抗(あらが)え!人類の味方エリゴール! その23
お疲れ様でございます
ネコの肉球 ―――
ずっと触っていたいのですが、今の通い猫は嫌がります
爪を立てて、バシッと叩かれます
ウン…
いいのよ?…
いつかお前にも隙が出来るだろう
その時私は、動く
それでは本日のキララ、どうぞ
「信じられん…これは奇跡か…?」
荒れ果てた大地は、シロツメクサが咲く農地へと変わっていた ―――
「これが作物の種だ。春になったら捲くが良い」
ヒエ、ソルガム、ミレット、トウモロコシその他、
こんだけありゃどれか当たるだろう的なチョイスでアキラが世界各地から仕入れて来た種である
次々と種の麻袋が運ばれて行く中、族長のバゲンはエリゴールの手を取って頭を下げた ―――
「…我々は一体、このご恩にどう報いれば良いのでしょう?…」
涙ながらに、バゲンは何度も頭を下げた
「アスモデウス様と共に在れ…さすれば繁栄を約束しよう」
バッっとマントを翻し、アキラと共にゲートを潜って帰って行くエリゴール ―――
ウン…
実質働いたのって、ほぼほぼ俺だよね…
そこんとこちょっと納得いかなかったアキラであるが、感謝されているのはどうやらアスモデウスとエリゴールらしい
まあいいか…
あんまり気にしない男、アキラは3歩歩いてその事実を忘れた ―――
「…という訳で、族長のバゲンとは良好な関係を築く事に成功しました」
「ウム…こっち側に着いたんじゃな?あとは連中が尻尾を出すのを待つだけじゃ」
一方、こちらはバルニア城 ―――
まだアスモデウスは諸侯を把握するには至っていない筈だ…
あちらは2万そこそこ、こちらはいくら死んでも構わない兵が20万…
勝ったな…
戦支度を整え、城から出るヴェッサーチ ―――
「では往くぞ!者共!目指すはアスモデウス城!ヤツの首を獲った者には金貨百枚だ!」
威勢良く馬で駆け出し、先陣を切ったヴェッサーチだが、なんだか兵が着いて来ない
「どうしたお前達!進軍だ!」
「一人で行けよ」
え?…
「…な、何を申すのだお前達…?この戦に勝てば食料が手に入るんだぞ?この冬飢えても良いのか…」
「いや、飢える事はあるまい…領主、ヴェッサーチだな?」
ハッ…この声は…?
恐る恐る振り返るヴェッサーチ
そこに居たのはアスモデウスが右腕、エリゴールであった ―――
「や、やあエリゴール殿、本日はお日柄も良く」
「聞いていたぞ?これからどこに進軍するのだ?」
「アスモデウス城です。そいつ一人で行くそうです」
「…な…おま…」
「ほう。ここから城への道中は何日もある。手っ取り早く、ここでお相手するとしよう」
最早ここまでか…クソッ!…
ヤケクソになって馬を駆り、向かってきたヴェッサーチをエリゴールの鞭がしばきまくる ―――
ゲートを開き、気絶して落馬したヴェッサーチを持って帰ろうとするエリゴール
「こいつからは色々聞いておかんとな。では皆の衆、本日は解散」
ハーイ ―――
「あ、ちょっと待て。ついでにそこの城から略奪していくと良い。暮らしの足しになる」
「なるほど、そうするとしましょう。では、ご挨拶は改めて。行くぞ、皆の者」
族長バゲンも、山賊として長く勤めた男である
こういうのは得意だったりする
ヴェッサーチの城からは目ぼしい物が取り尽くされ、その日の晩バゲン達は祝いの酒に酔っては踊った ―――
「…といった次第で、東部の反乱は未然に防ぐ事に成功しました」
「お疲れじゃったな、エリゴールよ。やはり持つべきものは有能な部下じゃな」
「いえ、私如きがそんな…」
謙遜しつつも、内心ではもっと褒めてと思っているエリゴール
「では、皆で一緒にラーメンでも食いに行くとしようか。仕事上がりの一杯じゃ」
ラーメン ―――
「おぬしの妻も呼べ。ワシの妻達も呼んで来よう…家族ぐるみで付き合おうではないか」
「はい。ではご一緒させて頂きます」
その後エリゴールお薦めの台湾ラーメンの店に入った一行は、バチクソ辛いのを平気で食べながら歓談をして過ごした ―――
後日譚・その1
ブーフのお店は、相変わらず大繁盛です
シューラ―さんはカットの技術を覚え始め、エンディちゃんは町の少年に告白とかされちゃったりしています
ちなみにエンディちゃんの容姿は大体13歳くらい、天然パーマの金髪をツインテールに縛った、ちょっと勝気な女の子です




