7/406
飛べ!魔法中女プリティー☆彡キララ
怒りのあまり、ブルブルと戦慄く右手
包丁を弾いては、それを追ってまた弾く
今のキララを、後ろからしゃがんで眺めては、いけない
具がハミ出てしまっているからだ
「まあ、初めての変身だしね。ちょっと時間かかるよね」
グリが何か言っているようだが、キララの耳には入らない
この包丁を、その目ん玉に突っ込んでやる
この屈辱の代償は、お前の悲鳴だ
お前が人間じゃなくて、本当に良かった
やっと握れた―――
そこから、動くなよ?―――
振り返ったキララは、満面の笑顔だった
ただし、目だけは笑っていない
「ハイ、そこまで~。ぼくが思ってたより早かったね」
何がそこまでだ
そこまでなのは、お前の命だ
そんなキララの感情は、包丁を握って2歩ほど歩いたところで、綺麗さっぱり消えていた