閑話休題!花嫁を探せ!その5
お疲れ様でございます
そろそろ桜が良い感じなんじゃないでしょうか
学生時代、ジャンケンで負けた奴が一合一気して最後まで立っていた奴の勝ちとかいう狂気のサバイバルをやっていた頃が懐かしいです
ええ、私にとってはそれがお花見でした
さておき、本日のキララ、どうぞ
「ごめんね、みんな。来てたのは途中から気付いていたんだけど、大事な話をしていたんだ。何で三人して来たんだい?」
会議を終え、エネッタ達に歩み寄るニルス ―――
「ニルス様のお仕事を手伝う為、まずはその見学に参りました。先程は動物の話をなされていたようですが」
「うん、地上から仕入れた鶏っていう鳥についてだ。繁殖に成功すれば、卵や肉がカザロフにとって重要な栄養源になる。その段取りと流通について話していた」
「なるほど。ニルス様、アキラさんを呼んで下さい。私とエネッタさん、カンナの三人で地上に行って飼育方法を調査して参ります」
「えっ?地上に行くの!?」
「はい。何のお役にも立たないでお給料だけ頂こうとか、ないです。それでは私達の存在価値がありません」
大したプロ意識じゃないか…
この齢でそれか…
ポチさん、アキラさん、ありがとう、
俺は今、自分の右腕を見つけた…
「…ウン、じゃあお願いしようかな…ポチさんまだいるかな…」
ポチを見つけてアキラを召喚し、三人はとりあえずアキラん家に移動した ―――
「キャーーーーーーーーッ!かわいいッ!!…この三人をアタシの子とする。異論は認めない。いいね?」
三人を抱えてボスッとソファーに押し倒したザムダ ―――
「いや、ダメだろ…仕事で来たんだ。宮本さん家の養鶏場を見学して、冥界での参考にするそうだ」
「いいじゃんパパ~。ウチの子にしようよ~!」
「…ダメったらダメだ。ダダこねるな」
「じゃあ皆してお願いしよう。せーの、でパパー、って呼んでみて。ハイせーの?」
「「パパーーー!」」
ザムダ含む4人にしがみ付かれてそう呼ばれたアキラの精神は、わりと追い込まれた ―――
「…だから…もう…ダメなんだってば…この辺で勘弁してくれ。ホラ、宮本さん家に行くぞ」
そうしてゾロゾロと宮本さん家を訪れたアキラ達 ―――
「ようアキラ、見学したいって話だがウチに就職する気か?」
「いや宮本っさん、社会科見学みたいなもんだ。この子達が詳しく知りたいって言うんでな」
「「よろしくお願いしま~す!」」
何故かザムダも一緒に来て挨拶している
「おう、任せとけ。んじゃとりあえず鶏舎まで行こうか」
みんなして着いて行くと、だだっ広い柵の中にちょっとした工場くらいある鶏小屋と倉庫があった ―――
有刺鉄線が巻かれた柵、発酵飼料、雄鶏がケンカするから分けている事などの説明を受けつつ、フムフムと頷きながらメモを取ったりする三人 ―――
「…なるほど、この規模の養鶏場で人手はどれくらいですか?」
「ウチは俺と女房の二人だけだ。基本ほったらかしだからそこまで手間はかからない。朝晩に小屋を開け閉めする時に餌をやって、卵と肉にする鶏を集めて以上だ」
「鶏を肉にする時の基準は何ですか?」
「コイツもうでけえな、って思ったら捕まえて出荷する。主に雄だ。雌は卵を産む間は出荷しない」
「なるほどです」
カキカキとメモを書き進めるピリム ―――
「なんかやけに真面目なお嬢ちゃんだな。アキラ、この子達は何なんだ?」
「日本の農業を学んで国に持ち帰りたいらしくてな。まあ海外の子だ」
「そうか…お嬢ちゃん達、ウチでゴハン食べてくかい?親子丼って言ってだな…」
皆して宮本さん家で食った親子丼は、正直美味かった ―――
「…という訳で、三人で地上の養鶏場を見学して報告をまとめて参りました」
「ほう…三人とも、ご苦労様。参考にさせて貰うよ。後で目を通す。みんなはもうお休み」
夜中になっても机でまだ仕事を続けているニルスに一礼し、部屋を出る三人 ―――
「…ニルス様、忙しそうだね」
「だね」
「だから私達は少しなりと、それをお助けしなければならないのです。言われた事をただ聞くだけなら魔犬にでも出来ます。自分で考えて行動出来てこそ、お役に立てるというものです」
うーん…この子、大分厳しいっていうか…マウント取りたいんだろうか…
仲良くするの大変そう…
ちょっと引き気味のエネッタ ―――
普通の子であればピリムとは距離を取るところであるが、バファリンを優に超えるやさしさ成分と母性を持つ彼女は分かり合う事をチョイスした
「…ねえ、ピリムって何でそんなに自分に厳しいの?」
「…私は…もう二度と奴隷なんかにされたくない…殴られて縛られて、泣いて声を上げる事も許されないまま生きるのが嫌だ…私の価値は、私が決める。私は強くなって、自由になる」
なんか重い話を聞いてしまった…
だからこの子、こんなに必死なんだ…
「辛い事聞いちゃってごめんね、ピリム…出来ればみんな、仲良くして笑って暮らそうよ。一緒に住んでるんだもん、もうみんな家族だよ」
「…」
「今日はもう寝よう?おいでカンナ、絵本読んであげる」
「うん!」
こうしてエネッタとカンナは一緒にお布団に入ってそのまま眠りに落ち、ピリムは眠れないまま自分がこの先どう生きるべきかを考え続けた
いつしか眠りに落ちた時、脳裏に浮かんだのはザムダやアキラ、自分に優しかった人達の顔であった ―――
そろそろキララと氷雨さんが産まれそうだったりします




