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第百二十四夜 川島先輩は22でお局様と手作りお弁当事件

「白熱した話じゃが 突っ立ているんも辛いんじゃ

 婆の茶でも呑んで 落ち着かんかの」婆


茶室に移動して あれ炉に炭が熾きて湯が沸いていると気がつく三人


「純金の二人 予選会とは言え うちで見合い 茶の一つはな」婆


婆の薄茶 先輩二人はそつなく熟していくが 香織は辛い


「香織がショボいのは置いておいて 二人共ウチへ通いなされ

 この婆が 本戦までに尾張流でそこそこまでは仕込む」


「え? 相手は警察官 お抹茶の要素はないのでは」石川


「警察官 柔道剣道は熟す 道で上に行けば 客先で煎茶は出る

 うちに来る署の道関係には お抹茶を出しておる

 署の道関係で10人は熟せる様に面倒を見たのじゃ」婆


「そんな余計なことを」と思わず本音がダダ漏れになる二人


「本音のダダ漏れはええが そうは言っても純金の看板も同じじゃ

 高卒で警察学校 柔道剣道で覚えをめでたくして上とのコネもな

 上に行けばマウントの取り合い 茶の一つは になる

 若くまだ金もない 婆では免状こそ出せないが作法は覚えれる

 金四の3回生で必修も同じであろう」


「それとね 茶の一つは 見合いでは 裏書きの一部なのよ

 免状はなくても 方丈の婆に習いました が言える

 言ったメンツと柵で婆に恥は掛せれない との事にもね」母


「ふう 自由恋愛にはないハードル でも仕方なし がんばろう」二人


ファァ〜ン とファンファーレの和音が響き渡る


「こんにちはぁ」と男性の声


玄関に向かう五人

雅人と景子夫妻で なにやら竹籠を持っている


「干し柿がええ具合にな 雅人の実家に配った帰りに香織さんにもとな」


「明ではなく 私に」香織


「そう 香織さんに その首飾りを掛け合うのを見てな 吹っ切れるとな

 雅人が余計に愛おしくてな 膝枕にも力が入る」


膝枕でどうやって力を入れるのかは意味不明だけど 一歩前進


「突っ立ってての話もなんじゃ お時間があるなら婆の手前で頂く見本を」


「雅人の介添をしながらで良ければ」


「3日ほどですがお姉さんに頼ります」雅人


「お姉さんに頼りなさい」熟れて来た夫婦間


お茶が点てられ 進められると 

「方丈家は尾張流 その様に対応しますね」と尾張流で熟してくる景子


雅人さんへの介添もサクッと熟していく


「香織のために良い見本を」母


「今日は 香織さんではなく 河北・石川の為にな

 披露宴では渡って乱戦をカマしてたそうでな 雅人の配慮が無駄になった

 あすの 見合いの予選会の応援もあるからな」

さも、自分は乱戦に参戦していない体で騙っている景子


汚いと思うが言えない石川・河北


「一郎さんのトコに居候の川島も目処が立ってな 年内に結納 挙式

 どうやら一郎の家から嫁に出すらしい

 殿方側も岩山の中堅技術者なのだが 父子家庭で呼ぶ人がいない

 岩山の新春の宴で披露すると 川島の実家よりも婆が張り切っておってな」


「え?」河北・石川


「それ本当ですか? 聞いていない 妹の若菜も反応なし

 たしかに嫁入りの目処が立つまで 実家出禁との事だけど」香織


「ありゃ 極秘で動いておったのか そうよな一郎の家から嫁に出す

 実家にすら話しておらんかもな」やらかしたかもと 景子


「極秘で 若菜は年明け結納 お先にをひっくり返された顔が見たい」極悪な香織


「楽しそうな 皆も箝口令でな」景子


『二人共 自分が逃げ切ったからと 性格が悪くなってる』声に出てる石川


「それはな この男と油断したらご辞退で姿を消され 断酒に料理教室

 婿に来ると確約があるまではな 苦労をしたからな」景子


「姉がお局様は同じだけど 川島先輩は22でお局様と手作りお弁当事件

 うちの姉とは比較にならない苦労をされている 

 挙句に私の口上丸パクリでの姉より先に 実家も家に入れず

 気の毒と思えてしかたがない 応援はする」香織


「うんうん お弁当事件は気の毒でな」景子

「さてお暇する 女ばかり茶室に男は雅人一人 長居は気の毒」


「帰る前に 新春の宴 招待状は別途 使いの者が持参致します

 明さんに干し柿の感想を訊きたかってのですが」雅人


「明 いま」とまでで 


「よい 明は不在 それ以上はよい」景子


帰っていく雅人と景子 門まで出てファントムⅡを見送る五人


「落ち着き感が全然違うから解り難いけど 雅人さんと添い遂げる

 岩山景子の肚が出来た これで良いですか」香織


『よい 心配して憑いてきたのじゃが無駄足で良い』消える気配


「独り言が増えたかなぁ」と詮索するなの独り言


「現し身の強化版座敷童 もキてるけど 香織も同じ枠ね」母


「コレだし仕方なし あの枠に行かないと明の嫁は務まらないから」

玉の首飾りを魅せる香織


「首飾りもいいけど 指輪 サイズ表を宝飾店へ持っていきなさい

 こっちは見ておくから」と二人分のサイズ表の入った封筒を出してくる母


「結局 1サイズアップまでしか戻らなかった 明は?」

と見る香織

ご丁寧にOmronのデータも入っている

黙って封筒に戻す香織


「香織はまだ成長期だから」母 追い打ちを掛ける


「お母さん セルシオ借りるね」

「さよののSECで行きなさい 偶には動かさないと」母


SECでデカイスーパーに向かう香織


「明くん曰く 男と女でぽちゃの基準が違う 香織は今のポチャいい」母


「と言われても ぽちゃるのは簡単 逆は困難 現状維持で」河北

「うんうん」石川


「さよのさんは高校まで 純金OG会的には川島先輩が抜けると

 真田先輩が筆頭に 年明けのOG会 波乱しか見えない」河北


「それでも 多方面からの支援はある 不良債権の自覚を持って前へ」石川


「さぁ 明日までのラストの夕食 がんばって創ってね」母


「頑張りますか」「うんうん」コンビで創っていく二人


まったね

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