暗躍する影!世界を守れ、アスモデウス!その35
お疲れ様でございます
もう10月ですか
セミの声は聞こえなくなりましたが
高々数週間の命、彼等は幸せだったのでしょうか
さておき、本日のキララ、どうぞ
道行く人々 ―――
建物の影 ―――
それらに移り、潜みながら、シャドウストーカー隊はサタン城の門まで進んでいった
門兵がいるな…
という事はサタンも中にいるのか?…
もう既に、隊員達はお互い誰がどこにいるかは分からない
あとは単独行動である
ダリは言った通り城内に侵入し、左側からの探索を始めた ―――
おかしい…
サタンがいるなら、サタンに仕える者達が大勢いるはずだ…
ガラガラじゃないか…
城内を探索しつつ、その見取り図を描いてゆくダリ ―――
左側はこんなもんだろう…
次は中央だ…
そうして中央側へと向かい始めた時、後ろから何やら声がした
「…小ネズミ共が…誰の命で城内を探っているのか、吐いて貰うぞ…」
「ウッ!」
影の中にいたザムダが捕えられ、その腕を捩じ上げられる
シャドウデーモン ―――
シャドウストーカーと同じく影に潜む能力を持ち、近くの影にいる存在を探知できる
彼の仕事は影に潜む不審者を捕える事であり、先に10年分のお給料を貰っちゃったのでサタンがいなくても仕事を続けていた
影の中に潜んだまま、辺りの様子を探るダリ ―――
どうやらコイツだけらしい
「…何者だ…」
「…それはこっちのセリフだ…この女の命が惜しければ出て来い…」
潜んでいた影から姿を現すダリ ―――
同じくシャドウデーモンとザムダが姿を現す ―――
「…じゃあ一つずつ聞いていこうか…お前達は誰の手先だ…」
シャドウデーモンとは、デーモンなだけに完全に悪魔である
大体2m位の身長、ヤギの角と下半身、体格はプロレスラー ―――
ダリはシャドウデーモンと対峙しながら、この場をどう切り抜けるかを考え続けていた
「…俺達はベルゼブブ様に仕えている…最近サタン様がいなくなったという噂を耳にしてな…それを確かめに来た…」
「…ほう…その情報は確認する事も、外に漏らす事も許さん…他に仲間はいるのか?…」
このままではマズい…
ダリがそう感じ始めた時、ザムダのナイフが後方で腕を捩じ上げているシャドウデーモンの目を突いた ―――
「グワッ!!」
「今だ!逃げるよ!!」
一瞬、怯んだシャドウデーモンがザムダの手を離す
血を流す片目を押さえながら、走って行くザムダを睨むシャドウデーモン ―――
話はそっちの小僧から聞くとしよう…
お前は死ね…
片目ながらも、シャドウデーモンが放った投げナイフは正確であった
骨に弾かれぬよう、左の腹を狙う
深々と突き刺さったナイフは貫通し、ザムダは数歩歩いて倒れた ―――
ああっ、ザムダーーーーーー!!
ダリは走った ―――
すぐさまザムダを抱えると、影の中を飛びながら逃げた ―――
「…逃がさんぞ、貴様ら…」
シャドウデーモンが次のナイフを構えたところで、ポケットの中の砂を後方に撒くダリ ―――
コイツはアキラから教わった手である
「ウッ!」
シャドウデーモンが怯んだ隙に、ダリはザムダを抱えて影の中を飛んでさらに逃げた
目が見えるようになった頃には、二人の気配は消えていた
「いるかお前ら!!撤収だ!!」
先に中央部までの調査を終えて影の中に潜んでいたザムとゾル ―――
血相を変えたダリと腹にナイフがブッ刺さっているザムダを見るや、今すぐ逃げなければならないという事を察した
ザムがザムダを受け取り、ダリはアキラん家へのゲートを開く ―――
ヴーーーン、という音と共にゲートが開き、シャドウストーカー隊が次々と駆け込んでゆく
シャドウデーモンが追いついた時には、一足遅かった
「…クソッ…逃がしたか…」
血が流れる目を押さえ、包帯を巻きに戻るシャドウデーモン
その間にシャドウストーカー隊はアキラん家に着いていた
「アキラーーーーーーー!!!治療ーーーーーーー!!!」
えっ…なあに?…
家の中のお掃除をしていたアキラは、声がした方へと駆けつけた
「ザムダを!ザムダを助けてくれ!!」
「分かった。ナイフを抜くぞ」
ズプッと音を立てて引き抜かれる、大型のナイフ ―――
続けてアキラの蘇生の杖により、ザムダの顔は生気を取り戻し始めた
心配そうに隊員達が見守る中、アキラがかざした蘇生の杖でザムダは息を吹き返した
ゆっくりと目を開け、隊員達の方を見るザムダ ―――
「…アタシは?…」
その声を聞いた隊員達は、一斉にホッとした
「良し、あとはしばらく寝ていれば問題無いだろう。何があったんだ?」
「…その話は後だ…俺達はまずエリゴール様に報告しなきゃならない…ザムダを頼む…」
そう告げると、カザロフへのゲートを開けて入ってゆくダリ ―――
続けてゲートを潜ろうとしたザムの足がふと止まった
「…アキラ…これは妹の命の礼だ…貰っておいてくれ…」
ン?…
渡された物は、永遠のネックレスであった
「なあにこれ?」
「マジでレアもんだぞ?説明は後だ。じゃあ行って来る」
ゲートを潜り、エリゴールへと報告に向かう3人 ―――
城内の状況の説明を終え、エリゴールへとゲートリングを返すと隊員達は小屋へと戻って行った
「…この先どうなるんだろうな?…」
お布団で横になり、天井を見上げているダリ ―――
「…分かんねえよそんなもん…なるようになるだけだ…」
ザムはタバコに火を着け、同じく天井を見上げた ―――
いつかは自分も死ぬのだろう…
その時、満足して死ねるのだろうか?…
そんな事を思いながら、ザムは眠りに就いた ―――
お腹いたいね…
ちょっとトイレ入って来ます




