第二十七夜 酒田と揃ってボンクラになるトコでした
暫く無言な 倉田さん
「景子様が落ち着けば このまま落ち着いていけばいいので」
「そそ 雅人さんに惚れ抜いてくれて 俺達はお払い箱になればいい
その前にマリタイム・エマージェンシー・レスキュー・クルー・リスト
略称M-ERCLでの呼び出しで俺が陸にいない時に季節の宴が
開催される場合だ 居ない言い訳を長谷に任せようと思ってるけど
倉田さんが受けてくれるなら任したい 長谷も気楽になるしね」
「緊急救助隊のリストでの呼び出し? 明様がですか」
「そそ 北海油田の実務経験値で推薦されて 海自の救難艦での訓練
現場の指揮側の訓練も 先頭で助けに行く側の訓練も熟してるから
年4回10日間のチーム運営と実技確認での招集がある
特殊即応自衛官の肩書だよ これには俺もだけど民間のサルベージ会社の
連中も特殊即応自衛官として参加してくる 海自と民間と合わせて
M-ERCLが出来ていて リストinしているから民間からの応援妖精も
一緒に潜った海の仲間の妖精で断れない」
「実際の出動はされたのですか」
「ベル潜ではないな こういった訓練はやるだけで無駄に終わったほうがいい
でも切らさない 参加妖精があれば参加し続ける 何処で何時でなんて 運
訓練でも事前連絡がないんだ 抜き打ちのみ 海自の連中もブータレてる
なので普段は代打要員の流れの板さんの俺は3回連続の出席だよ」
「ベル潜では との限定をしたと」
「此の話は出れない理由の説明 他は極力外して宴に駆けつける
駆けつけるだけど 7月に日本海に居たら海自のヘリのリフトで回収された
お手伝いに行っていたダイブショップの生徒さん含めて丸ごと目が点になっていた
携帯電話で捉まるから追い駆けて回収をされるんだよね
メンバーへの連絡 参加可否の確認 回収と回収ポイントからの移送 全部訓練
岩山のお屋敷にヘリが来てリフトで回収とかもあり得るんだよね
それならそれで景子さんも諦めるからいいかな」
「解りました屋敷にヘリなら景子様も諦めるかと
どうして コレほど協力的に」
「2年前のさ 姿を消した後2ヶ月は日本に居て会社勤めをしてて
真理さんにフラれてセンチメンタルジャーニーでメシマズのベル潜の訓練施設へ
その後は北海油田で仕事 シーマスターが傷だらけになってΩ本社に
持ち込んでOH 珍しい時計じゃん サファイヤガラスも厚いらしくて
OHで1万CHFと1ヶ月 待ちの間 スイスでスキー滑ってた
北海油田で稼げたのもNTT株の泡銭が種銭で訓練施設に入れたから
帰ってきても板場をあちこちにで過ごせたのも 泡銭のお陰
あそこのGS裏のBarに通い始めて落ち着いた3ヶ月めで 此の騒ぎ
婿入り先も決まって 泡銭の恩返しをしようかとね」
「本当の所を 真意を教えて下さい
語らず実行が信条の明様 話が長い なにか隠してる」
「怖いんだよ 座敷童の景子さんが強化版になり我儘度が上がってる
長谷が指摘と見解をだしてくれたんだけど
婿に迎える”と”膝枕は出来ない 裏返すと 迎えなければ出来る だぞ
シーマスターを魅て 外して嵌めてる時の表情だと ドキドキだったと
やっぱり明がいい と言い出さなかっただけでヨシ! との見解だ
俺は当時の表情を見てるから、思い返してて気が付かなかった
長谷の指摘で10分は意識が飛んだ 岩山家は誰も気が付いてないだろ」
「はい」
「婿殿にお任せをしたいけど今日も来た
景子さんの血を「まったく感じれない」長谷の見解だ 信用して
つかず離れず 程々の距離 此の作戦
景子さんに暴走されたら 俺の婿入りもパーになる 以上」
「そこまでの危機感と危機の未然対応の提案 やっぱり 明様だ
どんな椅子を用意すれば、岩山の企業グループにお誘い出来ますか
これは景子様とは一切関係なく・・ 」
「関係がないなら条件交渉になるけど なんで詰まるの?」
「抜群のお局様耐性は関係はあるので 全くの無関係ではないからです」
「倉田さん そのお局様耐性はヤメて 自分で言うのはいいけど
冷静に他人に言われると凹む それに婿入り先は23でお局様ではないから」
「事実ですから 姓を代え家に入って頂くなど 婿取りだけも難しい
小姑になる実姉が呑んで渡るお局様のさよの様 香織様は”ご苦労”をされたと
その方丈の家に婿入り 抜群のお局様耐性があるから出来る力技ですよ」
「」
凹んだ俺を見捨てて 応接を出て廊下で声を出す倉田さん
「方丈家の皆さん お願い事がありますので お集まりを下さい」
爺婆父母姉妹と応接に入ってくる
入れ替わり爺婆父母が長椅子に座り シングル側に倉田さんと俺と香織
応接セットの脇にある椅子に座るお姉さん
お屋敷なる応接セット デカイくて7人が座れる
「明様が大チョンボをしておりまして リカバリのお願いです」倉田さん
「大チョンボとは」父
「水曜日の長谷様の見合いの件 仲人とか大きな事を 今現在、明様は独身」
「あ、仲人は夫婦が大原則 死別とかの特別な事情がなければ 夫婦でやる」父
「まだ 挨拶だけ これから結納やら 式・披露宴で忙しくなる」爺
「それで裏では動いて頂くとして 正面の仲人は方丈家でお願いできませんか
そもそもの縁はさよの様と歩美様の繋がり そこに明様が運を運んだ
方丈家の方が仲人で なにも問題はないのでお願いできませんか」
「岩山家は?」婆
「岩山家の使いを立会人として若い衆を同席させます が、なにも致しません
ただ同席するのみ 私では重すぎるとの明様の判断です」
「いいのでは 樫村家としても若い衆とは言え 岩山家の使いの看板」父
「うむ ご当主が来られるとかでは うちも対応に困るからな」爺
「昨日来て敷居を跨いで玄関に居たわよ 何も出来なかったけど」さよの
「」爺父
「その辺も含めての若い衆の立会・同席 仲人の件はお願いしたい」
「うちの夫婦でお受け致します」母
「問題解決 良かった お見合いの席で未婚の明様が仲人とか能書垂れて
共犯の樫村の酒田と揃ってボンクラになるトコでした」
「その基準だとウチの婆母も私も遠山も香織も揃ってボンクラよ」さよの
まったね