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特訓!魔法少年スウィーティー☆彡タルト その3

お疲れ様でございます


いやあ、

私の日傘盗むのって、流行ってるんでしょうかね

店先に置いておく方が悪いのかも知れませんけど


いいんです

熱中症患者が増えるよりマシですから


それでは本日のキララ、どうぞ

純平が、再び眠りに落ちてから数時間後―――


まだ若く、父に柔道でしごかれて鍛えられてきた体は、急速に回復を遂げていた

そろそろ、夕方に差しかかろうかという時間である


はたと、目を覚ました純平が、上体を起こす

僅かながら漏れ聞こえる、アキラの声で目を覚ましたのだ


人差し指一本で逆立ちしながらの、屈伸運動―――


アキラの体格は、身長183㎝、体重90㎏である

完成されたボディビルダーの体格であり、主に背筋と上腕二頭筋が、ヤバい


人差し指にかかっている負荷は相当なものだが、ほぼ真っ直ぐに立てたまま、屈伸を続けている


この人刺し指で人体を突けば、恐らく深々と根元まで突き刺さるだろう


「…起きたか、純平。出かけるぞ」


全くバランスを崩す事無く、左足、右足と順に着いて、逆立ちから姿勢を戻すアキラ


漸く鍛錬を終えて大きく一つ息を吐き、サングラスを外してタオルで顔を拭う


「汗を流してくる。そこのプロテインでも飲んで待っていろ。食えるんだったら、そっちのボロネーゼも食っておけ」


指された方を見ると、プロテインを牛乳で溶いたものとパスタが置いてあった

プロテインは通常なかなか溶けにくいのだが、アキラがシャカシャカすると、一瞬で終わる


疲れ果てた体がエネルギーを求めていた為、純平が寝る前に食べた物の消化は、既に終わっていた


「すみません、頂きます。…ありがとうございます」


ボロネーゼをフォークで巻いて口へと運び、プロテインを飲み出した純平


それを横目で見て、フッと笑ったアキラはシャワーを浴びに向かう


良い食いっぷりだ

この分なら、少々しごいてやっても体が持つだろう

俺の訓練について来れるか心配だったが、どうやら問題無さそうだ


普段であれば5分もかからないシャワーを、アキラは10分ほどかけて浴びた


食べ終える前に出て、純平に自分が待たせてしまっていると思わせたくなかったのだ


頑張る若者を見守る時のアキラの目は、どこまでも優しい―――



数分で食事を終えた純平が、ふとアキラの部屋の居間を見渡す



今、食卓として使っている丸いちゃぶ台―――


年季が入っており、ガッシリとした造りだ

上面だけ色が違うのは、鉋をかけて凸凹を何度も修正してある為である


同じく、年季が入っていそうなタンス―――


おじいちゃんの代からそこにある、職人技が垣間見える逸品である

実は一番下の引き出しを抜くと、その下にはビニール袋に包まれた三千万円ほどのタンス預金があるのだが、アキラはその事を知らない


他には仏壇、動かなくなった掛け時計、一見単色だが、よく見るとワンコの模様が立体的に入っているカーテン、マジかってくらい旧式な電話


エアコンだけが新しく、そこだけ違和感が半端ない


以前は古い扇風機だけだったが、あんまり暑いので、耐えられなかったのである


「…待たせたようだな」


気配も無く歩み寄り、純平が使った食器とコップを下げるアキラ

そのまま洗い物を始めた


万力のような力で、速攻でピカピカにした後、プリティー☆彡ステッキを握って変身する


自分もそうだから分かるが、アキラみたいな男がその呪文を唱えるのは、正直聞きたくなかった


遠い目をして斜め下を向いている純平に、アキラが声を掛ける


「さて、訓練の時間だ。まずはどっちが先に山に着くか、競争といこうじゃないか。GO!」


言うや否や、ニヒルな笑いを浮かべながら、アルミサッシを開けて飛び出すアキラ


「あっ!」


この人ずるい


そう思ってアキラの方を見たら、腕だけ部屋の中に残して、中指を立てて飛んで行った



なんで煽るんスか…?それムカつくんですけど…


負けん気を掻き立てられた純平は、数秒後に全速力でアキラを追い始めた

まったくね


大雨なんて降ると、いい確率で土砂崩れなど発生します

ご自宅の裏手が崖になっている方は、お気をつけください


そんな時は、崖側に近いお部屋には、極力居ないよう、お心掛けください

生きてさえいれば、人生わりとどうにかなります


どうぞ、ご無事にお過ごしください


それでは、おやすみなさい

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