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閑話休題2!魔法中女プリティー☆彡キララ その4

お疲れ様でございます


皆様にとって、ストレスの原因って何でしょうか


私の場合は、愚か者の相手をする事です

気を遣わなければいけない場合は、なおさら堪えます


貴方の暮らしが、自由なものでありますように


それでは本日のキララ、どうぞ

そろそろ、夜が明ける―――


暁が近づく頃、アキラは静岡に着いていた

お茶の名産地であり、アキラの叔父と叔母は、ここで茶葉や野菜の生産に携わっている


その年によって、不作と豊作が分かれるのだ

単一作物で生計を立てている農家の場合、不作の折には、一気に追い込まれる羽目になる


故に、生真面目な叔父は、気温や降雨量の関係で豊作、不作が分かれる作物を、幾つも育てている

万が一にでも、年の実りを失わない為である


最近、漸く大学を出た息子が、彼女を連れてきた―――


この娘と、結婚したいと言う


可愛らしく、利発な娘さんである

以前、何度か訪れて来た際に、くるくるとよく働く娘であった事は、覚えている


相手の親御さんに見られているという気負いもあったのだろうが、それ以上に感心したのは、その性根の明るさだった


誰に対しても心遣いを忘れず、己が席を立って、その労を担う


本当に、優しい娘なのだ―――


そんな息子の彼女を眺めながら、アキラの叔父は、心づもりを決めていた


もっと、美味しいお茶を作って売ろう―――

最高の玉露農家となって、そのノウハウと販路を、息子と嫁に譲ろう―――



この暑い昨今である

一日の畑仕事は、何度も気が遠くなるような、苦行だ


暑過ぎたせいで、葉が硬くなってしまっている

今年の出来は、大丈夫だろうか



そんな心配をしながら、眠りに落ちる叔父―――


カラカラと音を立てて、アキラが姿を現した


だいたいの田舎とは、基本的に不用心である

ベランダの鍵が、空いていたままだったのだ


「―――誰、」


寝ぼけ眼だった叔父が、老眼鏡を取ろうとしたその瞬間、アキラの逞しい腕が、その口を塞いだ


「ムーーーー!!」


アキラの反対側に顔を向けられ、声にならない声を、叔父が漏らす


裸締め―――

スリーパーホールドとも言う


グイグイと首を締め上げられ、敢えなく叔父は、意識を失う


約、6.8秒

新記録である


ガクンと首を落とした叔父に、動く気配は無い


叔父が落ちた事を確認し、台所に向かう

以前確か、ここにお茶があった筈なのだ


「誰?―――」


息子の、嫁である

アキラは知らなかったが、今は息子と結婚して、叔父の家で暮らしているのだ


その逞しい腕で口を抑え、瞬時にアキラの反対側へと向ける


「ムーーーー!!」


裸締め―――

スリーパーホールドとも言う


お構いなしにグイグイと嫁の首を絞め上げ、失神するに至らせる

ガクンを首を落とした嫁を、優しく抱き上げてお布団に寝かせ、毛布を掛ける


お前は何も見なかった、良いな?


ゴソゴソと、戸棚を探る


やはり、あった―――

今年の、新茶である


その芳香から、アキラには分かる

これは正しく玉露であり、期待通りの逸品である


身内価格なら、三千円程度だろう

千円札を三枚投げ捨て、ベランダから飛び出したアキラが、帰路に就く


話せば済む事なのに、何故か締め落とす男―――


目撃されては、いけない

それが彼の、信念である


毒島アキラとは、極まった脳筋なのだ

終戦記念日です


志有った多くの先祖達が、その魂を未来に託し、散っていきました

本日は手を合わせ、その冥福を祈ります


良い、お盆休みを

おやすみなさい

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