第百二十九夜 冷やし中華にマヨは あり なし で大喧嘩
高速乗って浦上へ 80〜90で走るセルシオ
廻りの車より若干遅い 90〜100にあげて廻りに合わせれる香織
そうね これくらいが正解なのね 日本車の日本のメータが正解
今日来た県警高機の二人に切られた青キップで学んだ
香織の携帯電話に着信 さよの姉さんからだ 婆様に渡す
別に携帯電話で通話しながらの運転でも違反ではないが
右ハンドルで 明のオープンよりデカいセルシオ 擦りたくない
婆様とさよの姉さんで 打ち合わせが進んでいく
携帯電話の電池が切れて 通話は強制終了
谷上家に来て門の前 明のオープンなら余裕に見えたけど
セルシオだと擦りそうで 門の前で止めて駐車場への案内をお願いすると
爆笑しながら大智さんと三人のお子さんが出てきて運転を代わってくれる
お子さんたちと玄関の前で大智さんと合流して
「手土産も用意できない緊急事態で 突然の訪問を致しました」婆
「直貴くん達? さよのさん?」大智
「いえ 谷上家預かりの琴美の件です」香織
「直貴達やさよのの件のお礼であれば
1週間は間を置いて手土産も用意してなのじゃが」婆
「琴美ちゃんの谷上家預かり 漏れていないはず 琴美ちゃん本人から?」大智
「そうです まぁ昨日は静かにでしたけど この先は順子さん込みで」香織
婆 尾張流同門会の喜寿表彰で頂いた飾りを帯に嵌めてきている
谷上の姑はまだ60を過ぎたばかり 喜寿までは当分ある
女同士のマウントの取り合い 同じ茶名餅だけどそこは年長者の表彰餅
茶名から先は 計二の言ったとおりに難易度は跳ね上がる
その先に行ったのであれば それこそマウントを取ってなどは厳禁になる
ある意味 茶名餅の年寄りの訪問との意思表示 と読んだ姑
茶室に案内をして 二人っきりでの会話スタート
「茶名餅同士で 直貴達のお稽古をお願いに来た婆 よろしくお願いする」
「明さんとその後ろにおわす神々 谷上の姑として受けております
その上で 婆様のお願い 頑張らせて頂きます
硬い話は此処まででいいですか」姑
「うむ 挨拶の口上は此処までで 久しぶりじゃの 名古屋城での茶会以来
20年以上ぶりじゃの もう儂は耄碌してな それでも今週は二人若い女衆
今日は若い男衆の見合い前での見聞まで出来た」婆
「それは 婆様が倒れる前に直貴くん達を見せろと」
「いんやぁ 直貴達だけでなく こちらのお手伝いさんとお子さんの一人はな」
「また 難しいことを」
「千恵子さんのトコに さよのも預けておる さよの あれでも子の扱いはうまい
嫁に出すまでの間は、さよのをこき使ってお子たちにお稽古をな よい花嫁修業じゃ
さよのも香織より美貴直貴やお子が先に行く 姉より先の妹の寿 お返しで
お子たちの上達は狙っておるはずじゃ」
「それで」と笑う千恵子
「じゃろ 香織の尻に火を付けたくてな 婿殿では差が有りすぎてお手上げ
直貴達やお子達にお手伝いさん お先にを喰らうが良いわ
谷上の嫁 順子さんも さよのの先輩じゃからの」婆
「思惑が渦巻くまくりで 楽しゅうございます お任せを」千恵子
一方 応接
「カクカクシカジカで まあ大変で 全部ぶっちゃけに来ました」と香織
「その過去での経験 遠山へのビンタも亜美ちゃんへの煽りもまあ熟すわね
そして飲食店長会でBarで一緒に呑めるとか熟せて当然かぁ」さよの
「え?」大智
「私が 姉より先の妹の寿おめでとう の後に 歩美の先輩お先にを喰らって
装甲が全部もげて立てないときに 小姑も居ない、嫁にいけます だから」
「ふゅ〜」大智
「大智さん そんなお気楽に」怒る順子
「淑の幹事さん 独身ならウチの大学OB会だけで3名は見合いを紹介できる」
「そっち?」と順子と香織
「琴美ちゃんは琴美ちゃん本人にお任せするしかない コケたら大阪へ紹介
濃尾平野には痛くないだろうしな 今断ってるOB会の重鎮が大阪
条件だけは超優良物件 だけど地に足がついて俯瞰が出来る肚が要る
そんなのお局様しか居ない と皆が呆れてるんだけど23以下を希望」
「大阪がコケた時の情報漏えいは」順子
「コケて傷心の娘を口説き行かせる訳だから そこでコケたとか
先輩は漏らさない息子本人も漏らせない その前に全力で成婚に向かう
他は 詳細は伏せて俺のリサーチミスとして泥をかぶって全部止める
あの先輩に恩を売れる可能性 泥を被る価値がある」大智
「打算の荒らし まぁ仲人の紹介とか 私も神様の助言を頂き
二件 纏めてきました あれは読めないのを 流石 神様と」香織
「なに?」大智
「冷やし中華にマヨは あり なし で大喧嘩 予選会の今日で良かった
見合い本戦通過後に発覚してたら 大揉めに揉めてました」
「それはなぁ OB会でも関東関西はなし 濃尾平野はありで揉める」
「大阪は?」順子
「なし派が多い というか ありは濃尾平野だけだよ 東西へありが侵略中だ」
「その先輩は?」香織
「濃尾の先輩たちが ありに改宗させてる 息子もあり これは最初に訊いた」
「最初に訊いたって 改宗とか そんな重要項目なの?」順子
「順子は濃尾育ちの農尾在住ありしか見ていないからな なしから見たらアタオカ」
「濃尾育ちでなし派の純金 それで見合いが不成立が続いて 今日成立」香織
「料理をしない順子先輩には あまり実感はないかと」さよの
「そうだな さよのさんが正解だ」大智
「順子先輩 (明|婿殿)の料理教室頑張って下さい」方丈姉妹でハモる
「うん 頑張れ」大智
冷やし中華のマヨからの飛び火で 料理教室へ 凹む順子
まったね