アルクの危機!動き出した悪魔達!その9
お疲れ様でございます
ちくしょうめ…!
ウチにはいないのに、可愛い子さんの黒猫を2匹も飼っているだと!?
もうお前の自慢動画なんて見たくない
ええ…ペットロスとか、彼氏・彼女ロスとか味わった人間はそうなるんです
今更ながら、初期キララの気持ちを味わってしまいました
さておき、本日のキララ、どうぞ
「…という訳で、俺このままだとヴァンに行く事になるかも知れません…でも俺ここが好きで、離れたくないんです…どうしたら良いんでしょう?」
え?…
宴が始まる少し前、アルクから相談を受けたポチ ―――
なにその流れ…
ていうかウチのアルク持ってかれたら困るんですけど…
「ンー…それって、カザロフvsヴァンの闘技大会で優勝しなきゃ良いだけの事なんじゃないかな。わざと負ける分には難しくないと思うよ」
「…ああ、なるほど。ですよね。ハハッ…なんか俺、気が動転してたみたいです」
「最初に負けちゃえよ。後はニルスやヤヌス、フィッツ達に任せとけばいい」
うーん…それってひょっとして、あいつらの誰かが勝ったらヴァンにドナドナされるっていうか、移籍する流れになっちゃうんでしょうか…
なんか仲間に罰ゲームを押し付けるみたいで、ちょっと悪い気がする…
あっ!…ニルスの優勝だけはダメだ…アイツがいないとポチさんが過労死してしまう…
色々悩んだ末、アルクは自分とニルスさえ優勝しなかったら良いじゃない、という結論に達した
「…俺、なんとか上手くやってみます。ありがとうございました」
「うん、んじゃ頑張ってね」
そうしてアルクは、選手達の控室へと向かって行った ―――
一方その頃、アスモデウスとアバンテは密室で談合していた
「どうしても、そちらのアルクを勝たせて妹の婿に迎えたいのだ、アスモデウス殿…メルの幸せと、二国の繋がりが賭かっておる…メルの望みは、そのアルクだ…」
「フム…話は分かった…だが、どうやって勝たせるんじゃ?」
「8人同時にリングに上がり、最後に立っていた者を勝者としたい。ヴァンの4人には俺からの命令で最初に潰し合わせる。実際は4対1になる。これならカザロフ側の勝ちも固いだろう。で、最後に立っている者はアルクであるよう仕向けて欲しい。頼めるか?」
「…ヴァンが勝たなくても良いのか?ワシらは手を組んだ仲とはいえ、民の心とはまた別じゃ。ヴァンが負けたとなれば、おぬしの沽券にも関わるじゃろう」
「それで良いのだ、アスモデウス殿よ。敗れはしても一番強い男はヴァンが手に入れた、という形さえあればこっちは十分だ」
「…分かった。あいつらと話してこよう」
――― 数分後、別室
出場選手達を集め、アスモデウス様は説明を始めた
「…という訳で、最後に立っておるのはアルクじゃ。よいな?」
これを聞いたアルク、石化 ―――
負ければ良いと思っていたら、その逃げ道を塞がれた
一生帰って来れない転勤を命じられたサラリーマン ―――
彼は今、そんな辞令を耳にした者達と同じ思いを噛みしめていた ―――
後日譚・サタン様
まだイライラしながら、早く純平を見つけて地上で力を蓄えないと、と焦っています
もう誰が味方で誰が敵か分からない ―――
そんな彼の不安を和らげてくれるのは、エリゴール城に行った時に見つけた一匹の亀です
水槽の中を、ゆっくり泳いでエサを食む ―――
聞いておくれ、アロエリーナ…
彼が心の平穏を取り戻すのは、こんな時間だけです




