参上!魔法中年ドリィーミィー☆彡プリン その5
全く以って、お待たせです
それでは、どうぞ
「…うん。きみの力を、貸してほしいんだ。世界を絶望で包もうとする、悪党達と戦ってほしい」
なんとか言えた
嚙みそうになったのなんて、いつ以来だろうか
「ほう…どんな敵なんでしょうか?」
アキラが、目の前のお茶を、スーッと横にどけた
お茶どころではない
その話を、もっと詳しく聞かせろ
そう、伝えているのだ
食いついてきた―――
ここで退くようなグリではない
彼を捕まえられたならば、大戦果だ
逃がさないよう、最大限のアピールをする
「君の事は大体知ってるよ。君が戦ってきた敵は人間だったけど、ぼくたちの敵は人間じゃない。もっと恐ろしい相手なんだ。子供の頃に特撮ヒーローとか見た事ある?あの怪人とか怪獣とか位の相手だよ」
なるほど、強敵か―――
俄かに、アキラの纏う空気が、変わり始める
コイツ、闘気を抑えていやがった―――
グリの引きつり方が、戦慄に変わり始めた
アキラが、狂おしい程に求めていたものだ
そしてこの瞬間までは、今までは諦めていた
ゆっくりと立ち上がり、ちゃぶ台を回ってグリの前に立つアキラ
軍人を辞め、故郷で病に伏した父の看病の為、日本に帰って来た
ここまで鍛え上げたのに
もう少しで、壁を超えられるような気がしていた
このまま、終わってしまうのか―――
俺は、武の道の極みに手が届かないまま
そんなアキラの救いが、今、目の前にいる
「私は、誰の喉を斬ればいいんでしょうか?」
うん
明日も用事があるので、ちょっと遅くなるかも知れません
ごめんね




