第百二十六夜 振り袖がいいそうよ 26の振り袖で
「琴美ちゃんのお相手は、ボンボンのヌケサクがいいとか言ったけど
好いた男が惚れた女はごく親しい先輩 黄泉の国に
廃人になった男を支える高校生活では肚も決まるわ
廃人から立ち直らせる目処が立ち、姿を消したら巡って今日の再会
でも二人の幸せ期とその後を見ていては、受け入れられない
ツクヨミ様のお導きでいい」母
「縁結びは苦手な座敷童の麻耶様で」
「なにその神様」石川
「明の絡みの神様 キチンと名前を出してお礼を言っておかないと
むう とかで明が困ることに」
「その話はここでお終いじゃ せっかくの "若い四人で" との言い残し
琴美に一人連れられ行ったが 先輩への配慮も忘れておらん
折角の配慮 きちんと使うのじゃぞ」婆
「板場でお昼りを 行きますよ」石川
最初は河北石川組で始まる 後ろで見てる男二人
どうにも危なっかしくて 手を出し始めて
「包丁はこう持って 切られる側の手はこで この指に包丁の腹を沿わせて」
「ブロッコリーは茹でるよりレンチンで」
とか指導が始まっていく
見てる香織 明の料理教室みたいと思っていると
「一人減ってるが ちょい少ないな 御飯と叉焼はある 炒飯行くわ」と加山
「そこの鋳物の五重バーナも中華鍋もある 任せた」山崎
中華鍋から宙を待っていく御飯達 バーナの直火であぶられパラパラに
片瀬・奥山組より荒っぽいけど ポイントは抑えてる
「さっすが板場があるお屋敷 食器も揃ってる」と大皿に盛っていく四人
婆 ゴソゴソと探して 烏龍茶の茶を出してきて 烏龍茶を準備してくる
量を見ていた香織 「洋間の応接で 若い四人でお食事をどうぞ」
応接デスク 狭いのだが そこはお屋敷
「隊長さんと署長さんで この天板をデスクの上に」婆
応接デスクが 食卓のテーブルに変身していく
取皿もレンゲも箸も用意されて テーブルに並んでいく
「既婚組は お向かいのお寿司屋さんから出前か店内でかで」母
「こっちの部屋で出前で 煙草もいけます」香織
「それは有り難い」署長と隊長
生田と琴美の過去事件はあったけど 2vs2になり余りも居なく
応接で楽しい会話がスタートしていく
自己紹介で25を過ぎて 会社に居づらくなって退職の二人
「そっか そう言う事情もあるのか 森川も焦ってたしな」加山
「他人事じゃないぞ 男だって28を過ぎては 会社には居られるけど
お誘いとかも減って逝くらしい」
四人で年齢の壁 部屋に水が満たされ天井が近づくのを実感している
「そこは この四人は同じ境遇 釣り合いはとれてます
私らは婿入りが条件 ちょっと渡ったら ご辞退 反省して渡りません」
婆の淹れた烏龍茶を頂く河北・石川組 ビールを勧めている
「相当の反省があったみたいで」山崎
「OG会の先輩の身を挺しての教え 心に刻んでいます」河北
「森川は滝行に行くらしい」山崎
「森川さんとやらは」河北
「口説いてる年下を連れて呑みに行って渡ってグダってもう一曲
高機の無線で逆プロポーズ ご辞退 をされてな 有給5日間」
「山崎 その村木の件 知ってる?」
「なに?」と三人
「昨日は山田先輩と組んでて、検挙したのを検問のポリバスに連れて行ったんよ
ポリバスで24km/h でもおおまけ 手前の80km/h区間なら50km/h⇡だよ
100km/h区間まで待っての計測で2点と反則金と反省を と説教入れてたら」
「ポリバス 村木が居るバスだよな それで」
「あいつさぁ 手作りお弁当を食ってんの おそろいのお弁当箱は大谷24さん
大谷さん曰く
森川さんは先輩の下知ですし 呑みに行けば渡ってグダるから傾く心配はない
江田さんの結納は知ってましたから 高志 の思いは届かない
いい機会でした これでひとつ上の私に落ち着きました だって」
「まるで お釈迦様の掌の孫悟空」河北石川組
「うん 絵が浮かんだ 高卒で警察学校 車と剣道でここまで来たから」加山
「それかぁ 苦手なこの辺は頼れそうだ」山崎
「お互いに助け合う寛容し合う 見かけは3日で慣れる 先輩の教え」石川
「いい先輩だ その先輩はどこの奥様に?」
「このお屋敷若奥様 若っかいお世話おばさんの香織さん
香織さんの実姉が大台リーチのお局様 姉を見ての自身の経験だそうです」
「香織さんも婿取り 大台リーチの姉が小姑 見合いも組めずで苦労されて
その香織さんも婿を迎えご成婚 2つ上の私らも妹あり 我儘を言わず
石川の言った 年下の先輩の教えに忠実に熟して行かないと です」河北
「婿取り成婚の実績有りの 教え 間違いないわ」加山
ノックがあり 「楽しい会話は弾んでいますか」と香織
「今 香織さんの教えを 小姑は困るまで」石川
「いいじゃないですか 二人共妹はまだ学生 小姑が出ていくまで二人っきりの
賃貸生活で甘い生活を過ごせばいい」香織
「小姑 兄貴の結婚を気に家を出たから 男ボンズはこれが出来る」加山
「おなじく それで晩飯は二人で爺さんの中華屋 通ってたら年で店を閉めるから
男ボンズも多少の料理はと 1年ほど教えを受けれたから自炊が楽に」山崎
「それで」と発した石川河北 プロの中華を1年熟してる マズイ
「先輩 マズイが顔に出てますよ 明とか奥山・片瀬組のガチの飲食経営の料理長
そこまでは行っていない 二人で熟せばいい ただ中華は鋳物のバーナーが要る
そこまでは行かずに 家庭の中華で」香織
「ただなぁ 中華だけなのがな 和も洋も無理 教えてね」ハモる男ボンズ組
「それなりの実家 財力で美味しいものを食べ歩いて 覚えましょう」石川
「食べ歩きの後は 筋トレとジョグ 指導します」山崎
「一本」香織
「面あり かな 剣道ですよね」石川
「うん よい返しで 石川さん 本戦をお願いします」山崎
「残り物には福がある 河北さん 残り物同士で福を探しませんか」加山
「そうですけど 探しに行かずに築いていくのは」河北
「よい返し 築いていきましょう」加山
「見合いの本戦 年明けには自分の披露宴 姉も動きそうでウチも手一杯で
何処かにお願いしないと 隊長達を呼んできます」
「そっか さよのさん川島先輩と同期 動くわよね」石川
「香織さんも一般向け披露宴が待ってるし 忙しいわ」河北
皆で 喫茶室に移動して 紅茶を飲みながら
「うちだと 本部長あたりが仲人で家格は釣り合う 本部長にお願いしてみる
多忙なようであれば 俺と署長で我慢な 早急に釣書と写真 いいな」隊長
「はい」と四人が返答
「写真が振り袖 24の時の振り袖 今だとキツイ 訪問着に」二人
「明も計二くん雅人さんも 振り袖がいいそうよ 26の振り袖で」香織
「うんうん 嫁の振り袖は見ておかないと 本戦も振り袖で」二人
まったね