第十七夜 長谷の後ろには遠山さんが付く
「明さん さっきの連れて出ていくとの話と矛盾していますが」香織
「今現在は爺婆とは面識もないから嫌われていない なら香織の婿で次期当主」
「それよりも 亜美先輩への どんどん出てくるって煽り 凄い」琴美
「そんなん 瀬山はイケメンでまつ毛は長い 居酒屋との二股は確定してて
興味は焼肉の娘になんて言って誘ったかだけだ 煽って揉めて貰おうだよ
まぁ ブサイク7割で向こうからは寄ってこない俺の僻みだけどな
長谷もイケメン寄りだから 気をつけなよ」
「比丘さんを見習って 肚の決まったブサイク5割愛嬌5割の男を探します」琴美
「琴美ちゃん 割合が変化してるけど」長谷
「愛嬌が多いほうがいいとの希望です」
「5年後の総務のお局様だ 長谷くん あの館の店に居るつもりなら
今から、その様に対応したほうがいい 減点は少なく ポイントは稼ぐ」さよの
「え?」
「まぁねえ この2日間ウチの明さんを見続けた上で煽れる肚 並の男ではね
走行してるとお局様 気を付けたほうがいいわよ」香織 逃げ切ったので余裕
「訂正します ブサイク7割愛嬌3割へ 長谷さんの紹介で比丘さん仲人」
「それいい 比丘さんが仲人なら 見極めも 後のグダリも躱せる」長谷
「じゃ 遠山さんとの席を用意して貰うから 見合いからスタートで」比丘
「どうしても 遠山さんとくっつけたいのですか」
「W衝撃波で方向を変えてるから 来週見合いで半年後に挙式 ❍高に間に合う」
「それ 遠山さん視点しか無いのですが」
「美人で太実家でエアロビの東海選手権のエントラント まだ27だし
さよのさん曰く 挙式が修了すると良妻賢母になるらしい」
「担いでないですか?」
「担いでたら長谷くんが振られて凹むだけ 5回は焼肉とBarのチャンスがある
5回は契約済だから行くように言っておくから頑張ってね」さよの
「まいっか 美人だし キツイけど性格もいい」
「だろ そうなる けど絶対に渡らせるなよ 渡るのを許してると俺の二の舞だ」
「それはそれで 26で23に娘に行けると」希望を騙る長谷
「その代わり 義理の姉が独身の29だぞ 小姑候」事実を示す比丘
「その切り返しと遠山本人の支援があれば爺婆は黙る がんばれ長谷くん」さよの
「スタンドからネット越しに ブラバンをバックにチアガールで応援します」琴美
「その他人事感 並の男では無理」爆笑する姉妹
「後2年の23で宛がなかったら、踏ん切りを付けて見合いに移行な
竹田のおばちゃんや竹内さん 頼るとこはある きっと動いてくれる」
「ねえ、遠山を激推し お嬢もそこそこは推した 此の娘にはフルサポートを約束
誰か忘れてないですか?」さよの
「義理の姉の嫁入り先は 今現在の次期当主とは言え 義理の弟の任務範囲外
義理の弟の適正利用をお願いします お局様に戻ったお義姉さん」
「そう言えば 姉さんを担いでベッドに放り込むのも任務範囲外だった」笑う香織
「それを言ってから まだ48時間が経過してない 外堀は埋まったかな」
「ただいまぁ お土産が持てないほどある 香織 バスまで手伝ってくれ」父
玄関から父の声が聞こてくる 爺婆父母が農協の旅行から帰ってきたようだ
「まぁまぁ 玄関が靴で一杯に お客さんも居るから朴葉味噌を頂きりん」婆
「長谷と琴美ちゃん香織 お土産の運搬の手伝いを頼む 板場に引っ込む」
黙って言うことを聞く三人 まだ玄関横の応接で揉めてる三人 板場に隠れる二人
「お婆ちゃんが なにか家に帰ると 若いお客さんが一杯だから振る舞えるように
沢山色々買おうって もう大変な量だし 保冷剤も重たいし 助かります」母
「いえいえ お邪魔してたとこなので コレくらいは」琴美
「もう一つお願い お爺さんが呑み過ぎで寝ちゃったの 手伝ってくださいな
お父さんも呑んでるから 足元がおぼつかないのよ」母
三人で支えて バスから降ろして 母の案内で奥の爺の寝室へ放り込む
バスが出発していく
「長谷さんとの次男坊くんだね ええ男になって」と始まる婆
「でもね さよのには可哀想ですよ 6つも上ですし」先を塞ぐ母
「挨拶もしてないが 横になりに行く 流石に宿酔+バス酔+4合瓶 寝る」父
「こちらのお嬢さん お酒は?」婆
「美味しい日本酒は頂けます」琴美
「丁度いい 美味しいのを沢山買ってきた 長谷さんの次男坊を肴に呑みりん」婆
「朴葉味噌でこの飛騨牛を焼いて 松茸の土瓶蒸し 香織手伝ってね
お婆ちゃんは 長谷くんの先輩目当てで お酒を勧めてて」正直な母 美弥乃
朴葉味噌 現地だと一人一枚 お土産で自宅だとバーナーが足りない
土瓶蒸しも同じ これが家庭のキッチンと料理屋さんの違い なのだが
板場まであるお屋敷 板場には土瓶と卓上コンロと固形燃料の箱がある
「香織 奥の板場にセットがあるから 箱ごと持って来て 三人なら持てるでしょ」
黙って板場に来て姉妹と比丘の三人で箱ごと持っていくと
お土産の袋を開けて 肴にした婆と長谷で注しつ注されつ 婆は任せればいいか
「俺の婿入りの件 どこまで 外堀は埋まってますか」比丘
「知らなけど まずはお土産を肴に美味しい日本酒をどうぞ お婿さん」母
卓上コンロが並べられ火が付けられて朴葉味噌+お肉と土瓶蒸し が載せられる
三人分を余分に並べる比丘 そこに載せるのを用意する香織
「鮎もいいのがあって 焼き上がったのを買ってきたから」とドカンと出す
「パックの甘露煮の鮎とアマゴはこっちに置いておくからそうぞ」と母
食べ始めて呑み始めても まだ揉めてる玄関横の応接の三人
「比丘さん 瀬山さんのとこ放置でいいのですか 後が怖いのですが」長谷
「偶には叱られろだ 長谷の後ろには遠山さんが付く 怖いものはない」
「それ お局様の後ろ盾を持つ20代前半男子 館内に過去いませんが」
「最強の総務課の筆頭お局様が後ろに居る テナントの次男」琴美
まったね