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特訓!魔法少年スウィーティー☆彡タルト その7

お疲れ様でございます


私は何が嫌いって、日曜日が終わってしまう頃の時間帯です


ま た 仕 事 か よ


正直、行きたくないんです

このままお布団で、寝かせておいて頂けませんでしょうか?


ダメですか

まあ、分かってましたけど


ホントね

それでも頑張らないと、お給料貰えませんからね


それでは本日のキララ、どうぞ

「あの、始める前に少し、一人で練習しても良いですか?俺、考えてる事があるんです」


「ほう?何をする気だ。見せてみろ」


「はい!」



―――確か、距離を掴むんだったな。この速さでこの距離なら、ここか


アーマーピアシング弾

純平の新しい発想が、そのステッキから放たれて軌跡を描いた


チュゥン―――


小さく軽い音だ

だがその威力はどこまでも集約され、昨日よりも正確に目標の木へと飛んでいく


バチッという音がしたが、当たった木が倒れる気配は無い


外したんだろうか?

当たった音はしたんだけれど


純平が狙った木の方へ近寄り、どういう事なのか、確かめに行く


直径約、2㎝―――


電動工具で彫っても、こうはならないだろう

それはそれは、綺麗な穴が開いていた


「小型のAPFSDS弾だな。まあ平たく言うと、貫通力に特化した戦車砲だ。多分、コイツなら戦車でもブチ抜けるだろう。反対側までな」


いつの間にか後ろに来ていたアキラが、射線の方向を指差す


見渡す限りどこまでも、幾つもの穴が空いていた

あまり威力の減衰は無いらしく、どれも綺麗な穴のように見える


「大したもんだな。そいつは、俺には撃たないでくれ。流石に耐え切れん」


どうやらアキラが負けを認める程度には、この銃弾の威力は高いらしい


これは褒められたと言っても申し分無いだろう


嬉しくなってしまった純平が、笑う

アキラもそれを認めるかのように笑い、拳を突き出す


意味が分からず、キョトンとする純平

それを聞こうとしたら、先にアキラが口を開いた


「男同士の挨拶だ。ほら、お前も拳を出せ」


言われるがままに拳を突き出す純平


ゴチッと合わせられたら、結構痛かった

そう、アキラの拳とは、硬いのだ


いってえ、


少々、顔をしかめる純平


だが悪い気はしない

この人に認めて貰えた気がして、純平はそれが嬉しかった


「威力については申し分無いだろう。あとは射撃精度だ。まずは動いている相手との距離感を掴む訓練といこうか。俺を的にして撃ってこい」


スッと移動し始めるアキラ


ある程度距離を取ったところで、純平に向かって、両手で中指を立てた



ああ、そういう事ですか―――



どう見てもそれ、煽ってますよね?

ガチで来いって事ですよね?


さっき撃つなって言ってたの、これですか?


アーマーピアシング弾―――


とりあえず、ガチで狙って撃ってみた

どうせこの人、死なないし


「畜生!」


アキラもガチになって躱した


スレスレのところで弾は空を切り、どこかへと飛んで行った


遠くにいた鳥が、バチッと音を立てて弾けた

酷いとばっちりもあったものである

残業とか、大っ嫌いでした


でも、頑張って定時に帰れるように仕事を片付けたら、他のヤツが手間取っている仕事が、こっちに回って来るんです


道連れ残業―――


カバン持って帰るのが、少し遅かったようです

もしくは、声が届かないルートを通るべきでした

この距離だと、聞こえていないフリができません


いいよ、手伝ってあげる

ニッコリ微笑んでファイルを受け取りますが、内心はこうです


畜生、こんな会社辞めてやる


あんまり思い出したくありませんでしたが、こうしてネタになっただけでも苦労した甲斐があったのかも知れません


愚痴がある方々、飲みに誘って下さい

私、聞きます


それではおやすみなさい

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