第百三十六夜 ただねぇ桑畑 いっぱい引っ掛けてがベストパフォーマンス
ほぼ纏まった所で
「兄さん コカさないでね 来週12月になる時間はない
あちこちからのあれこれを 全部 煩い で蹴飛ばさないと」
「奈津二くん 谷上家の当代が仲人 これで蹴飛ばせ」大智
「婆に任せよ 谷上の当代が仲人 嘴は挟ませぬ」
「婆様 そこは 若旦那に華を持たせないと」思わず声に出る桑畑・渡瀬組
「そうだよなぁ せっかく振ったのに」妹と大智
「婆は出しゃばり 仕方がない 煩いも言えたし」流す奈津二
「まま 味醂でも」と皆に勧める爺
「ホントに甘いお酒 ツマミの白和えも美味しい」と呑み干して
「米焼酎のロックも美味しい」グビッと行きだす桑畑
「これが1:1の柳陰 どうぞ」奈津二
「なにっこれ 甘露」桑畑
奈津二とさよの 楽しい会話スタート
黙ってみている渡瀬
婆に勧められグビッと 爺に節子に勧められてグビッグビっとな桑畑
「もうイッパイ」7杯目の薩摩切子を出す桑畑
薩摩切子をはたき落とす順子 「渡る前で止めておかないとね」
「うちの味醂と米焼酎の柳陰 谷上側でも1人くらいは渡って頂かないと」爺
「もうイッパイ」と元気よく薩摩切子を出すが寝落ちな須磨子20
「切子の3杯で まだ大丈夫かと」渡瀬
「須磨子ちゃん 20と若くて呑み慣れてないから」順子
「桑畑 味醂と米焼酎を入れると6杯も呑んで 渡るわよ 注意ね」渡瀬
「そういう渡瀬は?」桑畑
「各一杯の計3杯 美味しゅう頂きました」
「でもね 柳陰 一杯づつ味が違うの 美味しさ炸裂」桑畑
「それは 味醂と米焼酎 1杯づつ、割合を変えてますから
桑畑さんとさよのさんのは 1:1と1:3と1:2と1:4です」奈津二
「柳陰の2杯目が美味しく」桑畑
「呑ん兵衛ですね30度の米焼酎が3ですよ でも美味しいのは保証します」奈津二
「渡瀬も 1:3を頂いておいたほうがいい 甘露よ」桑畑
「是非に」生田家総出で推してくる
「頂きます」と言うしかなくなくなる渡瀬 頂いて「美味しい」
「ここで打ちきりん ええ年の女衆 渡るのはいかんじゃんな」爺
「決定事項の再確認を」渡瀬 渡る前に淑の幹事の面目で話を進める
「生田家の御曹司 多少婆の出しゃばりはあったにせよ「煩い」も言えた
奈津二さんの嫁入りを先に見たお付き合いの申し入れ さよのさんも諾
年内に結納 結納先は谷上家 1月末までの式・披露宴 仲人は谷上家
ここまでで、異議・間違いの指摘は御座いますか」椙の代表の面目で話す桑畑
「あと 方丈香織には一切漏らさない いきなりの式・披露宴」渡瀬
「良ければ 議事録を書きますので サインをお願いします」桑畑
「なにそれ」順子
「26の誕生日までは 製造業の技術部でアシスタントをしておりました
会議体が運営されて、議事が固まれば、議事録を作成するのが当たり前です
弊社と客先等の参加者全員の判子とサインをそノ場で頂き発行です」桑畑
「面倒な時は 黒板にサインして貰って写真を撮って廻すもありました
後から聞いてないだとか、どうこうが一番面倒なのでそノ場で」渡瀬
「ふゅ〜 二人共 浦上に嫁入り とか 実家が遠くなるとかはいいの?
まず浦上の谷上家に来て花嫁修業兼観光協会と谷上産業の俺の秘書」
「いまは そノ前に議事録です」とバッグから紙と万年筆を出して書き始める
二人で文言とかを選んで 15分で書き上げて 皆に廻る議事録
一部 文言に赤が入り 書き直してサインが入っていく
「奈津二さん カメラはありますか」渡瀬
持ってくる奈津二 フィルムを入れて2枚撮影
「もう一本フィルムを」桑畑
「3軒 斜向かいに写真館があった 買ってくる」渡瀬
「なんでまた 写真は撮ったんでしょ」順子
「このフィルムがダメだった時にリカバリに必要です」桑畑
フィルムではなく写真館の人を連れて来る渡瀬
議事録を撮るだけでなく、皆で議事録を持って記念撮影
当然のように 2台のカメラで各々撮影されていく
「お嬢さん えらいね 儂らは式・披露宴 成人式なんか 必ず2台で撮る
フィルムのLotも変えて、現像所も時期を変えて現像する
一生に一度の瞬間を切り撮る訳だからな それなりの事をすると高くなる
そう言う事が解ってくれるお嬢さん達に呼ばれたら 来るしか無いわな」
「ご協力 有難うございます」渡瀬
「請求書は谷上の家に廻しといて」大智
「いや 生田醸造へ」爺婆
喧嘩が始まりそうになって
「私宛で それくらいは出さないと」さよのが抑え込む
「生田家と谷上家は この二人の嫁入り先の斡旋が最優先
大智さん ちょっと会社の業務改善をとか考えてるし」
「そりゃ うちの会社に是非欲しい 来れば男ボンズが求婚に行く
今の当たり前を見てれば、婚姻後も正社員で来て欲しいわな
赤子が産まれては難しいが パートで呼びたい人材」大智
「ただねぇ桑畑 いっぱい引っ掛けてがベストパフォーマンス」裏切る渡瀬
「浦上の田舎だ 渡ってグダらなければ 平城運転で流す」大智
『渡瀬だって と言う前に エライ肯定が入るんね』声に出てる桑畑
「ほいじゃぁ 現像は三回に分けてやっておくから 届け先はここでええかの」
「谷上家へ 配達の出張料も込で私宛の請求書でお願いします」さよの
「ええわ 印画紙は各2枚づつ焼いての 両方へ配達する
儂の撮ったフィルムは谷上家とここへ 奈津二くんのカメラのフィルムは此処へ
これでええかの」
「それでお願いします」渡瀬
「ほいじゃあの 奈津二くんが嫁取りかぁ それもグラビアのお嬢さん
この近所で大騒ぎになるわな 儂もダマで行くわ 楽しみじゃ」
まったね