ダンジョン本格始動
ダンジョン発生から二月が経った頃、遂にダンジョンに関する方針が決定した。各地に発生したダンジョンのうちいくつかに実際に入って内部を調べ、危険度や資源の有無等の情報を取得し、長期に渡る会議を行った結果、ダンジョンを国の下で正式に開放することになったのだ。その際に国から公表された情報はこうだ。
・ダンジョン内にはモンスターが存在し、現状外には出て来ないこと
・ダンジョンに初めて入る際にステータスを獲得すること
・モンスターからドロップする魔石が高効率のエネルギーになること
・モンスターから稀にドロップする素材が従来の地球の素材よりも質が良いこと
・それらを踏まえてダンジョンに入り素材を採取するダンジョン産業を開始すること
予想通りになったな。やはり危険度よりも利益に重きを置いたみたいだ。まあまだ完全には分かっていないダンジョンの生態を多くの人手を使って調べさせる目的もあるんだろうけど。開放すれば一般人が勝手に情報を持って来てくれるからね。
「まあとにかく立入禁止にならなくて良かった。これで堂々とダンジョン探索出来る。」
「だな。でも正式に開放となると俺たち以外にもダンジョンに来る人が出てくるってことだよな。なんか秘密基地感あって面白かったんだけどなぁ。」
「それは同意だけどしょうがないからね。人が増えるならそこでまた違った楽しみ方を考えればいいさ。」
どんな状況でも面白さを見つけるのは僕の得意分野だからな。すぐにまた楽しめるようになる。
「ところでなんだけどさ、翼ってレベル何処まで上がってる?僕ほどじゃないにせよ結構ダンジョン潜ってると思うんだけど。」
「お!久々に見せ合うか?流石に創には負けるだろうけど結構上がったぞ。」
「それは楽しみだな。じゃあ。」
「おう。」
「「ステータス」」
名前 遊城 創
Lv 36
職業 【遊戯開拓者】
HP 720
MP 540
AT 540
MA 360
DF 540
MD 540
職業スキル 『作成』『実装』
通常スキル 『隠密』『精密射撃』
魔法 土魔法Lv3
称号 《初級探索者》
名前 桐生 翼
Lv 28
職業 【疾風決闘者】
HP 840
MP 280
AT 560
MA 280
DF 560
MD 280
職業スキル 『縮地』『剛脚』
通常スキル 『加速』
魔法 風魔法Lv2
称号 《初級探索者》
「おお!めっちゃ上がってんじゃん!俺より上とは思ってたけどここまでとは思ってなかったわ。二十後半からレベル上げるの結構大変じゃなかったか?」
「階層降りたら多少上がり易くなったよ。それに僕は武器使ってるから。というか僕としては翼がそこまで上げてるのに驚いたんだけど。翼の攻撃手段ってスキル構成的に蹴りじゃん。それだけでここまで戦えてるのが不思議なんだけど。」
「いやぁ、そこはスキル様々なんだわ。普通の蹴りが頭飛ばせるくらいの威力になるし、その足で移動するから一方的に攻撃出来るしで割と普通に戦えるんだよ。」
「確かに僕の方もスキルの性能かなり高いもんな。ならおかしくはないのか。」
ただ翼自身の戦闘センスもあるんだろうけどね。同じスキルがあっても僕じゃ多分使いこなせない気がするから。
「そういや武器って言ってたけど、何使ってんだ?」
「主に拳銃かな。」
「は?」
「いや、だから拳銃だって。」
「んなもん何処で手に入れるんだよ?」
ああそうか。普段から使ってて普通になってたけど、拳銃って一般人は持ってないんだった。でもそうなると答えは一つだよね。
「『作成』しました。」
「まじか。色々作れるとは聞いてたけどそこまで出来るとは思ってなかったわ。」
「まあなんでも無限にとはいかないんだけどね。スキル使ってるうちに分かったんだけど、『実装』する時に魔石を消費するんだよ。最初の頃は初期ボーナス的なので作れてたけど途中でリソースが足りないって表示が出てそこで知ったんだよね。」
その時は遂に来たかと思ったよ。何もなしに具現化出来たらまじでチートだからね。寧ろ納得だったよ。
「結構使うのか?」
「いや、そうでもないよ。今作れるのは基本的に現実にあるような物だから、魔石の持つエネルギーに比べたら大したことないみたい。この先ファンタジー的な物を作るようになったら結構消費するだろうけどね。」
「そうか。拳銃でもその扱いなんだな。でも拳銃なんて普通の奴に扱えんのか?」
アイテム欄で初めて見た時は僕もそう思ったけど、しっかり戦闘で使って確かめたからね。
「そこはなかなかご都合主義でね、ほぼ反動なしで撃てる仕様なんだよ。あとリロードも簡単で……そうだ、ちょっと試したい事もあるしこの後ダンジョン行かない?実際に体験した方がアイテムのことも分かるしさ。」
「それもそうだな。個人で潜ってそれぞれ一人で戦える様にするってのも、一般開放されるまでって約束だったしな。」
「うん。」
そう。普段から常に一緒につるんでいる僕達が今日に至るまで最初に潜った日以降のお互いの情報を知らなかったのは、翼の言った約束が理由だ。
普通に考えたら危険度も多いダンジョンは複数人で探索すべきだろう。しかし僕たちの場合二人でいると危険そうな所でもいけるような気がして突っ込む傾向にあるんだよね。それなら寧ろ誰にも頼れない環境にして安全第一で行動し、尚且一人でも戦える力と経験を身に着けようと思ったんだ。
ただずっと一人っていうのもあれだから一般開放までってことにしておいた。どれだけ長くても半年以内には開放されると思ってたからね。
という感じで記念すべき一般開放の今日、久々のお披露目となった訳だ。
「じゃあそういうことで、残りの授業も頑張りますか。」
「頑張ってね。僕は寝るよ。」
「いやちゃんと授業受けろよ!」
いやいや何言ってるんだよ。翼は真面目だなぁ。
「テストは頑張る、けど授業は寝る。当然だろ?」
「はぁ、なんでこういうやつに限って点数高ぇんだろうな。」
「そりゃあその方が設定的に面白いからだよ。僕もその為に授業以外でいい点取れるように頑張ってるんだし。」
「とことんまで創らしいな……」
こうして学校での時間はゆる〜く過ぎて行くのだった。
「さて、やって来ました裏山ダンジョン。」
「おう、急にどうした。」
「読者に向けて声かけるの一回くらいやっておこうかと思って。」
「届かねぇだろ。」
「いや、案外見てる人いるかもよ?ほらこの世界の外側に。お〜い、僕のこと見えてる〜?」
そこの君!人生楽しんでるか?僕の生き様を見て一緒に楽しんでくれたら嬉しいぞ!
「はぁ、この変人の友達やめようかな。」
「ひどい!私とは遊びのつもりだったの?ずっと一緒に居てくれるって言ってたのに!……許さない許さない許さない赦さない赦さない許さない赦さないゆるさないユルサナイ………」
「いやせめて普通の可哀想な子で止めとけよ!なんでメンヘラ入ってんだよ!」
「いや、なんとなく。」
その方が面白いかなって。だめ?
「お前声変えれるからリアルに女みたいで怖ぇんだよ。ほんといらんところで芸達者だよな。」
「ま、そんなことはどうでもよくて、ダンジョン攻略ですよ。」
「話掻き乱したのお前だからな!?」
もう、ちょ〜っと巫山戯ただけじゃんか。そんな怒ってばっかだと寿命縮むよ?
「すっげぇ殴りたくなる様な顔してるけど、取り敢えず置いとく。今日はそんな時間ある訳じゃねぇからな。」
「そうだね。早速潜って行きますか。」
「おうよ。」
ダンジョン用に気を引き締め直した僕たちは、改めてダンジョン内部へと足を進めた。
「はぁ、この空気だよ。帰って来た感じする。」
「お前の家はダンジョンなのか?」
「ダンジョンは第二の家だよ。それくらいはここに来てるね。」
週の半分は来てると思う。土日なんて早朝から日没ぎりぎりまで潜ってるし。殆ど日中全部ダンジョン生活してる。
「そうか。最近は全然遊びの方顔出さなかったもんな。」
「悪いとは思ってる。でもこんな楽しいのやめられそうにないわ。」
「だよなぁ。実際俺もそこまで顔出してないんだよ。レベル上げに忙しくて。」
「「楽しいんだからしゃあないよなぁ。」」
さっき気を引き締めた筈なんだが、やはり僕たちはどうも締まらないようだ。
主に僕のせいな気がしないでもないけど。
「さて、何から狩ろうか。」
「もうスライムだとレベル上がらないからな。」
「じゃあもう二階行く?」
「そうだな。」
入って早々一階をスルーして二階へと続く階段を降りた。
「この階はゴブリンだな。」
「実を言うとゴブリン相手ももうレベル上がらないんだよね。」
「俺はぎりぎりちょっと上がるくらいだから創だとそうなるよな。三階降りるか?」
「う〜ん。」
これ以上降りると帰る頃には真っ暗なんだよな。流石にそれは遭難の危険がある。ということで、
「今日はやめとこう。流石に親が心配する。これより下は土日にってことで。」
「それもそうだな。じゃあ今日はレベル上げより練習って感じで行くか。」
「うん。それでなんだけどさ、この機会にちょっと試したいことがあって。」
その為に翼を連れてきたんだよな。誰か僕以外の人がいないと出来ない実験だから。
「そういえば来る前にそんなこと言ってたな。で、俺は何すればいいんだ?」
「これ使ってみて。」
「これって拳銃だよな。」
「そうだよ。それを試しに撃ってみて欲しいんだよ。それで使った感想を教えて。」
それできっと僕のスキルの解明が進む筈だ。
「分かった。丁度ゴブリンが近くに来てるしやってみるわ。」
「よろしく。」
「おうよ。」
その返事と共にゴブリンへと走って行った翼があと十数メートル程の距離になったところで拳銃を発砲する。それから続けて五発程撃ったところでゴブリンが倒れ、魔石を回収した翼が帰ってきた。
「どうだった?」
「これいいな。反動はあるけどステータスのおかげでそこまで問題になってないし、威力もそこそこある。何より近付かなくても攻撃出来るのは強いわ。」
「気に入ってもらえて良かったよ。でも反動はあるんだね。ってことはやっぱり作成者補正があるのか。威力も多分僕が撃った時の方が高いしな。」
かなり予想通りだ。僕のスキルは何かと僕に都合が良くて、リロードなんかがいい例だ。なら他にも優遇されている部分があると思ってやってみたけどこんな所も僕に都合が良かったんだな。
「ありがとう。調べたいことは分かったよ。ここからは普通に戦っていこう。」
「お、そうか?じゃあ二カ月個人で戦ってどんだけ成長したか連携で確かめてみるか。」
「そうだね。ゴブリンジェネラル辺りを探してやってみようか。」
そうして三十分程歩き回った結果、運良く目的のゴブリンジェネラルを見つけた。
最初に戦った時は三十発くらいで仕留めたけど、さてどうなるかな。
「翼、見つけたよ。」
「お、確かにいるな。どうする?」
「僕が発砲して引きつけるから、合図したら翼は頭蹴り抜いて。蹴りの火力的には問題無いよね?」
「任せとけ。当てるのには隙が大きいがそれさえカバーしてくれんなら一撃で仕留められる。」
「よしじゃあそれで。行くよ!」
掛け声と共に『隠密』を発動し、拳銃の射程圏内まで移動する。それからすぐに発砲し、ゴブリンジェネラルの視界のど真ん中に姿を現した。すると案の定奇襲を受けたゴブリンジェネラルは怒りと共に意識を僕に集中させ、攻撃の構えを取る。
「この感じで問題無さそうだね。じゃあもうちょっと付き合ってもらおうか。」
パァン、パァン、パンパンパンッ!
引き続き複数連続して発砲し、より僕のことだけを考えさせるようにしていく。そしてあと少しでゴブリンジェネラルの攻撃範囲に入るという所で、
「ここまですれば十分かな。翼!」
「おうよっ!」
ゴブリンジェネラルの後頭部に影が差すと同時、
スパアァァァァァァァン!
盛大な破裂音と共にゴブリンジェネラルの頭部が消失し、制御を失った巨体はゆっくりと倒れていった。
「流石の威力だ。」
「創の射撃もだいぶ凄かったけどな。」
そうして僕の横に着地した翼と今の戦闘を振り返る。
「今の僕たちだとゴブリンジェネラルも簡単に狩れるみたいだね。」
「だな。この階層のモンスター相手ならもう敵無しって感じか。今日は下には降りないからこの調子でどんどん狩ってこうぜ。」
「時間もそんなに無いしね。」
「おう。つー訳で競争だ。一時間後の討伐数で勝負な。」
「分かった。それじゃ……」
「始めだな!」
互いに頷き合い、それぞれ別方向へと走り出す。翼は一撃必殺の蹴り、僕は急所への精密射撃を武器としての勝負だ。威力的には翼の方が高いけど、レベルは一応僕の方が上だ。そこら辺でいい感じに楽しめるんじゃないかな。
「お、まずは一体。」
視界の端にゴブリンを見つけ、その方向へ向かいつつ発砲する。
「よしよし、上手く当たってるな。まあスキル使ってるんだから当たってくれないと困るんだけど。」
『精密射撃』は僕が拳銃を使い始めて一月が経った頃に習得したスキルで、射撃の精度に補正が入るというものだ。そしてこの補正というのは直接撃つ場合以外でも適用される優れもので、射撃という行動なら全て対象になるんだよね。それを利用すると実は少しトリッキーなことも出来てしまう。例えば、
「死角から失礼するよ。」
こちらを向いて迫って来るゴブリンに対し、正面からではなく斜め後ろから銃弾を浴びせる。これは銃弾が曲がって飛んだ訳ではなく、跳弾させた結果だ。この跳弾、本来そう簡単に成功させられるものではないんだが、射撃という行動の範囲内であるが為にしっかり狙った所に当たってくれる。ちょっとした遊びのようなものなんだが、弾道が予想されづらく動きの速いモンスター相手でも初撃を入れやすくて三層以降で役に立ってくれている。
「よし、次。」
そうして色々と遊びを交えつつ、どんどんと狩りを進めて行く過程では二体、三体、四体と全て出会って数秒で倒しつつ、次に行くまでに走りながらリロードを済ませる。高速周回の為にし始めたことだがこの動作にも随分と慣れたものだ。
レベル上げは効率良くやらないとね。
それから三十分程経過し、討伐数が十五を超えた辺りで僕は武器を変えることにした。
「接近戦もやっとかないとな。ゴブリン相手じゃあんまり練習にならないけど。」
もう少し手応えのある相手の方が戦闘技術全体の向上が見込めるのだが、そうでなくても打撃の角度やロス無く力を伝える斬り方などの細かいが後々大事になってくる技術を反復練習するのには役立つ。危険が殆ど無い分練習に集中出来るから、この場合では寧ろゴブリンくらいの方が丁度いいかもね。
「グギャア!」
「お、いいね。早速相手になってくれるのかな?」
少し走った先で出会ったゴブリンに速度を上げて近付くと、手にしたナイフを振り翳す。ステータスの差もあり反応が出来ないでいるのをいい事に、丁寧に急所を狙い真っ直ぐに刃を当て線を引くと、軽い断末魔を残してゴブリンは息絶えた。
対人型は大体これで一撃で仕留められるから短時間で、かつ拳銃の弾数を節約したい時にはこういった戦い方が役に立つ。これからも定期的に織り交ぜて行こう。
「そろそろ戻らないと時間に間に合わないな。」
帰りに別のルートを通りつつ討伐数を稼いで集合場所まで戻ると、丁度翼も戻って来る所だった。
「お、創もぎりぎりまで狩ってたんだな。」
「途中から色々と戦い方を変えて練習してたら思ったより時間が過ぎてた。取り敢えず間に合って良かったよ。」
「創は時間感覚狂いがちだからな。置いて帰ることにならなくて良かったわ。」
「本当に有り得そうだから気を付けないとな。」
下手をすると一日ダンジョンから出て来ない可能性あるからな。平日は特に要注意だ。
「よし、じゃあそろそろお待ち兼ねの結果発表といこうか。」
「そうだね。魔石を一個ずつ並べて分かりやすくしようか。」
「分かった。」
向かい合わせで運動会の玉入れの時のようにタイミングを合わせて並べて行く。
「「十九、二十、二十一、二十二……」」
遭遇率的には多少移動しなければ新たな群れには遭遇しないのだが、二人共当然のように二十を超えていた。それからもカウントはどんどん進み、三十を超えようというところで片方のカウントが途切れた。
「二十七、二十八、二十九。ぎり三十届かなかったかぁ!」
翼の討伐数は二十九。ほんの一時間にしてはかなりのハイペースだ。が、
「三十、三十一、三十二と。僕の勝ちだね。」
僕はしっかりとそれを超えて討伐数を稼いでいた。僅かな差でもそれは確かな差だ。
レベルも入ってる時間も僕の方が上だからね。流石に負ける訳にはいきませんよ。
「やっぱ勝てなかったか。」
「翼も十分過ぎるくらい狩ってるけどね。」
「そうなんだけどなぁ。脚の速さだけじゃ駄目だな。俺もちゃんと考えて戦う癖つけよ。」
「それに関しては異議無しだね。戦略次第で幾らでも簡単に戦えるようになるから、頭は使えるだけ使った方がいい。何パターンか行動を考えておけばもしもの時にも固まりづらいしね。」
「流石創だな。参考になるわ。」
結構基本なんだけどな………
「まあ今後の課題も分かったところで、そろそろ帰りますか。急がないと遭難する。」
「そうだった。続きはまた明日だな。」
「うん。」
そうして足早にダンジョンを出た僕たちは、かろうじて見える目印をもとにどんどんと暗くなる周囲に少し焦りを感じつつ森を走り抜けた。
「ふぅ、危なかった。」
「最近は暗くなるの早くなってきてるからな。気を付けねぇと。」
「うん。じゃあ無事学校まで戻って来れたし、明日の学校に備えて早く帰って寝ますか。」
「だな。じゃあここで、また明日な。」
「うん、また明日。」
翼と僕はそれぞれの家へと帰っていった。
帰ってすぐお風呂に飛び込み一切の汚れを洗い流して、作り置きしておいた夕食を食べ次の日の学校の準備を済ませた僕は、ベッドに寝そべり布団を被る。そしていつものように一日の振り返りを始めた。
「今日は遂にダンジョンが一般開放されたな。これで全国に探索者、僕のライバルたちが現れるようになるのか。楽しくなるな。」
あれ?でも今日は誰とも会わなかったな。初日だからか、それともあの場所に辿り着けなかったからか、どっちだ?出来れば僕たち以外まだ辿り着けていない方がいいな。
どうやらダンジョンの場所は天啓のようにある人に通達されたようで、実際には確認されていないダンジョンが数多くあるらしい。あの森のダンジョンもそうである可能性は大いにあるだろう。今まで僕が誰にも邪魔されずに探索し続けられたのだからそう考えるのが妥当だ。
あわよくばこのまま独占したいところだけど、実際はそうもいかないだろうから、いつか来るその時までせいぜい遊び尽くさせてもらうとしようかな。
「まあなんだかんだ言って今日も楽しい一日だった。明日は今日よりもっと楽しんでやる。」
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