飛べ!魔法中女プリティー☆彡キララ その2
「私、今アンタをブッ殺そうとしてたわよね?」
「そうだよ?今はどうでも良くなったでしょ?」
震える程の怒り
先程まで、キララを突き動かしていた衝動だ
確かに覚えているが、今はその怒りが消えてしまっている
感覚で分かる
右側の具が、今もハミ出ている
だが、何故だろう
それを恥ずかしいとも、コイツのせいだとも、今は何とも思わない
「その白い帽子だよ。その帽子の力を、今君は手に入れたのさ」
グリにそう言われ、そっと手で帽子に触れてみる
柔らかくてフワフワで、触っているとなんだか幸せだ
ふと、部屋にある姿見で自分を見てみたくなった
果たして鏡の向こうのキララはどうなのだろうか?
その名に恥じぬ、キラキラの姿だった
「その帽子の力は、君をあらゆるダメージから守ってくれる。精神的にもね」
相も変わらず、グリはとぼけた声で話す
だが、今のキララには、それに対する怒りが湧かない
心の余裕が、以前とは桁外れなのだ
キララは返事の代わりに、鼻で笑った
「フッ―――」
今の、自信に溢れた己に酔ったように、キララは肩で笑い始める
なるほど、魔法中女というのは、中々悪くない
ババア?
問題ない。どうせ私は華のJKから、人生をやり直す
ハミ出てる?
問題ない。今更誰に見られたところで、私は人生をやり直せる
なかった事に、なるのだ
一つ溜め息をついて、キララが話し始める
既に鬼の形相ではない。風のように、爽やかな笑顔だ
「ねえグリ。魔法中女には、他にどんな力があるの?」