閑話休題2!魔法中女プリティー☆彡キララ その5
お疲れ様でございます
やはり昨今、昼日向に外を出歩く事はお薦めできません
投稿が遅れてしまったのは、現在私がフラフラだからです
まあ、すぐに回復しますけど
それでは本日のキララ、どうぞ
目を覚まし、少し辺りを見渡す―――
アキラを看病していた筈だったが、いない
そうか、
彼は目覚めて、私をベッドに寝かせて帰ったのだ
起きても、一緒に居てくれている―――
そんな気がしていたが、現実は違っていたらしい
キララは、まだ自覚していない
あの、優しい目をした男に、既に惹かれ始めているという事を
突如、キララ邸のチャイムが鳴る―――
パタパタと玄関前まで小走りで行くと、宅配業者だった
「どうも、お届け物でーす。こちらにサインお願いします」
夕べポチッた、アキラのサングラスである
どうやら、超速攻で届けてくれたらしい
「あざましたー、どもー」
開封して、中身を確認してみる
アキラが掛けていたものと、ほぼ同じだ
異なる点と言えば、こちらの新品は、端々の塗装が剥がれていない所くらいだ
気に入ってくれるだろうか―――
このプリティー☆彡ステッキを使えば、アキラを呼べる
少し考えた後、キララは歯を磨き、シャワーを浴びて、丹念に体を磨いた
クサいとか、汚いとか、思われたくなかったのだ
何故か、下の方の毛も剃り始めた
以前の同棲生活に於いて、こうしておいた方が男が喜ぶ事を知っているが故である
そう、キララとは、他の追随を許さない肉食系女子である
飛びつかれているのでは、ない
飛びついて来るように、仕向けているのだ
気に入らない男が飛びついてきた場合、キララはその鉄拳で、容赦無く殴る
どうやったら飛びついて来るかなんて話は、全て計算の上である
一方その頃、漸くお茶を手に入れたアキラは自宅へと戻り、やかんでお湯を沸かしていた
アキラの叔父と、息子の嫁も意識を取り戻し、起き上がっていた
一体何が起きていたのか、さっぱり分からない
覚えているのは、とんでもねえ力で顔を捻じられ、苦しかった事くらいだ
あと床に、千円札が三枚、落ちている
とりあえず、叔父は拾う
なんで、お金が落ちてんの?
全く以って、色々と分からない
戸棚の玉露がなくなっている事に気づき、どうやらアキラの仕業ではないかと疑い始めるのは、もう少し先の話である
沸いたお湯を、使い慣れた急須へと注ぐ―――
まだ、お茶っ葉は入れていない
一度急須をお湯で温め、お茶の温度を下げないようにする為だ
同様に、湯呑みにもお湯を注いで温める
このお湯は捨ててしまうが、アキラとはエコな男である
台所のシンクを洗う為に使う
既に洗剤を撒いており、準備は万端だ
捨てるお湯を一旦、同じく愛用の雪平鍋へと移す
約、18グラム―――
一杯のお茶を淹れるには、余りに贅沢な茶葉の量である
だが今のアキラには、一切の躊躇が無い
これほどまでの渇きに、耐えたのだ
最高の一杯にして、その味わいを余す処なく堪能したい
お湯を注ぎ、ゆっくりと急須を回す
こうしてやる事で、より深く茶葉の薫りと味わいが、伝わるのだ
お茶が蒸される頃合いを待っていると、プリティー☆彡ステッキから声が響いた
「アキラさん、聞こえていますか?あの、キララです。貴方のサングラス、新しいのを用意しました。あと20分くらいしたら、仕事に出かけます。19時頃には、部屋にいると思います。…取りに来て頂けませんか?」
コイツは参った
そのサングラスは、今すぐにでも欲しい
有ると無いとでは、戦闘力が大分違ってくるのだ
そいつが欲しくて、ずっと困っていたところだ
一方、漸く淹れるに至った、文字通り喉から手が出るお茶が、目の前にある
喉が、クッソ乾いている
正直もう、水道水でも良いんじゃないかって思い始めている
懊悩―――
アキラは今、迷っている
誰かに、恋をする―――
久しく、忘れていた感情です
私あんまり、気に入る方って、見つからないのです
時にムカついたり、時に我慢出来なくなったり
そういう思い出って、幸せなものだと思います
それでは、おやすみなさい




