特訓!魔法少年スウィーティー☆彡タルト その22
お疲れ様でございます
漸く、イヤな感じの汗が出ないようになりました
今年の夏風邪、わりとタチが悪いです
鼻水が出始めたら、風邪薬
どうぞお忘れなく
それでは本日2本目のキララ、どうぞ
「そこん家にですね、友加里ちゃんって幼馴染がいるんです。昔からいつも俺ん家に来て、俺の後を着いて来て、俺と一緒に遊んでました。結構仲良くしてると思うんですけど、高校が別々になっちゃいまして」
…ちょっと待て
お前そのエピソード、甘酸っぱいなんてもんじゃないだろう
顔を押さえて、アアアアアアアアアアアアア!と悲鳴を上げ出したくなり始めたアキラ
その話、猛烈に切ない恋の予感がする
「…少しだけ、時間をくれ」
心なしか呼吸が荒くなってしまったアキラが、純平の話を手の平で制止する
「アッハイ」
そう答えて、お茶をすすり始める純平
もしかしてコイツ、気づいてないのか?
多分その子、ずーーーっとお前に恋しながら生きているぞ?
お前に乙女の純情何回踏みにじられても、健気にお前の事見てたりしてないか?
だとしたら多分、家に帰ってから泣いちゃってるぞ?
アキラの勘は、ほぼほぼ当たりである
純平が鈍いせいで、友加里ちゃんは既に100回以上は泣いている
だがしかし、それでも友加里ちゃんは諦めない
人生を賭けたマジ恋とは、そういうものなのだ
数回お茶をすすり、落ち着きを取り戻そうとするアキラ
表向きはポーカーフェイスだが、まだ胸のドキドキが止まっていない
「…続きを聞こうか。その友加里ちゃんとは、何かあったのか?」
「ああ、それです。俺が今日アキラさん家に逃げてきた理由って、それなんです。俺が魔法少年になった事を説明しようと思って、俺の部屋で二人きりになったんです」
「…ちょっと待ってくれ。その友加里ちゃんには、先にその説明をしてから部屋に入ったのか?それとも、何も言ってなかったのか?」
「いえ、説明してる余裕なんか無かったですし」
なんてこった―――
アキラが額に手を当て、口を開いて僅かに震える
お前、そんなもん期待するに決まってんだろ
やっとこの日が来ました、ってところだ
そして今、こうしてコイツが俺の部屋に居るという事は、そんな友加里ちゃんを部屋に誘っておいて、なんにも無かったって事だ
もう、聞きたくない―――
友加里ちゃんが、可哀想過ぎる―――
頭を抱えて呼吸を荒くするアキラをよそに、純平が話を続ける
「それで、部屋に入った途端、その子が制服を脱ぎ始めたんです。何する気だったんでしょうね?んで、怖くなったんで魔法少年になったって事を説明してから逃げて来たんです。あ、今はその子の家に泊ってるって事になってます」
アキラが俯いたまま、挙手をする
「何ですか?」
「…つまり、友加里ちゃんとは何にも無かったし、お前にその気もないのに一緒に泊ってるって話になっているって訳か?」
「そういう事になるんでしょうか」
ガン!―――
思わずアキラが両手と額を、ちゃぶ台に叩きつけた
「おま…!ウッ…友加里ちゃんの気持ちを、考えた事あるのか?お前の為に処女を捨てたって話になっているのに、相手にされてないんだぞ?」
震えるアキラを前に、笑顔で純平が手を振って否定する
「いやいや。何でそういう話になるんですかね?ただの幼馴染で、一緒の部屋に居る事なんて別におかしくないんですよ?」
一方その頃、純平に逃げられた友加里は、自室で泣きながら猛烈に手を動かしていた
まったくね
前の車が進まないからゆっくり運転するしかないってのに、いちいち煽って来る奴って何なんでしょうか
サイドブレーキ引いて追突させてやろうか
そんな気にもなりましたが、修理とか事故処理とか面倒なので止めておきました
おうちから出るのイヤになるんで、止めて頂けませんでしょうか
それでは皆様、おやすみなさい




