急げ!魔法中女 プリティー☆彡キララ
お待たせしました
本日のキララは、物語の導入にあたります
ない―――
ポケットの中にもない
バッグの中にもない
どこにあるか、記憶にもない
電車の中で、わさわさと、あちこちを手探る者がいる
グリは帰る前に、魔法中女から戻る方法をキララに伝えていた
プリティー☆彡ステッキを両手で持って、戻れと念じるだけである
魔法中女の姿で幸せな寝覚めを迎えたキララは、焦っていた
やっべえ、遅刻する―――
まずは変身を解除する
…なんだか世界がセピア色になってきた
それどころではない、急がねばならない
今日は大事な仕事が、控えているのだ
バタバタと支度を終え、部屋を飛び出して走り出すキララ
部屋の鍵がどうにかなってしまったのは、この時である
北浦和から、新橋へ―――
結局、鍵は見つからなかった
職場へ向かって歩きつつ、スマホを取り出して電話をかける
統括部長がハノイに飛ぶ為のチケットを手配する
そろそろ、航空会社に勤める大学の後輩がデスクに就く頃なのだ
「(…プルルルルル…プルルルルル… はい、キララ先輩ですか?」
よし、捕まえた
「あ、ショーコちゃん?今日のハノイ行きの便ってお願いできる?」
「(カチャカチャ… ええと、キャンセル待ちですね。今日じゃないとダメです?」
「今日じゃないとダメです」
何やら、溜め息が聞こえた
「…分かりました。空港行きの高速バスの運転手に下剤を盛らせます。3人くらいはキャンセル出ますから、チケット買って待っててください」
「ありがと~~~う!!流石ショーコちゃん、愛してるわ!」
「今回のは安くないですよ?」
「…フフ、花菱商事のインサイダー情報があるわ。儲けさせて ア・ゲ・ルw」
「ワーイww キララ先輩大好き~!!」
職権濫用
これだけやりたい放題やっているのに、彼女達に何の嫌疑もかからないのは、証拠を消すのが上手いからである
デューク13だったか、ゴルゴ東郷だったか、統括部長はそんな名前の男に依頼をする為、ハノイへと飛ぶ
こちらの男も、証拠を消すのが上手い。あと、目撃してしまった証人も、消す
会社のエレベーターに乗り、オフィスに着く
速攻でチケットを取り、統括部長へと連絡を入れる
バリバリのキャリアウーマン
そして、お局様
誰も、勝負を挑めない女
職場でのキララは、恐怖の女帝である
盛り上がるの、ここからだし(涙目
なんつって
またね ノシ




