アルクの危機!動き出した悪魔達!その14
お疲れ様でございます
ウン…なんか寒いよね…
お布団に入っても、しばらく体が落ち着きません
早く私を温めて…
そんなこんなですが、私は元気です
さておき、本日のキララ、どうぞ
ゴルドの選択肢は、速攻しかなかった
今ならまだ狂人草としびれ薬の効果が残っている
これが切れてしまうと自分はダメージアリアリ、相手は無傷
非常に不利な展開を強いられる事になるだろう
「え~、それでは、これよりカザロフとヴァンとの代表戦を…」
早く…
とっとと始めろこのノロマ…
負傷者が運び出され、審判バゲンが各々の名乗りを上げている間にもゴルドはイライラしながら待っていた
「カザロフが誇る英雄、兵団副団長、アルク~~~!!」
「「ワァアアアアアアアアアアアアア!!」」
目を伏せて四方に一礼するアルク ―――
なんか右手の痺れが肩まで上がってきた…
コレどうしよう…
平静を装ってはいるが、アルクはアルクでまずい状況である
「ヴァンが誇る英雄、鉄拳のゴルド~~~!!」
「「ワァアアアアアアアアアアア!!」」
一応にこやかに周囲に手を振るゴルド ―――
だが内心イライラしているせいで笑顔が少々ぎこちない
「それでは両者、中央へ…ファイッ!!」
やっとか!…
ガバッと飛びかかるゴルドに対し、軽快なステップで弧を描くように距離を取るアルク
その足捌きは、華麗である ―――
アルクの師匠は、当然ポチ
徹底して逃げ方を叩き込まれており、確実に勝てる時しか行かないのが彼の信条である
クソッ!…
コイツ全然前に出て来ねえ…
あと何分だ?…もう狂人草の効果が切れちまう…
必死でアルクを追い続けていたゴルドだが、時折放たれる鋭いジャブと見事なフットワークにより、捕まえられそうな気がしない
そうこうしているうちに、まず狂人草の効果が切れ始めた ―――
ウウ…体が重い…
どこそこ痛くなってきた…
お布団…いや、まだだ…
ここまで来て諦めるとか無いわ…
ヴァンの鉄拳三人にボコボコに殴られたせいで、正直体中が痛い
今の満身創痍のゴルドを動かすものは、野心と根性のみである
「ガアッ!!」
必死で飛びついてはみるものの、ジャブを食らっては逃げられる
そんな展開が数分続いているうちに、今度はアルクの右手が回復し始めた ―――
よし、だんだん痺れが抜けてきた…
握力は…まだ半分ってとこか…
ハァハァ言ってるゴルドに対し、反時計回りに足を捌き続けるアルク
そうこうしているうちに医療班アキラの治療を受けたベッケルが起き上がり、リングのロープを掴んで喚き始めた
「頼む!!そいつを叩きのめしてくれ!!そいつは…そいつは…エリンを殺したァアアアアアアアア!!」
ム?…
そのエリンが誰だかは知らないが、ベッケルの涙ながらの訴えはアルクの心に届いた ―――
ついでにギーヴとガランは道中こんな事がありました報告を貴賓席のアバンテ様にチクッている
嫁か馬か、と問われれば、内心で馬と答えつつ口では嫁と言うのがヴァンの民である
ギーヴとガランの訴えは、アバンテの心を動かした ―――
席を立ち、手拍子を打ちながら声を上げるアバンテ
「ア・ル・ク!!ア・ル・ク!!」
これにメル様も続き、次第に声は観客全体へと広がっていった
「ア・ル・ク!!ア・ル・ク!!」
なんかメッチャ応援されているアルク、やる気が漲り、右の必殺ブローが出せるまでに回復した
完全アウェーのゴルド、状況も相まって処刑用BGMを聞いているような気分である
「…あの握手の時か…もう治ったぞ…」
一瞬ギクリとしたゴルドだが、今更であり開き直った
「やられる方が甘いんだ…ハァ…勝つのは…俺だ」
残された力を振り絞り、アルクに飛びかかるゴルド ―――
それに応じて低く構えたアルク、左手でゴルドの手を払いつつ、溜めた右のフィニッシュブローを打ち抜いた ―――
「S・S・S・B!!」
スローモーションで見てみよう
まずゴルドの顎が変形していき、砕け始めるのが分かる
それから全体重を乗せた拳の衝撃がゴルドの体に伝わっていき、ゴルドはゆっくりと飛んでいく
アルクは打ち抜いた拳を高々と掲げ、ゴルドは吹っ飛ばされてロープに絡まって気絶した ―――
「「ワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」」
「勝者、アルク!!」
そんな審判バゲンの宣言は、歓声にかき消されていった ―――
なんか食べて寝よう




