第二十夜 腕時計の裏蓋
「此の時計もそうだけど 裏蓋が変えてある
俺の Akira Biku A+ 比丘 明 A+
潜水士免許の登録番号 ***ー******
ショップの店名の Diving Shop Hammer Dive
住所 ********* ********** ++++++
電話番号 ***ー***ー****
何時なんどき 何があっても帰ってこれるようにのIDが彫ってある ほれ」
腕時計を外して 長谷に渡す 見る長谷 その場の人に廻していく
「漁師さんは墨を入れる そこまではするなと師匠がコレを贈ってくれた
米軍のIDは2枚一組のペンダントだけど 戦争しに行くわけじゃない
アクセサリーは嫌いだから 腕時計をするだけだからね
景子さんのは身元引受人で本家の住所と電話番号と岩山 景子
漢字とローマ字で彫ってあった ゼニスやオメガでフラットな裏蓋に
漢字で 引き取り人 岩山景子 はなぁ」
「ねえ なんでそこまで 岩山家の一人娘が惚れたの」遠山さん
「知らない 迎えに行って ご飯を食べて 送って行く これだけ
最初は 週イチ だんだん増えていって 多い時は 週三回
廻りは 俺が彼氏だと思っていたようだけど 渡ったお局様はお断り」
「ぶっちゃけのお尋ねになりますが H は?」歩美
「Hなんて 一回もしてない キスすらしていない
岩山家に昼飯を食いに行っての昼寝で膝枕まで
膝枕だと乳が目の前になるけど 揉むどころか 触れてもいない
でも 膝枕で寝てると喜んでくれるから 爆睡して帰る」
「え、乳を触られた 私のほうがH度が高い」歩美さん
「そっか 乳は触ったからね でも膝枕はして貰っていない」
「岩山家のお嬢様の価値観を根底からひっくり返してるのか
贈り物で叱られるけど それでも受け取れば使ってくれる
Hどころかキスすらしないけど 膝枕で爆睡 愛おしくなる
お局様の母性本能くすぐりまくりだわ
呑んで渡っても付き合ってくれて 何があっても送ってくれる安心感
その根拠は二人分の命の世界観か 惚れるわ
これだと若い娘は去るわね まさにお局様特化型」さよの
「はい? 若い娘は去るの?まぁいいや瀬山とは違うから香織だけでいい
景子さんも甘えて渡るのをヤメさせる事が出来てれば 違った結果だよ」
「難しいわね その時で27岩山家でも焦るから 3ヶ月で婿入り確定の案件
何回 婿入りの打診はあったの」歩美
「最初は26だよ 家までの送りして3ヶ月過ぎて毎月打診が始まった
半年過ぎる頃に27の誕生日を迎えて2週毎 此の辺で昼飯のお誘いが始まった
ラスト3ヶ月は毎週 最後日参 そんな暇があるなら
自分達で迎えに行けよなんだけど それはダメらしい 景子さんが怒りまくる
血筋なのか家の者では逆らえないらしい 俺は気にせず説教を入れたけどね」
「血筋だけど家の者だからではないわよ 岩山家その筋の血
景子さんは特に濃くて 呑んで渡るとノーリミットになっていたと
当主ですら無理だから 家臣程度では抑えれない」歩美
「ふ〜ん ただの美人なお局様だったけどね グダらなければなぁ
膝枕は最高なお局様 料理は最低だったけどね」
ピンポーン ピンポーン ピンポーン と三連打
「香織 板場から勝手口へ 俺は逃げる」
だけど香織は理解でてきない 板場からの勝手口には10人は居る か
諦めて玄関に向かう前に バックからだしたシーマスターを嵌める
3ヶ月の訓練➔北海油田で半年間 酷使して傷だらけだけどコレも愛機
途中で応接の三人に
「おい 瀬山 今から本気の修羅場が始まるから 見とけ」
出てくる三人 後ろには香織達 玄関には景子さんと雅人さんだと思う男性
ご当主夫妻も居る あれ?酒田さんがいる 歩美さんと来てたんだ
「倉田さん 今度の土曜日に祝電を打つ これで握れない?」
「私ではどうにも 景子様がどうしても 急ぎで お会いしたいと」倉田
「雅人のな 兄夫婦が会ったと聞いたから あきらの顔を見に来た」
「やっぱり そこで捉まりますか」
「全く変わっていないの 今でも勿体ないお化けの信者なのか」ご当主
「うん 雅人を婿に迎えると膝枕は雅人専用になるから出来ない
だけど また岩山の家に遊びに来て欲しい ご飯は用意する
一度もHをしていないから 前彼でもない 気にせずに来て欲しい」
「それで 婿殿はいいのか 断れよ」
「断った時の背反が大きすぎて 認める鹿ないのですが」
「頑張れよ」
「貴方ほど 縁と運に愛されていないので無理 ご夫婦でどうぞ」
「それでいい あきらの顔を見れればいい」
「式 披露宴にご招待をしたいのですが 欠席ですよね」倉田
「ご辞退をした男が行ける訳がない」
「では 前日の内輪の祝宴にだけは ご参席をお願いできませんか」雅人
「雅人さんの頼み 顔もあるか まだ予定の嫁だけど 一緒で良ければ」
「では 午前10時に ここに迎えの車を廻します お乗り下さい」倉田
「チノパン ポロシャツ だけどな」
「そこも変わっとらん 気にせずでよい」ご当主
「あきらがシーマスターを腕に嵌めていてくれている 魅せて」
魅せてって 貴女が無理くりに俺に嵌めたイリジウムのシーマスターだよ
周りの事を一切気にしなく 自分の興味で推し進めるのも昔のままだ
座って左腕を突き出して シーマスターを魅せる 横に座る景子さん
訓練と北海油田で酷使したけど流石イリジウムのシーマスター1000ft
ボディは傷だらけになってるけど壊れない だけどOHで1万CHFはキツかった
景子さんが使い道を不思議がってたヘリウムリリースも使いましたよ
しげしげと見て 腕から外して 裏蓋も見て 嬉しそうに腕に嵌め直す
嵌める時にシーマスターのウエット対応を伸ばして手間取るのも昔のママ
長谷が動いてシーマスターを引き取りベルトの延長を戻して
嵌めれる様にして 「これで 嵌ります どうぞ」 と渡す
「ありがとう」
「時計屋の息子ですので コレくらいはサービスです」
「傷だらけになるまで使ってくれている
私が贈った時計を嵌めたあきらを魅れた
グダらずに帰らないと 帰るよ」
グダラらずに帰らないと? これを2年前に出来ていれば婿に行ったのに
景子さんの帰るよの一言で お屋敷の全周から一斉に人が動く気配がする
岩山のご当主までお出ましの本気だから裏口もダメか
シーマスター 持っててよかった
「瀬山 一回もHはしてないが 1年間ちょっと膝枕で眠子けた元カノからの
婿どころかご当主まで出張らせてのお誘いを喰らったが 嫁もと躱したぞ
しかも婿入りおめでとうもない これくらい熟せ」
ダッシュで戻ってくる ご当主夫妻
「婿入りの件 祝辞も言えずは申し訳ないが 景子の我儘ではどうにも
別途 お祝いはさせて頂く」と深々と頭を下げて 出ていくご当主夫妻
「戻ってきても 祝辞を言えない事への謝罪だけ 祝辞で済むのに
謝罪だから 頭を下げないといけない 景子さんの我儘が過ぎてる
説教を入れたいが 婿殿のご理解を得ないとな 大変だ」
「今の一党 岩山の本家 しかもド中枢」
「そうだよ 知ってるの そして誰?」
「そして誰? とのご要望に応えての自己紹介 瀬山さんに
『焼肉を奢るよ一緒に行かない? かわいい典子さん』
と誘われて焼肉にだけは行った 岩川典子20 です」
「それはやっぱりイケメンだから? 俺なら?」
「イケメンの瀬山さんのお誘い お高めのお店の奢りの焼肉で私一人だけなら
続いてのBarも行ったのですが お局様付き しかも他にも女が居た
30分前ならお断りの方ですが 今なら 全部私持ちで 焼肉からBarから
ラブホで服を抜がせて畳んで 一緒にシャワーへGo
帰る時は 服を着せて 靴下を履かせます」典子
「ブサイク7割だよ」
「そんなの 岩山本家の来襲を受けて軽く流せる肚 憧れです」
「でもこめんな 売り切れてるんだ」
「妾でいいです 自分のご飯は自分での妾でいいです」
まったね