第百夜 光宏さん 土手の上で体育座りをしている
運輸のクラウンのRrシートで会話する二人
「そっかぁ和恵姉さん 宮廷で男性が多い経済学部 OG会が機能していないのか
私が谷上を代表して景子の披露宴の参席は 家もあるけど中高大で同期
雅人さんの兄上の嫁の沙也加と香織さんの姉のさよの 一個下の先輩後輩
パンチのアキラの表舞台への復帰は香織さんの OG会への問い合わせ
ウチの純金OG会が大騒ぎになって 歩美の中高の母校で光が続いて大騒ぎに
県下の中高一貫女子校のOG会も大騒ぎになった」
「そんな事が うちにはOB会しかなくて そこに女子が混ぜてもらう程度」
「偏差値はあんまり高くない私立の中高大一貫のお嬢様女子大学なのだけど
居るのは基本名家のお嬢様 その現役とOGで縦横の繋がり 更にはクラブの上下
話題は姻戚がメインのネットワークを構成している 誰が結納とか速攻で廻るわよ
どこの誰に口説かれたけど裏取りがしたい とか 口説きたいけど人物は？
これもOG会が動く 見合いで仲人の裏とりもあるけど その前にOG会
香織さんは基本に忠実に動いたわけよね
それと携帯電話 この１週間でOG会の所持率が９０％を越した
自動車電話で済ましてた層が 一気に動いて 情報は 個人２個人でなのだけど
伝達速度は瀑上がり いいとこのお嬢様や奥様 値段は気にしなかったのだけど
大きい重い から 小型・軽量化されたのとこの騒ぎ 普及するわな」
「そんな事も」
「パンチのアキラは OG会婿取り部門お局様部で行方を探されていた殿方
伝説は色々あるけど 強烈なのを
渡ってグダった景子を回収して横に乗せて送っていって
岩山本家の正門をピンポン三連打で開けさせて車で入る」
「あの正門でピンポン三連打 度胸どころではないです」
「そこまでは ある程度まで広まっている伝説 もっとエグいのが
さっき鳴らしてた ファンファーレのゴットファーザー
一番最初に景子を送っていった時は、あれを門が開くまで鳴らし続けた
なにか符号を入れたとの話もあるけど そこまでは漏れてこない」
「それを岩山家はお認めになっていたのですか」
「景子は 岩山でも何代かおきに現れるという特別な血の力を持つ女
呑んで渡るとノーリミット 岩山家のご当主ですら抑えきれない血の力
それを宥めすかして車に載せて送って行ってたのが 明くん」
「そんなの そのまま婿に」
「当然岩山家も 婿にと誘ったわよ それを蹴ってというか ご辞退
一度も手を出さずだったから出来た技 景子は惚れきってたけどね
ただ渡り続けて甘え続けて それでも送っていけるスーパーお局様耐性
あまりにもで、ご辞退と同時に姿を消すショック療法をカマした
その後に景子は断酒会に入り 立ち直り 祝言を上げ披露宴」
「そんな 明さん超大物 事前に言って貰わないと困る」
「だから さよのの店で明くんの話を聞いて 歩美が行った時に蹴られても
縁を結んだと酒田さんが頑張ってたら 婿殿が出てきた
肚が座った男とだけで婿に推したけど まさか岩山の長兄とツルンでたとは
婆様は婿殿の大ファンみたいだし ちょっと大物すぎたかも」
「大物なら大物と言ってもらわないと 嫌がらせ」
「婿殿もOG会で洗われてれば 大物と理解ったかもだけど
その前に歩美が見合いと祝言で捕まえた 爺様とどんな繋がりか
これから解るから楽しみね 親の葬式より大事なイベントもね」
１２時２０分 作足サーキットに到着するクラウンとオープン
車を停めて 観に行く四人
チーム佐々木の佐々木さん RC南松平の松島さん 光宏さんが並んでいて
訓示を佐々木さんがカマして 松島さんが お手柔らかにとやっている
「１３時から100のストック 125MT 250NRの順で スタート」佐々木さん
婆様は 安全距離を教えて貰い 婿殿に集中してると チーム員に連れられて
コース全体が見渡せる土手に登り 婿殿とチーム員の会話に聞き惚れている
Drとメカでファイナルやらエンジンセットやらを話してるだけなのだが
婆様には新鮮で楽しいようだ
四人を見つけて寄ってくる光宏さん
「大物過ぎ チーム佐々木の250NRのエースで去年のシリーズ勝者
しかも岩山の長兄が隠れスポンサーで援助しまくりらしい
俺では太刀打ちできない あそこから見たら俺のは子供の遊び
確かに 親の葬儀と天秤で親の葬儀がキャンセルもあり得る世界」
「しかも 顔つきがいつもと違う 婆様じゃないけど凛々しい」順子
「あれが 計二の本気の顔か 奥社の祠の扉もあの顔で開けてれば
カッコよかったのに いつもの飄々とした顔だったし」明
「あれは お雪さんの神通力フルバックアップですし神様方の乱戦も」歩美
「光宏さん ピットに戻って」RC南松平のメカ
100ストックの3台 ピットインを繰り返しセットアップをメカと話をしていく
その情報は125MTにも250NRにも伝えられて 整備スタンドの作業に変わる
100ストックの3台がピットイン グルーンフラッグが振られ125MTコースイン
光宏さんもコースイン ホームコースの利を活かして頑張って走る
チーム佐々木の125MT組はピットインを繰り返してメカとの会話をしていく
ラスト10分になるとコースに慣れてくるチーム佐々木 光宏さんが気の毒な状態に
気を利かした運営 マーシャルに早めのチェッカーを振らして 惨劇の未然防止
4台がピットイン ピットロードの250NR レーシングでグリーンフラッグを待ち
グリーンフラッグで加速してコースイン
3周毎にピットイン メカと話してピットアウト チェッカーでピットイン
車両は他のクラス同様 即整備スタンドに上げられ話し合った結果を
メカがマシンに反映していく
ストック100はコースイン と作足のコースに対応していくチーム佐々木
125MTが走り始めるが 光宏さん 土手の上で体育座りをしている
ここで和恵さんが動かないのか 才女ではあるけど 順子が動く
「兄貴 マシンが壊れたの 運がない」と順子さんが声を掛けると
「マシンは松島さんがしっかりメンテ 俺の腕がヘボすぎて危ないから
見ていたほうがいいらしい 見てるとそう思えて体育座りに」光宏
「兄貴 水曜日の兄貴が帰ったあとの私達と同じ がんばろう」順子
16時過ぎ 片付けと積込みも終わり
「今日は新コース対応のセットアップトレーニングを3時間も頂いた
RC南松平さんと樫村さんに お礼を言って店に戻る」
「ありがとうございました」とチーム員揃ってのお礼
爺と婆 うんうん 清々しい と満足
ド凹んだ兄貴 地雷を踏んでくれた和恵さんへの意趣返しもある
「兄貴 凹むのはいいけど柏木さんと大田の見合い 仕切りは大丈夫？」
「そうか 凹んでる暇はないんだ 明日から大田さんがうちの板場に来る
朝から雑巾がけをしないと そうだそうだ」と元気になっていく光宏さん
「和恵さんには漏らしてないから しっかり堪能して見合い纏めてね」
「おう 柏木さんの為にも俺らの為にも まかせろ」と帰っていく光宏さん
まったね
