飛べ!魔法中女プリティー☆彡キララ その11
お待たせしました
飛べ!だけで11話もやってしまいました
反省は、していません
「んんんんんんん…」
我が家よ、私は帰ってきた―――
まさか、一日で2回も走馬灯を味わう日が来るなんて、思ってなどいなかった
いや、それ以前に、自分が空を飛ぶなんて全く考えていなかった
ただ、絶望しか残されていない人生―――
まさか、心の余裕を、取り戻す日が来るとは
人生をやり直す機会が与えられるとは、思っていなかった
今、キララが目にする世界は、セピア色に色褪せた、それではない
華やかに彩られた、約束された世界だ
万感の想いと共に、中条寺キララ、ここに、帰投
「ただいまーーー!!」
アルミサッシを開けながら、溌剌とキララが声を上げる
「…今まで何やってたのさ?」
そう、あっという間に飛んで行き、キララはどこに行ったか分からなくなった
仕方がないので、グリはお留守番をしていたのだった
「あっ!いたんだグリ。ただいまー!」
そんなグリの気持ちなど、今のキララはお構いなしだ
なにしろ、今のキララは何も心配などしない。しないのだ
「あっ、気が利かなくてすみませんね。帰ってた方が良かったですかね」
今のグリに言える、精一杯の嫌味である
もっとも、こんなものが通用しないのは承知の上だ
「ごめんってば、もうw ホントごめん、草生えるwww」
煽ってんのか、このヤロー
初めてグリとキララの立場が逆転した瞬間であった
「で、もうこんな時間だけど?深夜2時半」
グリが目線で時計を指した
あっ。これもう寝たらアウトじゃん
起きる時に、目覚まし止めてまた寝て遅刻するヤツじゃん
「あー、これもう寝たらアウトなヤツだわ。グリ、朝までお話しよ?」
コーヒーでも淹れようと、キララは台所で支度を始めた
「ぼくは寝ておいた方が良いと思うけどね。きみが明日もお酒を飲む時間が欲しければの話だけど」
コーヒーの支度をするキララを眺めるグリの目は、ジト目である
「はい、寝ます。すぐに寝ます。グリ、朝起こしてくれる?」
「い・や・で・す!ぼくは一旦帰って仕事してこなきゃなの!」
グリをからかっている訳ではないのだが、なんか勝ってる気がする
嗚呼、私、この帽子が好き。今の人生が好き
中々興奮冷めやらず、お布団に入ってからも、喜びと興奮が遅々として収まらなかった
変身した姿のまま、いつしかキララは眠りに落ちた―――
ちなみにキララのパンツであるが、当然こちらにも、秘められた力がある
浄化作用
マッハで飛んだ際、恐怖のあまり失禁してしまったキララ
だが、しばらく飛んでいる間に、キララの知らぬ間に、パンツは浄化を完了していた
今のキララに、毒や放射能など効かない
このパンツを、履いているからだ
おションの臭いが、魔法中女から漂う
そんな事は、決して、起こり得ないのだ
本日は、ここまでです
明日もちゃんとUPします
ご期待ください




