閑話休題!精霊界の日常!その2
お疲れ様でございます
なんか最近、体調崩したとかいった話が多いです
急に冷え始めたって事なんでしょうね
皆様はどうぞ、お気をつけて
それでは本日のキララ、どうぞ
ヴーーーン…
開いていたゲートが閉じてゆき、三人の精霊が姿を現す ―――
「おや、疾風殿」
「!」
玄関の外で黙々と銀杏の殻を割っていた益光だが、背後からヌッと出て来られた動揺を隠す事は出来なかった
要するにビックリしてしまった
「今日って紅葉を見に行く日だよね。それでこの子達を連れて来たんだ。今、何してるんだい?」
「ああ、これは銀杏の殻を割っているのでござる…これで炊き込みご飯を作って、弁当にしようかと」
「へえ…」
眺めていると、小さい金槌でカチカチと叩いて割っては丁寧に中の実を取り出している
ウン…これって多分絶対、めんどくさいヤツだよね…
「(手伝ってあげて、ウンディーネ」
「(はい、イシュヴァルド様」
そんな脳内会話を経た次の瞬間、残り全ての銀杏の殻に送り込まれた水は、その水圧により同時に全ての銀杏を内側から割った ―――
「!」
益光、本日二度目の動揺 ―――
「それはみんなで実を集めよう?一人でやるより早いよ。ところでホロンをソフィに会わせてあげたいんだけど、上がっても良いかい?」
「ご遠慮なく…ソフィも会いたがっておりました…」
玄関がガラガラっと開き、そこからソフィを探して中を覗き込むホロン
少しすると、その音に反応してソフィがトテトテと出て来た
二人が顔を合わせること数秒…
ホロンだ…!
ソフィ…!
徐々に満面の笑みとなった二人は、どちらともなく駆け出した
ダァッ!! ―――
会心のソフィダイブ&ホロンダイブ ―――
空中でドシーンと当たって互いを抱き締め、着地
それから二人は両手を取ってはしゃぎ出した
「会いたかったんだよ、ホロン!待ってたんだから!」
「私も!ソフィ!あなたが欲しかったの!」
ウン…その言い回しはちょっと大人に誤解を与えるから止めておいた方が良いね…
後で教えておかないと…
精霊界にはやんちゃ坊主とか気を遣ってあげないといけない子とか、色々いるのでイシュヴァルドには気苦労が絶えなかったりする
ドタドタと子供達がソフィの部屋に走って行った後、益光やイシュヴァルド達は割れた銀杏を集めて台所に向かい、そこで中の実を取り出し始めた
「!?」
洗濯物をしまってたたみ、台所に戻った氷雨はテーブルに座って黙々と銀杏の実を取り出しているイシュヴァルドとウンディーネを目にして動揺を隠す事が出来なかった
なんか半透明で向こう側が見える人がいる…
「(やあ、私の名はイシュヴァルド。ホロンの保護者だ」
「!?」
直接脳内に語りかけて来たイシュヴァルドに、再び氷雨に動揺、走る ―――
「(私は水の精霊、ウンディーネと申します…本日はイシュヴァルド様とホロンのお供として参りました…どうぞよろしく…」
「…」
なんかウチに来るお客さんが、人間じゃなくなり始めた…
「どうもはじめまして、家内の氷雨と申します…あの、そんな事は私どもが…」
「(いいっていいって。みんなでやった方が早いよ?一緒にやろう」
なんか気さくな人だった…
とりあえずテーブルに座り、一緒に銀杏の実を取り出し始める氷雨
しばらくすると炊き込みご飯の仕込みが終わり、氷雨は他のおかずの料理を始めた
少し離れた部屋からは、ドタドタと駆け回る足音とキャー!という歓声が聞こえる
現在、ソフィとホロンはクッションを両手で掴んでボスボスと殴り合ったり追いかけっこをしてたりする
「…良いもんだね…料理の匂いと、子供達のはしゃぐ声と…」
「…今の拙者を活かしてくれるものでござる…」
「このままが続いたら良いね…希望だよ。人を活かすものは、希望だ。大事にするといい」
そんなふうに益光とイシュヴァルドがお茶をすすりながら話していると、段々あっちの部屋の奇声が大きくなり始めた
関係ないカラスとか漢字の書き取りをしていたゾルとかを巻き込み、現在クッション殴り大会は盛況を極めているところである
「さあみんな、そろそろ紅葉を見に行くよ?」
「「ハーイ!」」
もうちょっと遊んでいたかったソフィ達だったが、今回の決戦はお預けの模様である
みんなのお弁当を背負った益光、外行きの服に着替えた氷雨とみんなで集まったところで、イシュヴァルドは氷雨の額にピトッと人差し指を当てた
「じゃあ氷雨さん、行きたい所をイメージしてみて?」
言われて氷雨が目を閉じた瞬間、その紅葉の山へのゲートが開いた
「わあ…!」
燃えるように真っ赤に色づいた紅葉 ―――
子供の頃、自分には届かない風景なのだと思っていた景色を今、氷雨は見上げている ―――
「フフ…お主もそんな顔をするのだな、氷雨よ…」
「そんなに見ないで下さい…お客様の前で恥ずかしい…」
「…ずっと見せてやりたかったのだ…愛しているぞ…」
こんな所でそんな事を言われてしまって、氷雨は固まって顔を真っ赤にしてしまった
少し涼しい風が吹く中、秋の山の彩りはどこまでも遠く続いていた ―――
ンー…
キツネも可愛いんだけど、飼えないんだよな…




