閑話休題!花嫁を探せ!その2
お疲れ様でございます
春眠暁を覚えず、と言ったものですが、なんだか寝ている時間が長くなりました
どうせまたすぐに暑くなるんでしょうけど
さておき、本日のキララ、どうぞ
「…という訳で、ターゲットのエネッタに接触して来た。これが写真だ」
アキラがスッ、とテーブルに差し出した写真を手に取り、チラ見した後にニルスへと渡すポチ ―――
「これを見てどう思う?」
「…文句無しに可愛いです。加えて性格の良さと優しさ加減が見て取れます」
「アリかナシかで言ったら」
「アリだと言ったつもりですが、ご理解頂けませんでしたでしょうか?」
「良し、では次だ。アキラさん」
スッと次の写真を差し出すアキラ ―――
「この娘が第二のターゲット、カンナだ」
真剣な眼差しでグッと写真に食い入るポチとニルス ―――
「…これは…年齢的にギリギリアウトなヤツなんじゃないでしょうか?」
「俺もそう思った。だが、今ギリギリアウトという事は何年か経てばギリギリセーフになるという事だ。仲良くなるにもある程度時間がかかるだろう。成長を見守っていたらいつの間にかお嫁さんになってました、って流れでどうだ」
「なるほど…アキラさん、この娘はどういう娘でしたか?」
「母が病弱でろくに働けず、小さい弟の面倒を見ながら畑を耕していた。父親はいないらしい。蘇生の杖で母を治してやったら秘密の花畑に連れて行ってくれてな。これはその時の写真だ」
アキラが作った花冠を頭に乗せて、満面の笑顔を向けているカンナ ―――
「ニルス、どうだ?」
「…ええ、結婚うんぬんを抜きにしても、守ってやりたい笑顔です。何か仕事を与えてやりましょう」
「良し、最後はこの娘だ」
黒い肌に黒い髪、切れ長の目をしたメイド服姿の少女 ―――
「名前はピリム。今はアっさんの所で下働きをしているが、元は奴隷として売られるとこだったらしい。アっさんもゆくゆくは身を立ててやりたい、と言っていた」
「アスモデウス様が…そうですか…ウン…」
「ニルス的にはどうなんだ?」
「ええ、身を立ててやりましょう。結婚とか抜きです。教育を与えて、どこに出しても恥ずかしくない子に育て上げましょう」
「良し、じゃあ早速3人と交渉して来よう。名目はニルスの仕事の手伝いや身の回りの世話、って事で良いな?」
ゲートを開こうとしたアキラに、ちょっと待ったハンドを差し出すニルス ―――
「あっ、労働条件は1日鉄貨5枚です。休日は週2日、住み込みで家賃と食費はタダ、帰省休みは1週間で有給です」
「なかなか太っ腹だな、ニルス。ウチの兵士達より待遇が良いぞ?懐は大丈夫か?」
「ケチとか思われたくないですからね。ここは手厚く投資します。人生の値段だと思えば安いもんです」
「じゃあ俺は行って来るぞ。住み込みはいつからだ?」
「ええと…未定って事でお願いします。人数が決まってから部屋とか家具とか用意しないと」
「分かった」
ヴーーーン、とゲートが開いてヌッと出て来たアキラを見て、ズザッと引くエネッタ ―――
この人、心臓に悪いわ…
「ようエネッタ、お前を雇いたいってヤツがいてな」
「え…でも私、ここで皆の面倒を見ないと…」
「話は通してある。近日中にここの職員は倍になる。もうお前が無理をする必要もない」
それから労働条件の話を始めるアキラ ―――
「鉄貨5枚も?…私、一日働いて銅貨10枚ですよ?そんなにお給料が出る仕事なんて、出来ると思えません」
「チャンスだと思って頑張ってみろよ。ダメだったらまたここで働けば良いさ。断るならこの話は流れるが、良いか?」
「…行きます。私、頑張ります。家族に仕送りがしたいんです」
「OK了解。じゃあ先方にはそう伝えておく。またな」
ヴーーーン、とゲートを開き、アキラはどこかに消えていった ―――
「ようカンナ。元気してたか?」
「あっ!おじさん!」
タカタカと駆け寄って来たカンナを抱き上げ、肩に座らせるアキラ ―――
「今日はお母さんに薬を持って来た。きっと元気になるぞ」
「本当!?」
「本当だとも。あとカンナ、お前が働けばお母さんと弟を養ってやれる。仕事の話を持って来た。ちょっとお母さんと三人で話そう」
カンナのお母さんを交えて話したところ、一発でOK了解を得てGOサインが出た ―――
「頼んだよ、カンナ…我が家の命運は、お前に託されたんだよ?」
「うん!」
「ああ、お母さん、ご心配なく。お子さんはアスモデウス配下として丁重に扱われます」
「マジで!!?」
「はい。お休みの日にはちょくちょくお連れします。では失礼」
再びゲートを潜り、今度はアスモデウスの所へと向かうアキラ ―――
「ようアっさん、俺だ」
「アキラか。ピリムの件か?」
「ウン、ニルスの仕事を手伝って貰って、気が合うようなら結婚、って話だ」
「ウム…あの子もなかなか気難しい所があっての。賢いといえば賢い。役には立つ筈じゃが、果たして上手く行ったもんじゃろうか。おいピリムよ!」
少し間があってからピリムが現れ、まずアキラに向かって一礼した ―――
「ご機嫌よう、アキラ様。お茶などお持ちしましょうか?」
「いや、お構いなく。ピリム、軍で仕事をしてみる気はないか?有能な者を探している」
「お断りさせて頂きます。私はアスモデウス様に救われた身、今のままお仕えしたく存じます」
「ワシが行けと命じたならばどうする?」
「それは…はい。お望みとあらば」
「お主の才はここで腐らせておくには惜しい。ワシに必要なのは、世話を焼いてくれる者ではなく一緒に戦ってくれる仲間じゃ。軍の力になっておくれ」
「心得ました…アスモデウス様、名残惜しゅうございます…」
「カッカッ…すぐ近くにおるのだ。いつでも参るがよい」
立ち上がったアスモデウスはピリムの肩を抱き、ポンポンと背中を叩いた ―――
「では任せたぞ、アキラよ」
「ンー、俺が面倒見る訳じゃないんだけどな。まあ伝えておく。またなアっさん」
アキラがゲートを開いてポチ達の所に戻ったところ、何故かピリムも着いて来ていた ―――
「えっ?…いや、今来られても…どうすんだコレ。まだ部屋とかお布団とか無いぞ?」
「えっ?…だって私もう、アスモデウス様とお別れして来ちゃったじゃないですか…どうしてくれるんですか?」
「ンー…参ったな…んじゃ用意ができるまで俺んとこに来るか?地上なんだがピリムは見た目がほぼほぼ人間と同じだし、問題ないだろう。とりあえず先に3人ともOKの連絡だけしとくか」
そんな訳で2人して地上に戻ったところ、ピリムはザムダからの熱烈な歓迎を受けた ―――
「キャーーーーーーッ!!かわいいッ!!この子どうしたのアキラ!?名前は!?」
飛びついてグリグリ撫で回したり抱き締めたりするザムダ
「そいつはピリム。しばらくウチで預かる」
「あっ!あの時のお姉さん…」
「あっ、あの時カーギルで売られるとこだった子?アタシはザムダ。よろしくね。アキラ、車出して。この子の着替えとかお布団とか買いに行くよ?」
「やれやれ、財布も出せって言うんだろう。行く前にその恰好だけなんとかしとこうか。子供でメイド服だと社会的にアウトだ」
速攻でアキラが買ってきたジャージに着替えさせ、車に乗り込む三人 ―――
ピリムが車窓から眺める初めての地上の景色は、なんだか不思議なものばかりだった ―――
今日は寝起きなんで続き書きます




