第十四夜 他の部署はどうでもいいので
日曜日 お昼13時杉 社食で密談をする 長谷と総務の娘と瀬山と彼女25
お客さんが沢山いても飲食店街に向かうので専門店街は客が切れやすい
「同級生の比丘さんが婿入りで決めたと 私の嫁入りは」と責められる瀬山
彼女さんも総務なので 下から見ると上が詰まるのは困るので
「そうですよ ささっと結納を交わして下さい」総務の娘21
「そうだそうだ」と他人事な長谷くん23
「今週の定休日に挨拶に行くわ 肚も決まった」瀬山
「瀬山くんが 嫁に下さい を言いに行くと あれ?」とさよのさんが来た
「あれ? って」と長谷くんの疑問形
「居た 長谷くんを探してたのよ 比丘くんの腕時計がしょぼい
服は拒否宣言されて まだ話に出ていない 腕時計だけでも
急ぎ見立てて欲しくて 今から頼みたいのよ」さよのさん
「食べ終わってますので いけます」と移動を開始して時計店へ向かう三人
2つ隣のテーブルの4人の女性
「あの娘 昨日の噂は本当だったわよ ちょっと対応を考えないと」
「そうね 後ろ盾にテナントが3軒で さよのさんも居た」
「あそのこ課長に連絡を入れておかないと」
デカイスーパーの女子社員の中での爆弾の扱いになる 21
腕時計を見繕う長谷くんと親父さんだが、親父さんが任せろとなり
会話を開始するさよのさんと総務21と長谷くん
「さよのさんに 長谷くん って呼ばれるのは怖いのですが」
「さよのさんの くん付け 遠山さんと同じ」総務21
「お局様は皆に優しく だそうだから」
「それって 比丘さんのBBA事件」
「その件 後で詳しくお願いします 遠山さんも不気味で」総務21
「そうか 遠山さんも 切り替えたか 良いことだ」
ゾワゾワする20代前半の二人
「さよのさん あれ? って」 話を変える総務21の琴美ちゃん
「私は あれ? の後は 居た だぞ 他意はない」さよのさん
「琴美ちゃん 居酒屋の時の娘とは違いますよね」長谷くん
「あの人は有山店の催事担当の佐山さん22 何処で知り合ったのかな
スキーとかのレクリエーションでも会社も組合も館別だし」琴美ちゃん
「瀬山さんの家 県内にあるデカイスーパー4店舗に全部店だしてる
ウチはココと実家の商店街のみだけどね」長谷くん
「今日の娘 焼肉屋の娘とも違う おれ3つ隣の席で生肉組」長谷
「長谷くんも居たんなら声かけなよだけど 遠慮するわよね
年上美人と年下の可愛い娘を引き連れた瀬山くんだしな」
長谷父が 腕時計を6つ持ってくる
・ムーンタイド ・ロレックスのサブマリナー ・Gショックのダイブ用
・セイコーのプロダイバーの自動巻き と クオーツ
・スピードマスター
「香織さんの婿なら このムーンタイドを推したいけど手巻きで防水がない
腕に巻いたまま 手を洗ったり顔洗うと壊れるから 出したけどな時計
潜ってた人だとこっちの4つ 正確さならGショックかセイコーのクオーツ
渋さならセイコーの自動巻き 派手さならサブマリナー」
車もオープンカーだそうで、好きそうだから変化球でスピードマスター」
「前提は比丘くんがうちの親の合う時用 長谷くん琴美ちゃんの意見は」
「私 セイコーの自動巻き 派手さはないけどタフネス」
「俺も同じ ロレックスはパチもんが出回ってて まだオメガの方がいい」
「オメガだとシーマスターのヘリウムリリースの1000ftタイプ
スポードマスターしか在庫がない
ロレックスもはサブマリナーだけど200m防水
セイコーは自動巻きはヘリウムリリース付き300m クオーツは200m」
「比丘くんをこっちに呼ぶか 長谷くんごと借りるか? だけど」
「箱に入れたり用意するわ 行ってきな 総務にも連絡入れとく」
店先で他所のテナントの三男の痴話喧嘩は避けたく追い出したい長谷父
「息子が店を見てくれるなら 儂が行ってもいい 婿さんの顔も見たいしな」
「いい 親父の客が2時に来るんだろ 俺が行くわ」と長谷くん
時計屋の電話を借りて内線電話で総務の課長に
「午後 抜けたいのですが」と連絡を入れる琴美
「それは テナントの関連か?」課長
「遠山さんと名前は言えませんが総務のお局様にリーチの関連です」
「理解った テナント3軒も絡んでるのだろ 業務扱いにしておく」課長
さっきの経理の娘の連絡 有り難いわ 普段から社食でコーヒーを
配るとかの地道な努力が 危機回避の基本だな と思う総務課長
長谷時計店とデカデカと書かれアタッシュケースと手首を手錠で繋いで
駐車場のSECに向かっていく三人
「さよのさん 長谷 と呼び捨てに戻してもらえませんか」
「それはダメらしい お局様は皆に優しく ポイントを取りに行けと
思いっきりの説教を喰らって 撃沈しているから」
「それは 遠山さんも同じですか」琴美21
「同じ説教を喰らったから 同じ」
「琴美ちゃん その件 全館内に展開して皆で慣れよう
あと 全国の系列にも展開してね 遠山さん有名人だし」
「やっておきます それより瀬山さん まぁツケが回っただけですが」
「瀬山くんは 頑張るらしいので皆で応援しよう」
「腹黒い」ボソッと呟く21
「琴美さんだって 遠山さんに思いっきりの煽り さっきの結納も煽り
腹黒さでは同じよ 切実さは逆方向だけどね」さよの
「速く寿して欲しい と 速く寿で式披露宴 思惑は一致しています」
「そっか 総務のお局様の一歩手前の25だっけ そっちな訳ね」
「今9月末 10月が遠山さん 11月で26 お局様がまた一人は困ります」
「切実」長谷 でも他人事
門が開いていて 玄関奥にSECを突っ込んで停めて二人を連れてリビングへ
リビングのテーブルにアタッシュケースを載せて手錠を外す長谷
「お腹がすいた」長谷 「ペコペコ」琴美
「なに 食べてなかったの」
「食べる前に 私の嫁入りは と始まってしまって」長谷
「煽りを入れてたら さよのさんが来て あれ? 即離脱です」
「私が行かなかったら?」
「他の部署はどうでもいいので ウチの先輩を片付けて貰おうと」
「琴美ちゃん 切実で必死だわ」長谷 やっぱり他人事
香織さんが 菓子椀に肉じゃが 雑煮椀で炊き込みご飯
さよのさんが 長方形の平皿で出汁巻き卵 を出してくれる
「私の力作のお昼の残り物だけど 冷めても美味しいのでどうぞ」さよの
なにを言っても仕方がないので マズイのは承知で「頂きます」な二人
温めた 赤だしが追加で出てくる
「うそ 美味しい」 「うんうん」とガッツリ食べて ご飯と肉じゃがはお代わり
「どうだ 見る目が変わるだろ これ香織の出汁巻き卵 比べてみて」
食べ終わる二人 綺麗に食べて残りはなく 勿体ないお化けは出ない
「さよのさん 騙すなら騙すでもう少し考えないと 一見家庭料理ですけど
プラサホテルの篠田の板長が 偶には俺が賄いを作るわ な料理
従兄弟が篠田の板場に居て 板長の賄いを頂いた時以上の感動ですよ
二個目の出汁巻き卵は 香織さんでいいんですよね 美味しい家庭料理
プロ しかも板長クラスと 並べて比べるのは気の毒です」琴美
まったね