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第百二十五夜 茶の一杯でお抹茶だと旧家の嫌がらせ

予選会当日の日曜日 0903 琴美到着

小紋に引き抜き結びで 庶民派を押し出してくる淑OG


当事者二人はお昼用の仕込みが完了して着替えている

二人共 小紋に博多の名古屋でお太鼓に帯留め


香織 色留袖にベロクロの二重太鼓


1000 田原隊長と四人が玄関に到着 河北がお迎えに行く

『ん? 隊長と隊員3人と聞いているけど 二人がおじさん』と流して

洋間の応接に案内して 石川の煎茶で饗しを始める


「5分ほどお待ち下さい」と言葉を残して応接を出る石川


「始まったな 固くならずにな」田原隊長


「お手伝いさんも和装 さすが濃尾の方丈本家」白バイの生田


「ばか さっきの二人がお相手だよ」おじさん


「え?」覆面PCの山崎


「財津署長も、そう見ますか」田原隊長


「もう始まっていると」覆面PCの加山


ドアを開けて琴美が前で二人入ってくる

二人の一通りの挨拶の口上を交わした後


「おや財津署長 ご無沙汰で また若い衆を連れてどうぞ」婆


「それが今年は若い衆の配属がなくて 4月の配属があるはずなので」財津


軽く世間話から入っていく婆と署長


「婆様と署長の話はどうでもよくて 婆様ご希望の旧家の嫌がらせ

 茶の一杯を

皆さんにお饗しをする段取り 湯も沸いております」琴美


たしかに 茶の一杯でお抹茶だと旧家の嫌がらせ なのだけど

それを堂々と言い切る この娘は何者となる署長

動かない田原を見て こちらも動かない


「署長さんと隊長さんは熟せれる 嫌がらせなので見本は不要

 ここでお待ちを」


「ああ、此処で待つ間 そこの若い女性と無駄話をしてるわ

 コーヒーを所望する そちらの女性も一緒に」田原


「ささ 若い三人は 婆様の第一関門の通過を目指して下さい

 婆様 案内と嫌がらせのお抹茶を 珈琲を用意します」


おや? 琴美が三人を案内の手筈となるが 何かあると流して

「方丈の敷居を跨いでの予選会とは言え見合い 嫌がらせな饗しをな

 横で お相手となる二人も見学 見本を魅せて欲しいのじゃ」

プレッシャーも掛けていく


婆と出ていく三人 入れ替わりで香織と母が珈琲を持って入って来る


「田原隊長 生田さんをお任するお願い以来 3年ぶりのご挨拶

 生田さんを立ち直らせて頂き 弓佳先輩も喜んでくれるかと」


「生田と弓佳さんの事を知っている? 生田を任せた? 琴美ちゃんか

 一番やばい時の半年以上高3の琴美ちゃんが支えてくれての立ち直り

 この件は 昨日俺だけで弓佳さんの墓前に報告してきた」


「淑のOG会の偵察依頼 名前見て凍りました あの廃人がと

 モルヒネで意識混濁の中 生田さんの幸せだけを願ってた弓佳先輩

 今日を見て 安心しました ちょっとの下駄をどうぞです」


「生田にその記憶はない 生田自らの意志で封印されてる

 琴美ちゃんも含めていっさいのを消しているからな

 それでも 県警高機 白バイの夢だけは残して 這い上がってきた

 弓佳さんの夢でもあったからな」


「生田さん 女性相手のやらかし癖も封印していれば良いのですが」


「そこは 変わっていない 寛容で許して受け入れてやってくれ」


応接洋間のド暗い話とは 全く別な茶室 婆様のお点前を頂く三人

「剣道かえ」


「はい 警察剣道ではなく 街の剣術道場で連れて行かれて

 頂ける程度には師範の奥様に習いました」覆面PCの二人


見学している石川河北組『婆様の予言通り 私らより上』


「おれ 年下の娘や女子高生に習ったんだよな 記憶がないけど」

考え込む生田


琴美の顔と声とお抹茶と神の神通力が重なり 解かれていく記憶の封印

「琴美!! さっきの案内は琴美だろ 弓佳はどうした」と叫ぶ生田


茶室に入ってくる 琴美 憑いていく皆


「どうしたって 生田さんに看取られて黄泉の比良坂の向こうへ」


「そうか それで弓佳の最後は」


「生田さんの幸せだけを願っていました これを伝えるために

 今日の予選会に来ました 役目が終わりましたの帰ります」


呼び覚まされていく記憶

「その後を支えてくれたのは 琴美だったよな もう一回支えてくれないか

 弓佳のことも全て呑み込んで 今日来たと思う」


「比丘明の縁と運 爆心地の方丈香織が仕切る予選会 離脱する生田さん

 弓佳先輩ほど優しくはないですよ 」


「弓佳は優しすぎで ダメ男に成るトコを琴美のツッコミで回避したよな

 あの時の夢 県警高機 白バイ乗りになっている 」


そのツッコミの記憶は幸せだった時の記憶 越せない思い出

「ご辞退です 17の私の恋心から 5年の月日は長過ぎました」


「」


「生田さんと弓佳先輩を見続けた2年間 私には生田さんの女は弓佳先輩

 でも弓佳先輩はいない 顔を上げて前を向いて 私以外の女性へ」琴美


乱戦にもならない 一方的に琴美が生田を抑え込んでいく


「琴美ちゃん 復縁?を申し込まれてる?」香織


「Hはしてませんけどね 半年以上 廃人を支えましたから 

 弓佳先輩の夢 生田さんを幸せには 私には難しすぎます

 明さんと香織さんで受容・寛容女子を目指す女性を探して下さい」


「その過去は 重っいわね」母


「今日は離脱して 生田さんを連れて 弓佳先輩の墓前へ行ってきます

 記憶を呼び覚まされた生田さんに「弓佳先輩を思い出に昇華しました」

 と報告させて 前を向かせてきます ここまではやっておきます」


「そうじゃ 別れた女は思い出に 心の糧にしていくのじゃ

 儂らは それを子供時分に753の兄弟姉妹でやっておった」婆


「淑の制服は卒業で着れませんから

 この長着で「琴美です 生田さんを連れてきました」と

 しれっと墓前にご挨拶をしに行きますか」


「さよの姉さんのSECが余ってるから 足で使って」香織


「あのSECですか 隣でさよのさんの渡ってグダるイメージしか」琴美


「私のセルシオをどうぞ SECには母が乗るから」


「婆様 そちらのお二人の殿方は、旧家の嫌がらせを熟せましたか」


「ああ 熟した その生田さんとやらも立派に熟したぞ」


「生田さんは当然です 弓佳先輩と淑茶道部で仕込みましたから

 婆様の関門の次は”若い四人で”にお進み下さい」


琴美ドライブでセルシオが発進していく


「琴美ちゃん まだ16か17の高校生で 生田に惚れたけど年が足りなくてな

 先輩の弓佳さんと生田で恋仲に その弓佳さんは病床の後 黄泉の国へ

 生田は廃人になって琴美ちゃんの献身の支えで復活と同時に記憶封印

 琴美ちゃんも生田が立ち直りかけを見たところで高校を卒業して姿を消した」


「方丈香織というか 方丈明の縁と運」石川


「明は 座敷童子様を摩耶さんと友達呼び 私も見え聞こえる」香織


「昨日も思ったけど スッゴイ肚 SECをどうぞで お断りをするとか」河北


「琴美ちゃんの 次の若い四人で 予選会なので四人でって意味ね

 ちょっと落ち着きたいので 仕込んである材料でお昼を創ります」石川


「俺らも お昼創り手伝うわ 手を動かしてるのが一番」加山


まったね

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