一束だして、隠すようにマスターに渡す


「良く金があるな」


「まだBPにも籍がある 呼ばれたら24時間以内に飛行機に乗るから」


「乗ったことは?」


「ない でも年間のオンコール代でそのブロマイドは賄える

 よしデジポットも仕込んだ 帰って風呂入って寝る 倉田さんはどうする?」


「あと30分で迎えが着ます クラウンは方丈の駐車場に置いておいて下さい」


「それまで呑んで待ちますか」と言ったら

店に入ってきた若い衆が倉田さんを回収して

「クラウンも回収していきます」と言い残して店を出ていく またボッチ


「マスターごめん 俺が一人で呑んでるとヤクザらしい 俺も店も風評被害だ」


「それ一回づつ訂正入れてる FRP屋も協力してくれるから その内消えるよ

と、思ってたけど パンチにリーゼントにオールバックが二人 どこの組?だよ」

爆笑するマスター 後ろのテーブルも爆笑している


「何笑ってるの これ山田の?一本貰うね」入ってきたFRP屋さん


「比丘くんのヤクザ疑惑が深まるメンツで呑んでたから、指摘しておいた」


「知ってないとな パンチにダークスーツだったし」笑うFRP屋


「更に深まるヤクザ疑惑で凹んだし 笑われたし帰るわ お先です」


階段を上がり 店を出ると ファントムⅡ Rrドアを加藤さんが開けている

しかたなく Rrシートに身を鎮めると 滑り出すファントムⅡ


Barの店内ではFRP屋さんが

「表にさ ファントムⅡがショーファー立たせて停まってた

 あれでドア開けられてRrシートに身を鎮めるのはヤクザレベルじゃないな」


「なに ベンツより高い車なの」21の美容師の真矢

やっぱりパンチは嫌でこの店の中でなら話をするけど、呑み友達認定


「ロールスロイスって知ってる? それの一番高いの しかも特装」


ダッシュで観に行く21 すでに車は居ない

「本気でRrシートみたい 居なかった」戻ってきた真矢21


「北海油田で働いてただから 謎も多い男だよ

 まぁパンチだけど 気のいい26としておこう としとかないと

 このシーバースとサルート呑み比べセットの奢り券が使いにくい」


「なにそれ? お酒?」真矢


「真矢ちゃん21だよな 譲るから生まれた年の酒を呑んで見る?

 俺はシーバースのダブルのショット チェイサーは水」


「ご馳走さんで〜す」軽い真矢

カウンターに座らされて マスターの講座が始まる

聞くしか無い真矢 10分は講座でやっと半分でシーバースのショットを切られる

ここから更に10分は講座を聞かないとサルートは出てこない


「やっぱりか バックバーのあの位置の酒だとマスターの講座は長いんだよな

 俺の30誕生日祝で貰った、この定冠詞呑み比べセット券 どう考えても長い」

店の電話を借りて同学年の江田を呼び出して これ奢りと渡す

江田氏 各10分でショット2杯 三杯目にたどり着くのに更に20分の講座

「トラップ 比丘のやつからの奢り券は辞退しよう」

危機管理能力の高い シーバースのダブルの3杯目を呑んでるFRP屋


ファントムⅡの車内

「景子の世話から姿を消して 表舞台に出てきたら大活躍じゃの

 加藤にも肚を据えろと 明日一日 儂も頑張る それを言いに来た」


「自分の婿入りの障害を一個づつ解消してます なかなか遠い」


「金曜日に会えることを祈っておる」


「明日はお互いにパスしたいですしね 俺も祈ります」


との会話で方丈のお屋敷に着いてしまう近さ


「では 金曜日に」と言ってドアを開けようとすると加藤さんが開けてくれる


「がんばろう」と降りて 門に立ってファントムⅡを見送る


見えなくなってから、ピンポン三連打して 玄関に向かう

「門〆ていいですか」と声を掛けると


「開けっぱでいいわよ 一人?」と香織


「今はな」


この返答で爺婆父母が出来てくる


「流石に 一日に四度も窓の開かないファントムⅡを見送るのはレア体験だよ

 最後はRrシートで送ってもらったし 送るばかりだったけどいいもんだな

 香織 風呂入って寝たい 沸いてる?」


この一言で 奥に引っ込む爺婆父母


「仕舞い湯だから 入れ直すわ」


「いいよ 面倒だし お湯の勿体なお化けが出る」


ササッと風呂に入って出てくると

「カラスの行水」と笑われて麦茶を出して貰い、香織の膝枕で寝てしまう


まったね

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