表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

73/104

第25章──真の支配者Ⅰ

 (しん)()(はい)(しゃ)




 Ⅰ


「私もバカだった、最初からこうすればよかったのだ…」

「本当にコイツと一つに?」

「そうだ、コイツの力を手に入れてやる…ぐははは」蚣妖魎蛇(しょうようりょうじゃ)(うず)を巻く穴の中を(のぞ)()んだ。深い闇の中で、鬼灯(ほおずき)ような真っ赤な(まなこ)だけが不気味に光っている。「見ていろ(たつ)()(しろ)真堕(まだ)()のオロチ復活(ふっかつ)(すなわ)ち、私が(しん)支配者(しはいしゃ)になることを意味するのだ!」その姿を蜈蚣(むかで)(へび)交互(こうご)に変えながら、蚣妖魎蛇はオロチの待つ深い深い穴へと消えていった。




 Ⅱ


 (ひとつ)(まつ)譲二(じょうじ)刑事は、錫の口から飛び出してくる話の内容に戸惑(とまど)うしかなかった。

「刑事さん大丈夫?まだ序盤(じょばん)なのに目がヨロヨロ(およ)いでるよ…」

「だ、大丈夫…君たちは僕たちとは違う特殊(とくしゅ)な力…霊能力がある。それはただ幽霊が見えるというような()()()()()の力ではなく、自分の魂をも自由にできると……まぁそういうこと…だね…?」

「まぁ、(ぞく)にいう幽体(ゆうたい)離脱(りだつ)ってやつね。これが可能になることで、幽霊になってどこにでも行けちゃうわけ!」

「し、信じられないのはその後の話だ…。()()()()()の行き先が天国とか地獄だって聞こえたけど?」

「うん、そう言ったの。確かにそう言った!(ちな)みに何かの間違いで幽体離脱しちゃった人でも、行動(こうどう)範囲(はんい)は自分の肉体の近くをウロウロする程度(ていど)だよ」

「僕をからかっているとしか思えない…」

「だから………最初に言ったでしょ!…全部本当のことだって…」 

「あ~ゴメン…。ちゃんと受け止めるから続きを聞かせてくれ」一松は(あわ)てて(あやま)った。

「…たとえば私の場合、幽体離脱をしたら体が軽くなって肩のコリがなくなるのをハッキリ感じるの…肉体から離れることで重力(じゅうりょく)や痛みから解放(かいほう)されるからよ。でも舞子さんはその程度じゃない。もっとスゴいの………それはね…」

「まさか…幽体離脱すること()()()()()()()()になるとか…!?」

「おかしな表現(ひょうげん)だけど正解よ!」錫が大きな目を向けてそう言うと、一松は右の手のひらで自分のおでこを〝パチン〟と叩いて(つぶや)いた。「そうだったのかぁ…」  



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ