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暗躍する影!世界を守れ、アスモデウス!その15

お疲れ様でございます


なんかツクツクボーシが必死に鳴いています


あれって多分、アブラゼミと繁殖の時期をずらす事で鳴き声が届く可能性を高めているんでしょうね


素数の周期で生まれて来るセミもあり、彼等の生存戦略は中々優秀な模様です


それでは本日のキララ、どうぞ

「…まず話を整理しよう…あの純平はソフィとアキラを知っている、隊長はタマルを養うと言っている…」


「…その純平を見張っていればソフィとアキラが見つかる、って訳か…」


「…そうだ…隊長はどうやらあの女と一緒に居たいらしい…もう隊に戻る気はないんだろう…」



それを聞いた隊員達の間に、一瞬沈黙が流れる ―――



「…話してみようよ…あの女とここで暮らすんだったら、もうゲートリングなんて要らないだろ?…リングを貰って、隊長は諦めて、任務が終わったら私達だけで帰ろう…」


「…話すのはダメだ…考えてみろ…隊長は俺達がゲートを開けなくて困っている事は分かっている…まだ俺達の仲間のつもりだったら、せめてリングを渡す為に俺達を探して、マークの場所に来ていたはずだ…」


タバコの煙を大きく一つ吹き、ザムが重い口を開く ―――


「…裏切った、ってことだな?…」


「…俺はそう思っている…まだこっちが隊長を見つけた事は知られていない…放っておけばこのままあの部屋で暮らしているだろう…ソフィとアキラを捕まえたら、隊長が寝ている間にリングを盗んでゲートを開き、俺達は帰る…それでどうだ?…」


「…ダリさん、純平はアキラにゲートを開いて貰う、って言ってました…リングはもう一つあるんじゃ…」


「…アキラを捕まえたら帰り道も確保できるかも知れないな…アキラ優先で見張ろう…」



その後も話し合いは続き、隊の方針は固まった ―――



まず純平を見張り、アキラの居所を見つけ出して拉致る


同時進行でソフィも探し、そっちも拉致る


アキラからリングが手に入らなかった場合は寝ている隊長からリングを盗み、帰還する



「…まずはアキラから探すぞ…純平を見張ろう…」


「…俺が行きます、ダリさん…」


「…よし、任せたゾル…」



ゾルが見張ること数時間、大型バイクのエンジン音を鳴らしてアキラが純平の部屋を訪れた ―――



「よう純平。ヒマか?」


「アキラさん!…また今日は何ですか?」


「いや、たまにはコイツに乗ってやらないと調子が悪くなるんでな。その辺流すついでに来ただけだ。ホレ、お土産だ」


ひょいっと渡した袋の中には、一匹のシャケが入っていた


ちょっとアラスカに行って釣って来たのである



「ウチだけじゃ食べきれないから、はっちゃんとこにも持って行こうかと思ってる。お前も一緒にどうだ?」


「疾風さん家ですか…じゃあ俺も行きます。あ、ちょっと待って下さい」


一度部屋に戻った純平は冷蔵庫にシャケをしまい、ソフィが喜びそうだと思って買っておいた16色のクレヨンを持って来た


「お待たせしました」


アキラに半ヘルを渡され、後ろに乗る純平


ドルン!とバイクのエンジンを掛け、道に出るアキラ


「ここからだと結構距離ありますけど、高速乗るんですか?」


「いや、そんなに走る気はない。ゲートを使うぞ」



ゲートを使うと言った! ―――



やはりこの男は、ゲートリングを持っている…


影の中に潜み、そのやり取りを聞いていたゾルは、その確信に至った



大型バイクで走り出し、ゲートに突っ込んでいくアキラと純平 ―――


ゾルはその影に潜み、二人に着いて行った



ブォン! ―――



ゲートから現れた、唸りを上げるバイクが2mほどの高さからズシャっと峠道に着地し、数分で益光ん家に向かうルートに入った


「アキラさん、今の運転荒くないっスか?」


「いや、仕方ないんだ。ゲートを抜けた先に車がいたら事故るだろ?こうやって少し高い所に出ればまだなんとかなる」


安全運転とは一体? ―――


そんな事を純平が考え始めたところで、バイクは益光ん家に着いた



コン、コン…



「はっちゃん、いるー?」


奥の部屋でろくろを回し、壺を作っていた益光は手がドロまみれなので出られなかった


代わりに出て来た氷雨 ―――


「…はい?」


「シャケ」


ニカッと笑い、お土産のシャケを両手にぶら下げるアキラ ―――


「これはっちゃんにお土産。捌きたいんだけど、台所借りてもいい?」


「…どうぞ…」


台所を借りたアキラは、早速シャケを捌き始めた



その間、なにやら音がする部屋へ向かった純平 ―――


「ソフィちゃん?」


部屋を開けてみると、ソフィがYoutubeの音楽に合わせてヴァイオリンを弾いていた


「ン?」


ふすまが開いたのに気づき、演奏を止めて純平の方を向くソフィ ―――


「ハイこれ。ソフィちゃんに」


一緒に持って来た画用紙と共にクレヨンを渡すと、クレヨンの箱をパカッと開いた


「…」


とりあえず赤を持ち、グルグルと太陽を描き始めるソフィ


何かが気に入らなかったらしく、眉をひそめて次の画用紙と無言で向き合い始めた


一人の画伯が誕生した瞬間である



あれがソフィか…ダークエルフだな…


次はここの正確な位置だ…


影の中に潜んだまま、玄関まで移動するゾル ―――


置いてあった郵便物を見ながら、その文字を書き写し始めた


文字自体は分からないが、それが位置情報だという事は空き家にあった本から学んでいる



「…よし、こんなもんだろう。イクラは明日まで冷蔵庫で寝かせておいてくれ。明日はイクラ丼にするといい」


シャケを捌き、イクラを丁寧にほぐして仕込みを終えたアキラ ―――


「…はい…きっとソフィも喜びます…あ、片付けくらいは私が…」


たわしとまな板を掴んでワシャワシャと洗い始めたアキラを制し、自分が台所に立つ氷雨


「…すまんなアキラ…」


「よう、はっちゃん。お土産だ。みんなで食ってくれ」


仕事を終え、いつの間にか後ろに立っていた益光


酒を勧められたアキラであるが、運転があるのでお断りした



「じゃあな。また今度みんなでゆっくり飲もう」


「…ウム…またな、アキラよ…」


仕事のせいであんまりアキラと絡めなくて残念そうな益光を置いて、後ろに乗せた純平と共に帰って行くアキラ ―――


それに着いて行ったゾルは、今度は空き家の方へと向かっていった



「…ソフィの居場所が分かりました…」


帰り着いたゾルの声に、一斉に隊員達が顔を向ける ―――



隊員達に、希望の光が見えた瞬間であった ―――

ウン…


まだ咳が止まらないね…

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