特訓!魔法少年スウィーティー☆彡タルト その5
お疲れ様でございます
近くで花火の音がしております
残念ながらでかい木のせいで見えませんが、風情だけは楽しめます
暑い盛りを過ぎました
これから涼しくなるのでしょう
それでは本日のキララ、どうぞ
ズドンという音が響き、数十の光弾がアキラに迫る―――
畜生、撃ってきやがった!!
急降下しながら振り返り、弾道を確認するアキラ
「クッ!!」
素手で2発ほど、当たりそうだった光弾を受け流す
当然の事ながら純平には王冠の力が備わっており、そいつは既にお見通しである
今度のヤツは、避けられない
一射目よりも近い距離で、回避不能の二射目を放つ
どうせこの人死なない
そう思っているので、純平にもわりと容赦がない
あと、昨夜の特訓の成果を確かめたかったというのも一つだ
とても躱せない距離から、光弾の群れがアキラへと襲いかかる―――
アキラは、飛んで回避する事を諦めた
代わりに、呼吸を整え始めた
「…コォオオオオオオオオオオオ」
剛体術―――
通常のそれとは異なり、アキラのそれは全身を硬質化させるに至る
弱点としては、あんまり動けない
おっと、サングラスだけは勘弁してもらおうか
こいつはまだ新品なんだ
腕で目線を庇い、全身に光弾を浴びるアキラ
被弾する度にバチバチと激しい音が立ち、その熱によって煙が漂い始める
どうだ?―――
空中で止まっている純平が、アキラの様子を確かめる
空気の流れで煙が流れ、その姿が見え始める
人差し指を立て、純平の方を見ていた
チッチッチッチッ
指を振りながら、通用しないと示すアキラ
そうアキラとは、やられっぱなしで何も対策しない男ではないのだ
純平が寝ている間に呼吸法と筋肉の使い方を工夫し、防ぐ術を身につけていた
避けられないのであれば、弾けばいい―――
脳筋思考で辿り着いた答えは、それである
普通はそう考えたところで実現は不可能なのだが、アキラはやってしまう
振っていた人刺し指にギリギリと力を溜め、闘気を込めて純平へと弾く―――
ちょっと溜めただけでも、目覚まし時計が粉々になる威力だ
今回は、全力の5割程度で放った
「ぐぅっ!?」
衝撃波に鳩尾を撃たれた純平が、飛んで行く
大体アキラのボディブローを食らったのと、同程度の威力だ
純平が落ちる先に、アキラが急いで飛んでゆく
地面に落ちる前に、アキラは純平の腕を捕まえた
「なかなかイタズラっ子じゃないか、面白い。お前をもっと、しごいてやりたくなった」
内臓がいくつか破裂し、純平の口からは血が出ている
純平は何か言い返してやりたいのだが、残念ながら喋れない
「どれ、治してやろう。じっとしていろ」
蘇生の杖―――
アキラのステッキが、純平の体を癒していく―――
数秒もすると純平は全快し、痛みは何もなくなっていた
「…当たったのに、なんで無傷なんですか。俺、何にも手加減しませんでしたよ?」
「まあ、そいつも後で教えてやろう。とりあえず山まで行くぞ」
二人の師弟―――
血よりも濃く、固い絆で結ばれてゆく二人が、修業の場へと向かう
なんでも、お米がどこそこで不足しているらしいです
地震への備えで、みんな買い溜めしているようです
被害に遭えば炊飯器は使えませんけど、大丈夫でしょうか
最適解は、飯盒です
風防を兼ねたアルミ板の五徳と、固形燃料も用意しておきましょう
ああ、当然ながら、水も要ります
飯盒の上にレトルトのカレーなど置いて、炊いている間に温めます
南海トラフですか
何事もなければ良いって思うんですけど、いつか起こってしまうでしょう
皆様においては、どうぞご無事でありますよう
被害が想定される地域の方々は、備えを怠らないよう、お気をつけください
それでは、おやすみなさい




