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第百十一夜 既にUWはフォグフォーンで鳴らした

香織が 歩き始めて鳥居をド真ん中で潜り登っていくのを

後ろで見ている7人


「なにか注連縄の方向がおかしくないかな

 鳥居から拝殿まで まるで規制線のようじゃが」一六代


「座敷童子様が宙に浮かした注連縄で道を作ってるのでは」婆


「修造と玲美ちゃんは見えてる?」明


「部分的に 見える神様は見える サワガニの辺りからポツポツと

 お見えになってきて増えてきてるのは気がついていたけど

 大天狗様がライブの警備のバイトをするとは思わなかった」修造


「ライブの警備のバイト候 大変そうで お神酒を差し入れしないと」玲美


考えても仕方がないので通れるところを通って 歩を進めるしか無い

拝殿に上がり通り抜けて 舞座に登り 祠の前に到着する香織

祠の扉の金具に手を掛けて扉をあけると 両腕に掛かる首飾り


「扉は〆なくて良い」との声が聴こえたけど 〆る香織

開けっぱだと摩耶が好き勝手出てくる〆とけよ との明の注意事項に従う


〆ると廻りから爆笑と「摩耶 読まれてるぞい」との笑い


「拝殿まで迎えに行ってくる」明

通れる所は注連縄で創られた規制線の内側で鳥居のど真ん中のみ

岩山の一六代と一七代は続きたかったが気圧けおされて鳥居を潜れす

景子は気圧されてはいないが 複雑な気持ちで雅人と腕を絡めて見ている


香織は踵を返すと拝殿に明が待っているのが見える

拝殿まで下り お互いに勾玉の首飾りを掛け合う


「儀式は修了 ピクニック再開」明

明の左手に腕を絡めて拝殿を降りて 鳥居を抜ける香織

鳥居を出て 踵を返し神々に一礼をする 二人

待っている皆のもとに戻り


「修造 拝殿までとは言わない 今日の拝殿は俺ら二人用

 でも 拝殿前までは登ってこいよ 一七代がショボいと思われる」


「あのな明 あの神圧凄まじかったぞ 幾多の神々が集まり過ぎだ」


「大天狗様達が警備のバイトをされて創られた道

 アイドルになった気分で あの道を歩まないと」香織


「それはダメですね 17を孕ませたら アイドルは出来ないです

 アイドルを娶るとプロデューサーか漫画家ですね」なにか根に持ってる雅人


「雅人さん それはそうだけど」明

「アイドルは置いておいて 俺らの三三九度の祝詞を挙げたんだ

 拝殿前までは来てもらわないと」


『明 無理無茶を言うでない わらわ達も頑張ったが 押すなおすな

 明には出なかったが 修造の時は神々が ハイタッチで手を出した』摩耶


「なんで 修造だけ?」明


『明とハイタッチ お局様特化型への片道切符 修造は17を娶った』摩耶


「あの そこは躱して嫁はまだ23なのですが」

「私も出なかったのですが」香織


『そこではない 皆 お局様の激突は避けたいで一致 手は出さぬ』摩耶


「激突は俺のせいではないけど 事実ベースで周辺で激突は多い」明


『であろう 事実を認める正直な男 (お局様には)人気はある

 香織は激突の口火を切った女 自覚をせよ』摩耶


「ちゅう〜はせんのか どなたが先頭かわかりませんが」話を変える香織


『拝殿でのちゅう〜 わらわの奥社 ちゅう〜殿と名称変更されると困る』摩耶


「それで ヤメておけ と」香織と明


「座敷童の摩耶様 お神酒とスルメ・干しアワビなどのお供え物

 今の状況では 配膳の者も入れませんので こちらに置いてあります

 如何致しましょう」話題を変えて 困りごと相談を始める景子


『よい 大天狗の三郎殿の指導で こちらでやっておく

 空き瓶などは鳥居の手前の控えの建屋でよいな』摩耶


「これほどの大勢の神様方とは思わず これだけで 追加は」


『お雪もわらわも 内祝で呑みすぎた おちょこ二杯までの刑の最中じゃ

 他の神々もやらかすと 三郎殿に叱られる これだけが良い』


とはいっても一升瓶が4ケース 24本もある どなたかは渡るだろうな

大天狗様は呑む暇もない大変なお役目 別途お神酒をと思う登ってきた8人


大天狗 警備のバイトの次は配膳のバイトに 呑みすぎの監視まで 


「お任せ致します」と皆で大天狗様に押し付けてお願いして

「下りますか 渋柿の皮を剥いて干さないとな」明

「そうしましょう 干し柿も大事」香織


「景子 あの縁と運に愛された男 神に愛された男まではいけませんが

 私もそこそこは神に愛されている 景子の夫であることを忘れずに」


横で聞いてた玲美

 神々にハイタッチを拒否された神に愛された男 意味不明よね と思う


「そう 縁と運 雅人との縁と運 大事にしないと」吹っ切れた景子


皆で下って 母屋の前で Unimog から山の幸を降ろして

縁側に並んで 渋柿の皮を剥いて 紐で縛って 干していく


「こう 皆で縁側に並んで 柿を剥いて干して 婿に来た気がしますね」雅人


「そうそう 俺も婿に入った実感がじわじわと 計二も来てる」


「私は修造さんの嫁のはずが 一七代三九郎の嫁に」玲美


「でもね 修造さんには一般常識が少しは残ってる 明だと無い

 そう思って頑張ってね」香織


「7連ファンファーレは一般常識の範疇ですか」玲美


「7連ファンファーレは当然一般常識 あれで開門は絵になるわよ」香織


「そうですよ ゴッドファーザー 今日やってみて 絵になると」景子


「だろ 絵になる」修造&明


八人のウチ 年寄りを除くと六人 四人がファンファーレ派

再度人数を確認した玲美 多数派に動く

「そうですよね 絵になります モールス?があれば更にカッコいい」

が やっぱり17の珍走団は引っかかってる


えっと どうしよう ファンファーレは17の小僧と言っってしまっているし

今更の掌返しは出来ないよな 考える雅人


「7連ファンファーレは 岩山の門があってこそ絵になる」と逃げるが


「歩美さんは 樫村の門でも鳴らした」明


「そういう旧家の門で絵になる その辺の門では恥ずかしいと思わないと」

かなり苦しいが あのファンファーレをファントムⅡに付ける訳には行かない

今の状況では 景子が絶対に付けると言い出す 抑え込みたい 雅人


「ファンファーレは明さんの肚があって成立する 今日の奥社の鳥居も潜れない

 ヘボでは 似合わない」ブッ込んで躱す方向の雅人への支援にいく玲美


ヘボと言われてもファンファーレはファントムⅡには付けれない

「そうです ファンファーレが付けれる肚まで精進」雅人


「そうですね 頑張りましょう」景子


明ドライブのオープン 〆てもらった門の 内側に付ける

開門のゴッドファーザーをファンファーレで奏でるいると門が開いていく

門が開き切ると景子さんがメモを見ながらUWをフォグフォーンで3回鳴らす

オープンをゆっくりと進めながらUW1を和音で鳴らして門を潜り

右折して加速のエキゾーストノートを響かせて帰っていくオープン


「かっこええなぁ」修造

「ですよねぇ」景子

「和音のモールスがあってこそのカッコよさ」玲美 雅人に気を使う


見送ったあと OB会の同期先輩後輩の何人かに電話する雅人

やっぱりファンファーレは17の小僧との世間の評価を確認してホッとする

しかし 皆が皆

和音のモールスで国際信号旗の意味での会話まで行けば それはそれで

それに付けてる車が常にフルオープンとの特殊事情もある

と添えてくる


特殊事情とは と訊くと

オープン乗り 世間とズレてる場合が多々ある 山崎もズレてるだろ

後輩の山崎だけは

「7連ファンファーレのゴッドファーザーもいいですね

 僕のはシングルのロングホーンファンファーレ これもいいですよ」

たしかに そう言ってた 実例で示されては 納得するしか無い雅人


ある意味、皆 順当な回答ばかりだから助かった

景子が付けたいと言い出したら モールスと国際信号旗の本を渡して

これが熟せないと17の小僧 とのウチのOB会の見解ですと言えるけど

既にUWはフォグフォーンで鳴らした

時間の問題かもしれない


最後はオープンカーにしか付けれない これで行こうと思っている雅人

そこにファンファーレの和音が響き渡る 車庫の方だ 走っていく雅人

車庫に行くと ファントムⅡのボンネット横にDrの加藤さんと景子

サブDrの加山さんがDrシートに座り 景子の合図でファンファーレが鳴り響く


「これがロールスの遺作のファントムⅡの純正ホーン トリプル✕2です」

と説明をしている加藤


「ゴッドファーザーは出来ないの?」景子


「あれは最低6音階が必要で 純正で音階違いがあったはず

 制御を追加すれば ゴッドファーザーは何とか出来ます」加藤


聞こえていた雅人 膝から崩れ落ちる


「でも ゴッドファーザーでは二番煎じ 本気のファンファーレにしませんか?

 ファンファーレは、主に式典などで演奏される、ごく短い華やかな楽曲です

 ファンファーレトランペットで演奏することが多いです

 これはファンファーレトランペットのベルとチューブ だからファンファーレ

 私もファンファーレの曲を当たりますし 景子様も探して下さい」」加藤


「華やかな曲で開門の合図 加藤に頼れと言われてる通りだ 頼りになる

 それで雅人の美味しいお好み焼きも頂けた」


「追加の制御を入れたらコンピュータいじって モールスも自動で出来ますが

 それよりも電信キーをRrシートに設置して 景子様ご自身でモールスを鳴らす

 モールスと国際信号旗とか勉強の必要はありますが楽しそうでしょ」


「加藤の提案で行く 頼りになる 拡声器は?」


「標準で付いてますが 運転席までしかコードが届かないのです

 これはRrシートにもマイクを付けておきます」


そうだった WWⅡ前の車はホーンはファンファーレが標準

それを現代に蘇らせたファントムⅡ ホーンはファンファーレ

音程を変えて制御を追加すれば ゴッドファーザーが出来てしまう

しかしDrの加藤さん うまく誘導してファンファーレの別の曲に 

モールスも自分で鳴らせとの誘導まで 頼りになる


「景子 加藤さんの言うとおりに」雅人


「うん 雅人も着てたのか 父上も倉田も 加藤に頼れとな」


「任して下さい」加藤 「整備チームに丸投げですけどね」加山


こうして曲は華やかさと日本の名曲で東京オリンピックファンファーレと決まり

ホーンの交換と制御の追加 電信キーもRrシートに設置され準備万端

景子さん モールスがUWとUW1とVで止まる


「景子 ファンファーレでの開門はモールスがあって初めて成り立つ

 頑張って ファンファーレでの開門を目指そう」と口では言ってはいるが

ファントムⅡにファンファーレでの曲は嫌な雅人 実質的な封印をしてしまう


まったね

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