閑話休題!花嫁を探せ!その6
お疲れ様でございます
気がついたら3月が終わっていました
確かまだ3月9日とかいう歌を聴いていた筈なんですが
まあさておき、本日のキララ、どうぞ
首の傾げ角度80度でカンナを凝視し、固まっているソフィ ―――
この猛獣は襲いかかって来る、という直感から、繋いでいたエネッタの手を離してバトルモードに入るカンナ ―――
一体何故、この二人は出会ってしまったのであろうか? ―――
それはある春の日の出来事であった
プルルルルル…プルルルルル…
「…」
「あ、モシモシはっちゃん?そろそろ桜が綺麗でな、花見に行かないか?」
「…ほう…そろそろ花も見頃か…して、時と場所は?」
「はっちゃん家の近くで咲いてるとこは無いか?花見をしながらバーベキューしたいんだが、こっちの方だと火を使うと色々うるさくてな。時間は昼からにしよう」
「ある…昼だな?」
「ウン。もうすぐ氷雨さん、産まれるんだろう?美味いもん食って精をつけないとな。肉はこっちで用意する。はっちゃんはコンロと炭の用意を頼む」
「相分かった…」
電話を終えて肉の仕込みを始めようとしたところで、ふと冥界勢の事を思い出したアキラ ―――
ンー…そういやあの子ら、肉食った事なんてあるんだろうか?…
ソフィやザムダなんかも初めての時は美味そうに食ってたな…
ここは一つ、冥界の子達も誘ってやるとしよう…
「という訳で来たんだが」
いきなり現れ、意味の分からない供述を始めるアキラを目の前にして尻もちをつくエネッタ ―――
やっぱりこの人、心臓に悪いわ…
よくよく話を聞いてみると、みんなして綺麗な花を見ながらお肉を焼いて食べる、との事であった
ニルスは残念ながら忙しいので参加不能だったが、エネッタ達三人は参加する次第となった
ヴーーーン、と開かれたゲートを恐る恐る潜り、はっちゃん家の前へと到着するエネッタ達 ―――
タン、タン…
「はっちゃん、いるー?」
アキラが戸を叩くと音も無く人影が現れ、玄関の戸が開いた
「…おや、そちらが客人か…拙者は疾風と申す…アキラの友だ…今日はゆるりと過ごされるが良い…」
「どうも疾風サン、ピリムと申します」
「エネッタです。はいカンナ?」
「カンナです!」
その時、トテトテと廊下を走って来て半分だけ顔を出していたソフィは見ていた ―――
見たところカンナは自分とほぼ同じ年齢、人柄の良さそうな笑顔、これは友達案件である
父と同じように気配を消しながら歩を進め、あと一歩で飛び込める間合いまで迫ったソフィ ―――
だがしかし普通に見えていた為、カンナは既に警戒態勢に入っている
「あの…カンナです!」
友好を望んだカンナはもう一度自己紹介してみたが、同じく友好を望むソフィの返答は言葉ではなく肉体言語だった
ダアッ!! ―――
会心のソフィダイブ、ノーステップバージョン ―――
ちきしょう、やっぱり来やがった…
反射的に身を躱したカンナだったが、ソフィとはそんなに甘い相手ではなかった
ダイブ、からの着地と同時に方向転換し、二度目のダイブ
見事に反ったボディープレスに圧倒され、カンナは捕まった
「…これソフィ、客人なのだ。技を仕掛けてはいけない…」
「わたし、ソフィ!よろしくね!」
何がなんだか分からないカンナだったが、とりあえずソフィの追尾性能がやたら高い事と、仲良くしたいという事だけは分かった
次のターゲット、エネッタを首の傾げ角度80度でじっと見つめるソフィ ―――
ほっこりと微笑みを返すエネッタだが、両手はちょっと待ったハンドを差し出している
「…まったく、娘が失礼した…ただ喜んでおるだけなのだ…」
「あ、いえ…ちょっとビックリしただけです。ソフィちゃん、よろしくね」
「…」
忍法、無言 ―――
笑顔でジリジリ近寄って来るソフィに対し、ジリジリと下がっていくエネッタ
「…止めい、ソフィよ…花見に参るぞ…ジェダ達も呼んでやるが良い…」
言われてはたと気づいたソフィは、トテトテと走って行って両手でジェダを捕まえてエネッタに笑顔で差し出した
え?…これどうしたら良いの?…
なんとなく流れで受け取ったエネッタがそのカラスをじっと見てみると、顔を伏せてそっぽを向いた
「…あの…近いです…」
「シャベッタァアアアアア!!」
エネッタがびっくりして手を離すと、ジェダは人型に変身して着地した
「どうも、ジェダっていいます。ソフィ様の下僕です」
その影の中から手だけを出して振り、挨拶するゾル
「はじめまして、俺はゾル。シャドウストーカーだ」
色々ビックリし過ぎて言葉を失ったエネッタ ―――
「…さて皆の衆、今日は花見だ…荷物を運ぶのを手伝ってくれ…」
「「ハイ!」」
そうして桜が咲く河原へと着いた一行 ―――
「「わぁ…」」
初めて眺める地上の桜は、正直綺麗だった ―――
「良し、火はこんなもんだろう。じゃあ始めるぞ」
BBQマイスターアキラが次々とコンロに肉を置いていき、滴る脂がボッと燃えては肉と炭の薫りを辺りに漂わせる ―――
なにこれ、超うまそう…
「焼けたのからどんどん取れ。熱いから気をつけろ。こっちのタレに浸けてから食うんだ。カンナのはちょっと小さく切ってやろうか…ほれ、アーン」
カンナがあーんして咀嚼したお肉は、旨味の爆弾だった ―――
「…ンンンンンン…」
「どうだ?」
「うまい!」
それを見て今度は自分がピリムの口へとお肉を運ぶザムダ ―――
「ハイ、あーん…」
「…!」
そんな二人を見て、益光をじっと見つめる氷雨 ―――
「ウッ…人前である…あとお主、大人であろう…いや、…マジでござるか?」
ほっこりと微笑んで頷く氷雨 ―――
「…致し方あるまい…良いであろう、恥など捨てた…アーン…」
耳まで真っ赤にしてイイ感じに焼けたお肉を差し出す益光
氷雨が頬張った愛情プラスのお肉は、正直美味かった ―――
そんなこんなでお肉美味しかったね、で終わり、そろそろ帰ろうかと片づけを始めたところで事態は急変した ―――
後日譚・ソフィとカンナ ―――
ソフィの接触がアグレッシブ過ぎた為、大分警戒していたカンナですがどうやら自分の事が好きなだけだと分かりました
相手への好意を伝える方法 ―――
それがフライングボディアタックだという、あんまり正しくない知識を彼女は得ました




