抗(あらが)え!人類の味方エリゴール! その20
お疲れ様でございます
お外、無駄に暑いですね…
部屋から出たくないんですが、用事があるので出掛けて来ます
それでは本日のキララ、どうぞ
「じゃあ頑張ってね!パパ、ジェダ、おじさん!」
ゲートを開き、仕事しに行く3人に笑顔で手を振るソフィ ―――
私だけ名前呼びじゃない…
そこんとこで軽く傷ついた佐藤さん
どうやらあんまりソフィに好かれてはいなかったらしい
子供とは正直であるが故、天使であると同時に残酷だったりする
まず向かったのは、バルニア領 ―――
身隠しのマントを羽織った益光が開いていたバルコニーから侵入し、どうやらコイツが一番偉そう、といった男の写真を一枚パシャる
外に出て佐藤さんに見せたところ、それがターゲットのヴェッサーチであった
「良し、次々行くぞ。ジェダよ、ここの景色をよく覚えておけ。ここにゲートを開く時に必要になる」
「はい!」
それから周辺諸国を巡り、数々の諸侯と現地の写真をパシャッて来た益光達一行 ―――
各諸侯と各地の2枚ずつをプリントアウトし、現在はソフィとジェダでその写真を使ってトランプ代わりに神経衰弱をしている
表面に書いた諸侯と現地のマークが揃えば、点数が倍になるというシステムである
「…つぎの勝負だ、ジェダよ…わたしは明日のおやつの、このポイフルを賭けよう…」
「…良いでしょう、ソフィ様…私は拾ってきたこの銀貨を賭けます…」
100円玉である
勝負は成立し、写真をめくっては合ったカードを手元に寄せる二人 ―――
だがその差は徐々に開き始めた
そう、カラスの方が、幼女よりも記憶力が高かったのである
敗北を悟ったソフィの目には、徐々に涙が溜まり始めた
ウッ!…このままではいけない…
ソフィ様を泣かせるなんて、俺が絶対にやっちゃいけない事だ…
その時ジェダが覚えた行動 ―――
接待プレイ ―――
クイッ、クイッ、と頭を傾げながら、あれー、どこだったっけかな感を出しながら間違った写真を開く
「カァーーー!」
やっちまった、といった声を上げるジェダと、これとこれ、と、次々札を取っていくソフィ ―――
終わってみると勝負は2点差でソフィの勝ちであった
「えっへっへー!私の勝ちね。もう1回やる?ジェダ」
「俺もう賭ける物なんて無いですよ…今日はもうここまでにしておいて、一緒にニトフリでも観ませんか?」
そういえば今日は、新しいアニメ映画の解禁日である
思い出したソフィは居間のPCをコンセントごと持って行き、ジェダと一緒にお布団に入った
お目当ての映画をクリックして開くと、物語の中盤辺りでソフィはスヤスヤと寝始めてしまった
これどうしよう…
寝かせておいた方が良いような…起こした方が良いような…どっちだ?…
ジェダが迷っていると、そっとソフィに捕まって引き寄せられた
「ンニャ…ジェダ…」
ソフィの寝言を聞きながら抱き締められたジェダ ―――
ソフィ様の頭と腕が邪魔で映画の続きは観れなかったが、そんな事などジェダにはどうでも良かった
俺は、この人に愛して貰っている ―――
その事を感じながら、カラスのジェダはソフィと共に眠りに落ちていった ―――
んじゃ行って来ます




