アルクの危機!動き出した悪魔達!その10
お疲れ様でございます
確かこの間まで27℃とかあったはずなんですが、もう冬ですか
寒いのはイヤなんですが、一つ良い事があります
この時期はおさかなが美味しくなるんです
鍋とかで温かくするのがお薦めです
さておき、本日のキララ、どうぞ
そして宴は始まり、会場ではヴァンの馬乳酒が振る舞われた ―――
「それでは、カザロフの友、ヴァンとの国交を祝して!そして、その主であるアバンテ殿の来訪を祝して!乾杯!!」
「「乾杯!!」」
アスモデウスの音頭で会場の皆は酒を掲げ、近くの者と木製のコップを合わせてはヴァンの酒に酔い痴れた
カザロフにはまだ十分な穀物や醸造技術者が足りない為、お酒なんて滅多に飲めないのである
そのうちワイワイと騒ぎ出した会場を眺めながら、ポツリとアバンテが語り始めた
「…良いものだな、アスモデウス殿…こうしてただ平和な時間があるというものは…」
「同感じゃ。ワシはずっとこのまま、皆が幸せに暮らしていける国にしたいと思っておる」
「共に参ろうぞ、アスモデウス殿。ヴァンも同じ道を歩んで行きたい」
それからアスモデウスとアバンテは、飲みながら己の思い描く国の夢を語り合った ―――
そして夜が明けて翌日、まずヴァンの勇士ゴルドが到着した
「お呼びとあって馳せ参じました、アバンテ様。他の者達と同行していたのですが、気がついたら置いてきてしまったようです」
「ウム、遠路ご苦労であった。まずは試合に備えて体を休めてくれ。お前の部屋に案内させよう」
メルの侍女、イリーナがゴルドを部屋へと案内し、扉を開いたところでゴルドがイリーナの肩を掴んだ
「メル様の部屋はどちらだ?休む前に挨拶をしておきたいのだが」
邪悪 ―――
声色と顔からイリーナが感じたものは、それであった
こんな男にメル様を会わせる訳にはいかない
「…さあ…先程までアバンテ様やアスモデウス様とご一緒なされていたようですが…お部屋の方は私も存じ上げません…では失礼」
そう言ってそそくさと立ち去ろうとしたイリーナの服を、グイッとゴルドが掴んだ ―――
「俺を舐めるなよ?…お前はメル様付きの侍女だろう?…知らぬはずがない。話しておいた方が身の為だぞ」
「…放してください。人を呼びますよ?」
「呼んでみるがいい。呼べるものならな」
ウッ!!…
ゴルドは一瞬でイリーナの手を後ろに捻じり上げ、耳元でそう囁いた
恐らく、声を上げようとした瞬間に口を塞がれるだろう
助けを求め、辺りを見回すイリーナ ―――
「言え!メルはどこだ?」
ゴルドの手が突き上げるようにイリーナの手をもう一度捩じ上げた時、その男アルクは現れた ―――
「何やってるんだお前…その人を放せ…」
アルクは躊躇なく剣を抜いて、切っ先をゴルドへと向けた
「ここじゃ女性への乱暴は禁止だ。手を放さないならカザロフとは敵対した者と見做す」
「おっと、そんなつもりじゃないんだ」
パッとゴルドが手を放した瞬間、イリーナはアルクに駆け寄って背後に隠れた
「…メル様はここに居て無事か?それを聞きたかっただけなんだが、この女が答えなかったもんでな…」
「ああ、ここに居るよ…何事も無くな」
そのまましばらく睨み合うアルクとゴルド ―――
「とりあえずその剣を収めてくれないか?俺もこんな所で問題を起こす気は無いんだ」
「なら、こんな所でそんな真似はもうしない事だ。剣を抜くのは俺だけじゃない。ここの全員だ」
剣を収めたアルクはイリーナを連れ、交代で不眠の番をしているカザロフ警備兵の駐屯所へと送った
「ここならもう安心ですよ。気分が落ち着かれるまで、お茶の一杯でもどうぞ。アイツの部屋には見張りをつけておきました。妙な真似をすれば兵士が駆けつけます」
「…ありがとうございます…あ、メル様と私が野盗に襲われた時に救って下さった方がいるのです…その方にお礼を申し上げたいのですが、どなたか存じ上げませんでしょうか?」
「ああ、私です。カザロフ兵団副団長、アルクと申します。お礼など結構です。むしろ領内でそんな目に遭わせてしまった事を申し訳なく思います」
コトリ、とイリーナの前にお茶を置き、目を伏せるアルク ―――
お茶をすすりながらポッと頬を染め、こっそりとアルクを見上げるイリーナ ―――
そういえば、声に聞き覚えがあります…貴方だったんですね…
なんだかまた嫌な予感がし始めたアルク ―――
またもや、惚れられてしまったのである
現在彼には、女難の相が出ている
そうこうしている間に、ヴァンの三人の勇士達もカザロフへと近づいていた ―――
この時期は体調を崩される方が多い模様です
皆様はどうかお気をつけて




