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カザロフ兵団副団長、選抜試験!その4

お疲れ様でございます


まったくね


人は誰しも間違えるものですが、修正が効く者とそうでない者があります


要は誤りを自覚したうえで、そのまま前に進むのが良くないです


さておき、本日のキララ、どうぞ


ベルサリオ、ゴール ―――


12時間ではまず走り切れないという想定のコースを、彼はいとも容易たやすく走破してしまった


「俺はどうしたら良いんだ?二周目か?」


タッタッと足踏みしながらベルサリオがポチに問う


「いや、君はそのまま途中まで走って12時間目を迎えるだろう。これ以上走る意味はない。君が一位だ」


「そうか…俺は少し休む。用があったら起こしてくれ」


そう言うと適当な場所でグーグー寝始めてしまったベルサリオ ―――


その後、小一時間ほど遅れてフリーダが、日が暮れる頃になってシグナスがゴールインした


二人は息も絶え絶えといった感じでゴールへと辿り着き、残りの者達は道端で白目をいているか、道中でゾンビのようにふらふらと前を目指しているかのどちらかであった



12時間耐久、地獄のレース終了 ―――



「…終わったか。俺達ゃ何位くらいだったんだろうな、アラン」


「順位は大して関係ないだろう。こんだけ数がいるんだ、もっとざっくり判断するはずだ。俺は12時間走り続けられたかどうかで判断されると見ている。全体のコースはこうで、俺達がいるのはここだ。ずっと走り続けていなけりゃここまでは来れない。恐らく俺達は合格圏内だ」


ガリガリと枝で地面に絵を描き、その説明を始めるアラン ―――


「なるほどな…実際どうだかは知らんが。ああ、馬車が来たぞ。手招きしている。乗せて行って貰おう」


次々と馬車に乗せられ、運ばれていく参加者達


乗り心地の悪い馬車のせいで、たまにキラキラと輝く何かを馬車の外に吐いている者もいる


「ヘヘ…寝て明日起きたら立てる気がしないぜ…」


「お前もかガベル…ところで足がつり始めたんだが…ンンンンンンンンン…いてええええええええええ!!」



終わって次の日 ―――



結果としては、1位ベルサリオ、2位フリーダ、3位シグナスのみがゴール


だが元々走破は不可能、といった前提のレースであり、計画性を持って12時間を走ったと思しき集団は次の競技にピックアップされていった


第二の競技、それは1対1での剣術試合である ―――


500少々の参加者がいたが、第1回戦で始まり、第2回戦、第3回戦も終わる頃には中々の強者、曲者くせもの揃いが勝ち残っていた



「…ウン、いいね。なんかこういうの見てると俺もやりたくなっちゃうよ」


「ポチさんはダメです。大人しく見てて下さい。ああ、それより次の試合サリーナが出ますよ。相手は…シグナスです。3位で走り切った」


「へぇ、ちょっと見に行ってみよう」


そんなこんなでポチとニルスが試合場へと向かってみたところ、サリーナとシグナスは既に登場していた



「…第二強襲偵察部隊隊長、サリーナ殿とお見受け致す。相違ないか?」


如何いかにも、激剣のサリーナとは私の事だ。其方そなたの名は?」


「シグナス…手加減は無用に願う」


「フン。なかなか骨がありそうだね。アタシの部隊に来な」



「では、始め!!」 ―――


なんか名乗りが長くなりそうだったので、ちゃっちゃと始めてしまいたかった審判の号令により二人は武器を構えて距離を取った



サリーナの武器えものは細身のレイピア、これを雨霰あめあられの如く突き、隙あらば鎧や兜の隙間を貫くのが彼女のスタイルである


シグナスの武器えものは長大なロングソード ―――


盾は持たず、両手でこれを構えて受けと攻めを同時にこなす、これが彼のスタイルである


当然、踏み込んで突く構えのサリーナに対し、シグナスは刀身を背後に構え、初撃は払いに行く様子である



フム…間合いはあっちの方が上だ…


踏み込んだところをバッサリ、ってとこだろう…


だけどアタシの出入りは速いんだよ?…


いつまで追いつけるかな?…



まずは一瞬踏み込んで引き、シグナスの反応速度を観察するサリーナ ―――


動かない…


今、確かに間合いに入ったのに…


そのままシグナスが右に引いた剣の方、反時計回りにジリジリと動きながら考えるサリーナ


撃ってみるか…


コンマ数秒で踏み込んだサリーナの切っ先がシグナスに届こうとしたその瞬間、バオッ、という風を巻いてシグナスの長剣が振り抜かれた


ピッタリ同時に放たれたその長剣のコースは、サリーナの頭が真っ二つ


幸い寸止めである


サリーナのレイピアはシグナスの左肘で跳ね上げられ、右手一本での剣撃である



「しょ、勝負あり!勝者シグナス!!」



審判の勝ち名乗りを受け、試合場を下りるシグナスとサリーナ ―――


「…見たか、ニルス」


「ええ、サリーナさんが踏み込む事すら出来ないなんて…普通逆ですよ?」


「シグナスか…剣では逸材らしいな」



そしてこちらは、試合場を下りた二人 ―――


「…一つ教えておくれ、シグナス。アタシがまず踏み込んだ時に、アンタは動かなかった。何故だ」


「打って来ないと分かっていたからだ。最初はなから引く気で踏み込んできた、と」


「どうやって見分けた?」


「それを説明するのは難しい。俺のは場数を踏んで覚えただけだ」


「そうか…暇があったら訓練に付き合ってくれ、シグナス。あたしゃ負けっぱなしってのはゴメンなんだ」


「フッ…剣聖なんて止め…ウホン!ああ、良いだろう!とりあえず落ち着いたら稽古しようか!ウン!」


今剣聖って言った?…


シグナス…シグ…シグルド?…


ひょっとしてアナタ、剣聖シグルド様なんじゃあ、ないでしょうか?



そんな疑念を抱いたサリーナだったが、なんか言って欲しくない感が満載だった為、その場は黙っておく事にして帰った ―――

ちなみに主人公であるはずのキララ、当面出てきませんw

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