変身!魔法少女ラヴリー☆彡タタラ その2
お疲れ様でございます
もう8月ですか
私は手の平を蚊に刺され、心の中でチクショーめぇー、と叫びながら書いております
痒いんです
それでは本日のキララ、どうぞ
「えっ?何言ってんディスカー?」
普通に意味が分からなかったので、タマルは問い返した
「あー…きみは日本語じゃ通じない事もあるんだね。ちょっとまっててね」
グリとは魔法生物であり、書物である
それ故、魔王城が所有する書庫に、アクセスする権限を持っている
書庫に異次元からアクセスし、ちょっと索引から探してやれば、大概の情報は手に入る
しばらく観察していたので、タマルの事は色々知っている
グルジア語の知識を索引から見つけ、急速にその知識を吸引していく
「დადე ხელშეკრულება ჩემთან გახდი ჯადოსნური გოგონა」
しばらくポカーンとしていたタマルだったが、どうやら母国の言葉が通じるらしい事は理解した
グリとタマルは、グルジア語で会話を始めた
「(ええと、やっぱり意味が分からないです。魔法少女って何ですか?」
「(世界を絶望で包もうとする、悪い奴等ときみに戦ってほしいんだ。変身してその為の力を得た姿が魔法少女だよ」
黒猫がパタパタと動くグリの羽根に飛びつき始めたが、器用に避けながら喋っている
「(私、戦うなんて無理ですよ?仕事もあるし、見たいアニメもあります。お断りします」
やれやれと言わんばかりに、グリが溜め息をつく
「(これから見せるのは、君の故郷だよ。少し先の未来だけどね」
グリが目を閉じると、そのイメージがタマルに流れ込み始めた
タマルの実家のアパートだ―――
懐かしい気持ちに捉われたのも束の間、巨大な火の玉が降って来るのが視界に入った
父と母、弟は、それに気づいていない
次の瞬間、アパートは火の玉に粉砕され、家族が消し炭になっていった
「(…本当に起こることだよ。じゃあ、お断りされたから、ぼくは帰るね」
パタパタと飛んでいくグリの尻尾を、タマルが掴む
「(ちょっと待ってください!」
「(ンー、離してくれない?もうきみに用はないんだけど」
タマルに尻尾を掴まれたせいで、グリは黒猫を避け損ねた
両手で抱え込まれ、猫キックを入れられ始める
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」
蹴られる度に声を上げているグリに、意を決したように、タマルが話しかける
「(私が魔法少女になったら、それを止められるんですか?」
「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」
話の邪魔なので、黒猫をつまんで押し入れに放り込んで閉じる
ニャーとか言ってふすまをガリガリしているが、タマルは今、それどころではない
「(…ふぅ。止められるよ。きみさえその気になればね。これを持って」
どうやってかは分からないが、棒状の何かが虚空からニュッと出てきた
グリはそれを、タマルの前に差し出す
持てと言わんばかりに、再度ずいっと差し出す
おずおずと、タマルはプリティー☆彡ステッキを手にした
「(じゃあ、ぼくに続いて魔法の呪文を唱えて?ステッキは両手で握ってね」
言われて、左手もステッキを握る
「(ラヴリー、ラヴリー、ルルルルル~。魔法少女に、な~あれ!」
通常であれば、ここで恥ずかしさのあまり血ヘドを吐く
だがタマルは天然であり、生粋のアニオタである
どちらかというと、ワクワクしている
何の躊躇もなく、魔法の呪文を唱えた
「(ラヴリー、ラヴリー、ルルルルル~。魔法少女に、な~あれ!」
ようやく、タマルのキャラが仕上がりました
ちょっとX上でジョージア大使館の方が広報活動を頑張っていたものですから、それに報いてやりたくてタマルを書きました
タマルの帽子の赤と、ドレスの白はジョージア国旗のイメージです
ジョージア産のワインとか、贈ってくださっても良いんですよ?(露骨な賄賂要求
冗談です。ちゃんと買います
それでは、また




