抗(あらが)え!人類の味方エリゴール! その10
お疲れ様でございます
気がついたら、足の爪がやたら伸びていた現象 ―――
そんなに食い込む?
頑張って爪切りを入れようとしますが、中々入りません
やっぱり定期的に切らないとダメですね
そんなこんなですが、私は元気です
それでは本日のキララ、どうぞ
「…起きろ、ポチ…」
何回かエリゴールが声を掛けたが、スヤスヤと寝続けているポチ
よろしい、ならばプロレスだ ―――
エリゴール・クラッチ、通称スパイダークロス ―――
相手の左腕をキーロックの形に決め、膝と上半身で相手の胸を圧迫し、右足は相手の脚に絡める、といった必殺技である
エリゴールがグリグリと体を動かすほどに、左肘の関節は締まり、肺の空気は抜けてゆく ―――
「…えっ!?…グワーーーーーーーッ!!」
「おはようポチ。寝覚めはどうかね?」
「寝覚め!?ええ、痛くて苦しいです!ぶっちゃけ何しやがんだこの野郎って思ってます!」
フッフッフッ…
私は面白可愛いと思っているぞ?…
もう少しいじめてやるとしようか…
ツカツカと部屋に入って来て、ペーンとエリゴールの頭をはたく椿
「まったく、朝っぱらから何をしているのですか、あなた」
「すいませんでした…」
もうちょっと叱ってやって下さい、椿さん…
ポチの内心はこんな感じである
一方その頃、サタン城では異変が起きていた ―――
やはりといえばやはりの事、アスモデウスの決起は二名の諸侯にチクられていた
「…まことか?…」
「はい、サタン様。我々はその決起集会に参加し現場を見て参りました」
床屋ブーフにもみあげとヒゲを整えられながら、その話を聞いているサタン ―――
「…カマスとシスラーだったな?下がってよい…」
「ハッ!!」
「ブーフ、デミリーを呼んでくれ…」
「もう少しだけお待ちを、サタン様。こちらのおヒゲがまだ」
「今すぐだ!!」
「ヒッ!はい!」
バタバタと走り出し、デミリーを呼びに行くブーフ ―――
その間にもポケットの中に手を入れ、信号を送り始めている
To All ―――
カマス、シスラー、ケッキヲミッコク
To All ―――
カマス、シスラー、ケッキヲミッコク
「ブーフからだ…アスモデウス様の決起が密告されたそうです」
「まったくのう。疾風よ、カマスとシスラーの館から持って来た証拠はあるか?」
「…ある…その二人は相場の不正操作、奴隷の人攫いを働いている…」
ゴソゴソと鞄を漁り、証拠の帳面をアスモデウスに差し出す益光 ―――
「…フム…これがあれば勝てるな。愚か者共に一泡吹かせてくれるとしようか…しかし持つべきものは良い忍びよの?」
「フッ…褒めても何も出ぬぞ?…」
そう、保険としてアスモデウスは、その場に集まった諸侯の全てから何かしらの不正の証拠を集めさせていたのである
身隠しのマントを羽織った益光にとって、それはいとも容易い話であった
大体のお貴族様は、何かしらの不正を働いている
真面目にやっているとお金が出て行くばかりなのだ
「さて、カマスとシスラーか…裏切り者の二人には派手に死んで貰うとしようか…」
そう呟いたアスモデウスは、お布団をかぶって明日呼ばれるであろう裁判に備えた ―――
ンー…
でっかいコーラってやっぱり、飲んでるうちに炭酸が抜けちゃいますね




