第百十八夜 また 若いお世話おばさんで
「退院後には 谷上の家から学校にも通い 勉強して遊んで
お稽古もね 谷上の家で過ごして 茶の一服も との事態では
お預かりする 姑の沽券に関わります」千恵子
「透けて見える七福神のお腹のおっきなオジサンと同じ事を」直貴
「オオナムチ様です 大黒様とも」香織
目線は遠くなるか 気力で耐える千賀子
「ヱビス様に大黒様の後ろ盾 受け入れるとか大きな事を
でも しっかりの躾とお稽古は 頑張って貰わないと」千賀子
「とりあえず退院用のジャージ」と渡す 千賀子さん
「着替えて 正面玄関からはマズイから 救急の受け入れで」
情報漏えいに関しては 明からも本家からも指示されている
クラウン一台では乗り切れずタクシーを呼んで 皆で救急受付へ
オープンに乗って 横付けして
「お先に 美貴に直貴 頑張ってね」と帰っていく香織
見送るさよの
「香織 お抹茶で美貴にぶち抜かれる未来は想定してない
美貴も直貴も 香織さん頑張って下さい を言えるように」
「こちらの おばさんは?」直貴
「直貴 そこには触れてはいけない」さよの
「いいわよ 岩山の先代も離脱を認めた 歩美と和恵に」順子
「姉さん なにか激突してる?」直貴
「中学になれば女子のマウントで理解るわよ」美貴
「あの女も反枠の狭いコミュニティでのマウントを取るために
ネギにキャベツに 母子手帳真っ白をカマしてくれた」激怒の美貴
「よく解らないから タクシーでさよのさんに訊いておく」賢い直貴
クラウンとコンフォートのタクシーで谷上の家に向かう5人
コンフォートの中で
「直貴も美貴も 2ヶ月もの入院 勉強の遅れを取り戻さないとね
そこからお稽古よ」
「遅れてないよ 加藤先生も神守先生もバカ頭が良くて
ひたすら勉強しても憑いていくのが精一杯で教えて貰った」
「はい?」
「Chikako-san is a drinker and loves karaoke.
She went to a TakiGyou, changed her mind, and got married.」
「え?」
「And the conversation with Dr. Kamimori was in Meshimazu」
「いいけど メシマズって」
「英語のことらしいと姉さんが言ってた 加藤先生もメシマズと言ってた
国語以外の勉強を教えてくれるのも リハビリの運動の指導も
メシマズ語だった」
「メシウマの谷上家でお腹いっぱい食べて イッパイ運動ね」
これはお稽古も早々に始めれそう 香織 ハマれ と思うさよの
思惑が渦巻くりきながら 浦上の谷上家に到着していく5人
高速でオープンを80から90で走行させていたのに
赤いワンポイントの覆面に引き連れられてSAに入っていく香織
「お嬢さん高速でも100km/hまでなのよ 追走で300mが取れなかった
それでね この記録計の数字を読んで」PCのRrシートで言われる香織
「読めません」突っぱねる香織
「左側追い越しは現認で来たので この青キップにはサインして
こっちの153km/hは250mで証拠能力がないから見逃す」
「そんなには メータ読みで80から90です」更に突っぱねる香織
オープンに向かい メータを確認する三人
片方の警官が
「このメータ knot と書いてあるの見える?
北米仕様のマイル/hの85よりスピードが出てるんだけど」
「それなら85だけど 周りの車とのスピード差を感じなかったの」
「knotって?」香織
「1海里/hで1knot 約1.85km/hだから85で157km/hだよ」
「この青いキップが譲れる限度 サインして反則金を払って」
車検証を観てた knot を見つけた警官
もう一人を連れてPCに戻り 車検証の確認
「これってメシマズの大使館名義 裏書きの名前に Earlが付いてる」
無線で確認を依頼して knotの警官は香織のところへ
「このメータだと55までが日本の法律なの」と説教を入れる
エビデンスで示され 同仕様もないから 下を向いて「はい」
もう一人は県警本部と無線で会話して
「え あげると後がややこしい 君らが頑張るならあげていい?
それって俺らに責任を押し付けてませんか?
はい? 押し付けて当然な車?
ナンバーは普通に黄色でしたが 隠し外交官No?
そうは言っても まだお嬢さん 事故って怪我は気の毒
説教を入れて、青は切って帰します」
三人での会話を再開して
「県警本部からは 見逃せと言ってきたけど 点数は?」
「まだ、無傷です」
「ならさあ 青にサインして反則金を払って 反省をして
あの速度で事故ると フルバケとサベルトでも最低怪我はある
若いお嬢さんの顔に怪我とかは 俺らも見逃してでは嫌やん」
「はい ありがとうございます 反省します」
どうにも メータと体感速度はあってるけど周りとは断絶してた
このお巡りさんの言う通りだ と思う香織
青いのにサインして拇印を押す
「俺の彼女ならシバクけど 他所様のお嬢様 青で」
「おっまえ 彼女居ないくせに」「おまえもな」といいながら
PCに乗って 本線に戻っていく
PCが出発後にフルバケに座りサベルトを締めて合流車線へ
合流車線をフル加速で抜けて本線へ PC追走するオープン
後ろなら大丈夫と憑いていくと 赤灯が廻る
「うしろの オープンのお嬢さん 次のPAへ」とのマイク
「お嬢さん 後から出てきて 追いついたらダメでしょ」
もう一回 説教を喰らう香織
説教中に全然別のこと キップを切る度胸と責任を持つ肚
厳しい顔はしてるけど それは私が事故るのを防ぎたいから
彼女は居ないらしい 名刺を貰って年齢確認
家族構成の聞き出しと 遠回しに進める香織
走行してると白バイも2台混じってくる
こちらの二人もイケメンではないが 雰囲気はある
四人とも体育会系みたいでスタイルはいい
オープンをノックして「カーボンだよね」とか四人で話をしながら
「ぶっ飛びお嬢さん 安全運転でね」と白バイ組も言ってくる
「そちらの白バイのお二人も、嫁と彼女の有無 家族構成を
婿養子の可否も」もう面倒くさくなって 真正面からの訊きを入れる香織
「噂に聞く、お世話おばさんの事情聴取w」
「本部の庶務の冬美24さんが喰らったらしい」
「また 若いお世話おばさんで」
お世話”おばさん”でカチンと来てるが そういう名称なのでと流して
「先輩の残っているお局様達を片付けたいので」ド正直に返す香織
「お局様って 俺だと姉さん女房にw」
「ひとつ上なら金の草鞋」と白バイ組
「掃除と料理は期待していい?」knot
「27です」と年齢だけの回答をする香織
「お嬢さん 期待に胸膨らまして待ってるよ」とPCと白バイに乗りPAを出ていく
PCと白バイで警察無線を使っての会話
「27かぁ しかも婿養子案件とか 具体的過ぎるな」
「期待していいかも 身ぎれいに」
「ただ 掃除と料理に関して回答を避けたのがなぁ」
「いいじゃん 見合い用のスーツ買いに行こうぜ」
「俺 20のスーツがまだ着れるんだけど」
「俺ら26だろ knot達も25 20代中盤用に買い替えなよ」
まったね