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第三十夜 まだ 感じれる力を持った若者を探すほうが我々には簡単なのですが

さよのの店の中での出来事と中華での出来事を掻い摘んで話す順子さん


「まぁ すっごい肚 歩美さんも”ギリ”で良いお見合い相手に恵まれて

 必ず口説き落とさないとね そこまでの肚 話題のパンチのアキラ並

 本家もいいお婿さん候補で成婚すれば安泰 横槍には気をつけてね」


「その”ギリ”でが ❍高ギリだからな 間に合う」順子さん


「私も24で嫁いできて 29でギリでしたから そこからは年子で二人

 三連続はキツイかったのですが 皆さんに良くヤッたと祝って頂き 

 お役目は果たせたかと あとは育てて婆へ 気が楽になりました」


「その辺の気持ちはな 私には理解らないから和恵姉さん しっかり説教」


「やっぱり 行き遅れると説教の山」ボソッとな歩美


「当然ですと説教をカマシたいのですが 婿殿のご意向での説教になります

 和恵さんと順子さんの説教で エステも始められるとのこと 嬉しく」酒田さん


「あとは料理よね 婿殿に手料理」とハモる年上の二人


「それも パンチのアキラの料理教室にお誘いを受けておりますので」


「ホントに すごいじゃない 篠田の板場フリーパスのパンチの料理教室

 今までサボった分がキッツいけど 熟せれば立派よ」順子


「うんうん 頑張ってね」思いっきり他人事の和恵


「順子姉さんも 和恵姉さんも一緒に 樫村の台所で習いましょうよ

 長谷くんが頼めば来てくれますから」自分だけは嫌な歩美


実は三人とも お手伝いさんとお姑さん任せで料理はからっきし


「いやいや 子供に手がかかるから」と逃げる二人


「お子さんにお母さん手作りのお弁当を」逃がす気はない歩美


「理解ったわよ 樫村の家に来る時だけね」そんなには来ないと余裕の二人


「はい 歩美様 リダイヤルでパンチのアキラ様に繋がります」酒田


携帯電話を受取り リダイヤルをポチっと 話し込む歩美


「私が緊急なので 見合いが上手くいき 成婚へのスケジュールが引ければ

 来週から水金の午前で時間を創ると パンチのアキラが了解してくれました

 樫村の板場での家庭料理の料理教室 開催決定」歩美


「そんな簡単に動く男ではないハズ」順子


「後輩の婿入り先 恩を売っておくと お忍びで来て1ヶ月で仕込むって」歩美


「頑張りますか」と平静を装い方向転換の二人


家に帰ると車の中の余裕は心の棚に仕舞い お姑さんに土下座の勢いで

「来週の火曜日までで料理の基礎を 叩き込んで下さい」順子


「いいけど あれほど才能がないからと 嫌がっていたのにどうしてまた」姑


「樫村本家の歩美さんが婿取りのお見合い ほぼほぼ婿殿も了承済

 ええ男で一安心と エステに行けと説教入れてたら 料理教室開催決定」


「御目出度い事でお祝いとか考えないとね それと料理教室が繋がらないけど」


「歩美もダメダメなので 和恵姉さんと料理頑張れとおちょくったら

 婿殿の先輩のパンチを引っ張り出して

 来週水曜日から家庭料理教室の開催と 巻き込まれました」 


爆笑のお姑さん 

「パンチが教えるw 場所は板場だけど家庭料理 板さん相手じゃないから

 まっさらがいいわね 楽しみだわ包丁は自前がいいから 用意しないと」

楽しそうに準備を始める お姑さん


樫村本家にも当然のように板場がある

お姑の佳代さん+母千恵子さんの二人で板場の点検整備が始まる が

すぐに、さざ波の板場から一人が来て 点検・整備を交代して始める

「あきらさんと生徒が三人 家庭用レンジを4つとの指示 買いますが」板さん

「お任せします」と佳代さん


「酒田さん 本当に今日も活躍してくれて 料理まで習う気に」母千恵子さん

「ほんにほんに 婿殿もまだ見てはおらぬが肚は決まっておると」お姑の佳代さん


「偶々、さよのさんのお店で居合わせました谷上へ嫁がれた順子さんも太鼓判」


「パンチのアキラに蹴られた時は どうしたものかと うちもお局様だし」千恵子


「順子さん曰く パンチのアキラでは歩美様では荷が重い 長谷様がよいと

 分家には順子さんから ちょっかいをだしてもいいけど とアラートです」


14時過ぎに 目を覚ましたアキラと倉田さん

考えても流れに乗るしかなく 明日1日が過ぎれば 潔斎に入る 祈るしかない

どうでもよくなったので 二人で歩いて定食屋さんへ 遅いお昼を食べに向かう


「普通の定食屋さん ですね アキラ様 とはイメージが違う」


「景子さんがさ 夕方仕事中に電話してきて ご飯に行こうなんだけど

 この手の店に連れて行ってご飯 普通に定食屋でお客さんと混じってご飯

 とんかつ屋さんで 古っるい週間プレイボーイを見つけて喜んだり

 大人しく食べるのよ 誰も景子さんを気にしない それが良かったのかもね」


「岩山の家格では」


「それかもしれない 俺はそこを全く気にしなかったからね

 美味しい店もハズレの店も 運だから美味しく頂こう と説教」


「雅人様もその辺が無頓着で定食屋へ行かれようとして お止めしたと」


「行かせればよかったのに 廻りに埋没して食べるのも楽だよ」


「景子様が美味しくないとなった時のリスクが高いので」


「さっきも言ったよね 美味しいハズレも運だって ハズレだってマズイだけ

 うんは良い事も悪い事もはこんでくる 受けいれればいい

 今日行って貰った鉄板焼屋 板場の若い衆も来るから味は保証できる

 けどあの時間だと廻りはその辺の工場こうばや現場の若い衆だらけだ

 だれもご当主も景子さんも気にしない 落ち着いて食べれてるはずだよ」


「そこまでの肚は」


「さて、食べ終わったから ご馳走さんだね」と伝票を持って立ち上がるアキラ

支払いをして、店を出ると 暖簾が仕舞われる


二人で歩きながら

「家格と座敷童の血 どっちも大事にしたいけど 大事にし過ぎだったね

 気圧される感じれる力を持った一族だから仕方がない面もあるけどね

 婿殿はどうかな 血は遠くで感じれなければお局様耐性だけあればいい」


「明様 その簡単に言われた お局様耐性 普通の若者ですと難しい

 まだ 感じれる力を持った若者を探すほうが我々には簡単なのですが」


「はい?」


「なんとか 探しせたのが雅人様 ただ明様の足元のお局様耐性なので」


まったね

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