選べ!魔法中女プリティー☆彡キララ その3
「ええとね、それじゃなくて君の武器はこっちだよ」
普通ならドン引きの場面だが、グリは大して気にする様子もない
どうやってかは分からないが、空間から棒状の何かをニュッと出してキララに見せた
「これが魔法中女の武器、プリティー☆彡ステッキさ。ほら、持ってみて」
なん...だと...?
キララに戦慄、走る
これって、子供用じゃあないか
どピンクでフリフリじゃあないか
これで、殴れと?
だったら包丁の方がましじゃあないか
2回ほど、開きかけては口を閉じ、漸くキララは言葉を発した
「...ええと、これでどうやって戦えっていうの?」
「このプリティー☆彡ステッキを使って変身して戦うんだよ」
さっさと持て
グリの態度は、そう言わんばかりである
促されるままに、プリティー☆彡ステッキを手に取るキララ
グリは、満足そうにニッコリと微笑んだ
「じゃあ、ステッキを両手で握って魔法の呪文を唱えるよ?ぼくに続いて詠唱してね」
これは何の羞恥プレイだろうか?
わたしゃもう34歳だ
まさか、魔法の呪文を、この歳で唱えろと?
「いくよ?プリティー、プリティー、ルルルルル~、魔法中女にな~あれ~!!」
「...プ...うぅ...」
屈辱と羞恥に、悶絶するキララ
なんであたし、こんな目に遭わされているんだろう
ホントにその呪文じゃないとダメなのか
「もう、言わないならそれでも良いんだよ?他の人を探すから」
グリの目は冷たい
「ちょっ、と待ってください。心の準備をさせてください」
「じゃあいくよ?プリティー、プリティー、ルルルルル~、魔法中女にな~あれ~!!」
待たない。圧倒的に待たない
グリの声色にはイラッと感が含まれている
本当に、他の人を探すかも知れない
キララは覚悟を決めた
もう、どうにでもなれ
「プリティー、プリティー、ルルルルル~、魔法中女にな~あれ~!!!」
眩い光がステッキから溢れ出し、キララを包む
一人の魔法中女が、誕生した瞬間であった