アルクの危機!動き出した悪魔達!その8
お疲れ様でございます
なんでこんなに癒されるんだろう?…
おっさんが森の中でシェルターを作って、犬と一緒にキャンプしているだけの動画 ―――
ウン…
焚き火でベーコンエッグって、いいよね…
でっかいワンコ抱き締めながら寝るとか、幸せそう…
Youtube見てると、こうして過ごす時間もアリだったんじゃないかなー、って動画が流れてきます
さておき、本日のキララ、どうぞ
「そろそろカザロフに入る…ヴァンの野盗だと思われないように、誰かに見つかったら慎重にな」
夜明けの少し前、外套を畳んで馬の鞍に括るベッケル ―――
「面倒を起こしに来たんじゃない。その位は分かっている」
ギーヴは話をしながら馬の蹄を確認し、問題無いと分かるとその背に飛び乗った ―――
「逆に相手が野盗だった場合はどうするのだ?」
既に夜営の片づけを終え、同じく馬に乗ったガランが問う ―――
「流石に殺したんじゃマズい。普段は地元の住民かも知れないしな。適当に脅してさっさと逃げるぞ」
「フッ…ゴルドが先に行ってるんだ。やられてるとしたらアイツだろうよ」
含み笑いをしながらタバコに火を着け、ギーヴは駆け出した
まだ夜明け前の薄明りの中、この三人が馬を飛ばして来るであろう事 ―――
そしてまだ明るくなりきっていない間に通るであろう地点をゴルドは読んでいた ―――
バコン!!
突如大きな音がして、馬から前に投げ出された瞬間、ベッケルの思考は固まった ―――
これはエリン…
今日からお前の馬だ…
少年の頃に父からそう告げて与えられた日から、ずっと大事に育ててきた馬である
その愛馬の前脚が今、穴に落ちて折れた ―――
――― ここで殺していくしかない
地面に転がってもがくエリンの前脚を確認した後、ベッケルは静かにその覚悟を決めた
脚が折れたままここに置いていったのでは、いずれ飢えて死ぬか、生きたまま野獣に食われて死ぬかだ
どちらにしても苦しむ
すまないエリン…
俺の力じゃお前を運んでやれないんだ…
「…穴の中から葉っぱが見つかった…これは落とし穴だ。ゴルドの野郎の仕業だろう…」
忌々しい、といった声色で、タバコを捨てたギーヴが短剣を取り出す
「どけ、ベッケル。お前にはコイツは殺れないだろう。俺がやってやる」
「いや、俺がやる…俺がエリンにしてやれる、最後のことだ…」
そう呟くとベッケルは短剣を取り出し、エリンの頸動脈を貫いた ―――
「…で、お前はどうするんだ?俺としちゃお前がいない方が都合が良いんだがな」
「カザロフに行ってエリンの仇を取りたい…乗せていって貰えないか?」
「…俺も正直ムカついている…もし俺がメル様と結ばれる事になっても邪魔しないと誓うか?」
「それで構わない…ゴルドの奴さえ始末できれば、そこで俺は控えよう…」
「後ろに乗れ。連れて行ってやる」
クイッを顎を引いたギーヴにコクリと頷いて応じ、馬の後ろに飛び乗るベッケル
「ギーヴ、慎重に進もう。まだ穴が無いとも限らぬぞ」
「そうだな、ガラン。走るのは陽が昇って、穴が見えるようになってからだ」
まだ夜も明けきらぬ荒野の中、三人はゆっくりと歩を進め始めた ―――
ゴルドの行いは、結果として一人のライバルを減らした
だがそれと引き替えに、三人からの怒りを買った
運命の天秤は、左右に振れる ―――
正しい者にも、そうでない者にも ―――
ねむい…




