第百十二夜 いいでしょ すっごくカエルが似合う かわいい女の娘
水曜日に 午前 パンチのアキラ家庭料理教室
午後に 女性陣は皆でのお茶のお稽古 明と計二は見ているだけ
「あれ?川島さんは」と計二
「婆様の所で特訓中」歩美
香織の番になると 頂く方もお点前も 茶名餅が3人掛かりで教えてるが
年代に寄って人に寄って微妙に言ってることが違う
困り果てる香織
「宗派とその時の家元を」と見ていられなくなって嘴を挟む計二
「岩山流 先代の14代落岩様」樫村の婆
「斜め千家 16代 斜宗様」樫村の母 嫁ぐ前に茶名
「尾張流 18代 信秀様」さよの
「岩山流 現家元 12代岩宗様」歩美・和恵
「大学の講師」順子・香織
「四千家より古い戦国の武家の茶な師匠 現代のは門前の小僧」明
「明さんの心配がズバリ来ましたね 流派・代で微妙に違う
ご老公に連れられて あちこちに行って 揉め事の困りごとですわ
ご老公は後ろで見てて 仕切りに行け で仕切りに行ってました
岩山流も四千家より古い流派 でも現代的に寄せてる」計二
「えっと それは婿殿が抑え込んだと」樫村の婆
「ご老公の無茶振りで 答えればスポンサード 頑張りました」
「な、これのすり合わせで丸1日 代打なのに事前のすり合わせで前泊まで
最後 俺の師匠流にしてと押すと 皆が譲ってどこかの流派に収束していく
メシマズから戻ってきたら祝い事で流派が複数居るからとの理由で呼ばれてる
まぁ 俺より計二の方がこの地の流派の名札餅 仕切って」と投げる明
「明さん 汚い けど 明さんの主戦場は?」計二
「関西 特に京都・奈良だと乱戦になるからと呼ばれる あと広島も
広島に行くとパンチがモテる 但し奥様限定で特にご婦人に人気
そもそも その手の席に独身の20代は来ない 来てもお局様」
鯉ガールの件はどうすることも出来ないので黙ってる明
「20代は来ない ですよね ご婦人ばかりで 今日は20代が居るから
仕方なし 岩山流 12代岩宗さん式で統一しましょう
俺が手本を魅せますので」計二
いえいえと揉めだす女性陣 今日は重石になる婆様も居ない
「では 私が お手伝いを致しましょうか」とご老人が入ってくる
「ご無沙汰しております 偶には降りて来て下さい」計二
「計二が熟すからツマラン 奥に引っ込んだが一郎の頼みで出てきた」
「それ 修造がVerをよく聞きました 14代落岩Verにしますか」
「計二がそれで良ければ そちらのパンチはどうかな」
「どれかで嫁と同じになれば 俺んは許状も何もないので」明
「山本さんの弟子じゃろ 藪州流に行けば茶名は貰えると思うが」
「山本さんの弟子は弟子ですが 藪州流とは無関係らしいですよ
そもそも武士の出陣 板の間で女人禁制とかいい出してましたから」明
「パンチ殿 別途 魅せて頂きたく」
男三人で話してる間に 女性陣は密談
「だれ?」和恵
「計二くんが ご無沙汰って岩山流?」歩美
「岩山流先代家元の14代落岩様よ」樫村の婆
樫村家は 先代が来てしまったので14代落岩Verとで纏まる
「いやいや 尾張流が一番」とゴネているさよの
ここでの修正を掛けられると 全体が崩れるとの判断となり
茶名餅から初級に突き落とされての再履修は受け入れられない
「そっか 方丈家は尾張流 今更変えるのはしんどいわな
計二 こういう時はどうしてた」明
「あまりにも現代科学で否定された事を言わない限り
その流派での仕来りをお互いが認め合う と計二には教えた」落岩
「今の課題は 香織さんと歩美さんと男ボンズの夢が詰まった順子さんの茶名
ハードルが一番高いのが 和恵さんの名札 落岩さん 纏めて面倒を」計二
「それなら 俺も横で見てて ちょっかい掛けて覚えればいいか」明
「一郎にハメられたわ 計二が苦労しておるとの話で来てみたら これか
確かに間違ってはおらんが 明殿とさよの殿と母の雅代は出禁」落岩
「私も?」さよの
「尾張流と岩山流 そっくりだが微妙に違うトラップ 岩山流を見ると崩れる
尾張の仕来りを大事に繋げて下され よいか他流を否定してはいかん
尾張流 斜め千家 そもそもが他流派で仕来りも違う そこはスルーで」落岩
樫村の母の雅代 小さく拳を握って 脱出完了
「私達は?」順子と香織
「どの道 基礎の初歩から 岩山流でやり直し」計二が冷たく宣告する
「香織も順子先輩もツケが回っただけ」脱出確定で勝ち誇るさよの
「そうですね 分家の娘 岩山流で」裏切る樫村の母 自分は斜め千家
「出てけ!!」と言いたいが形勢は極悪 素直に「頑張ります」が正解な順子
「香織さん 頑張りましょう」と諦める順子 「はい」と香織
茶室から追い出された 樫村母とさよのと明
さよのさんがネルドリップで珈琲を淹れ カチレベルでサーブしてくれる
「お義姉さんの珈琲 こんなに美味しいんだ 初めて頂いた」明
「え?」
「ほらお局様候の 香織 珈琲 でしたし」
「さよのさんは これから挽回を」樫村母
「お茶も尾張流でいい 珈琲もいい 料理も明くんと並べられなければ
そこそこはイケる 見合いロードへ」さよの
「ですね 午前中で解りましたし 樫村グループでも嫁入先を」樫村母
「小姑の嫁入り先も探せそうと 後は離れの改築」余裕になった明
「お義姉さんの嫁入り先もだけど インフルで倒れた子達はどうしよう
いまだ面会の許可が降りない お義姉さんとならイケるかな」
「訊いてみてよ 最悪は方丈の婆が成人までは頑張って面倒を見ると」さよの
千賀子さんに電話して現状を確認する明
「病院の常連スタッフ以外は家に連れ戻されると警戒して会いたくない?」明
「そうなのよ スタッフも入れ替えするのに毎度 交代の儀式が必要」千賀子
「さよのさんならどうかな 頼って方丈本家に来た訳だし」
「明くんとさよのさんなら チャレンジしてみますか どこにいるの」
「樫村本家」
「30分か チームで揉むから とりあえず来てみて」
「お義姉さん 美貴ちゃん達に会いに岩山中央病院に行きますか」
「いいけど 香織達に言わないと」
「そんなん 門を潜る時の7連ファンファーレのゴッドファーザーで
出ていったのは解る 今必死こいてお稽古中だから邪魔しちゃ悪い」
「行きますか」と オープンに二人で乗ったら カエルの被り物
「お義姉さん スカイ姐さんに」
「いいでしょ すっごくカエルが似合う かわいい女の娘」
無言でレバーを下げる明
7連ファンファーレでゴッドファーザーを奏でて出発するオープン
まったね