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42.再び皇太子宮へ(エリアーナ視点)

短めです。

 こんなの嘘だわ。


 パパが悪いことをして捕まったなんて!


 皇宮へ行ったきり、パパは帰ってくることはなかった。


 明日はパパと皇都で買い物をする約束をしていたのに。ママへのお土産を一緒に選ぼうと言っていたのに。


「エリアーナ嬢。カルクシュタイン王国の母上の元までお送りします。明朝迎えに参りますので、仕度をしておいてください。何かあるといけませんので、今夜は念のため護衛を置いていきます」


 夜遅くに皇太子の侍従だと名乗る人が宿にいるわたしを訪ねてきた。


 パパが帰ってきたと思って喜んで扉を開けたのに、知らない人が立っていたのだ。


 侍従はパパが悪いことをして捕まったこと、わたしをママのところに送り届けることを簡潔に伝えると、早々に帰ってしまったのだ。 


 慌てて彼を追いかけるため、部屋の外に出ると護衛に止められた。


「パパに会わせてください!」

「気の毒だけれど、それはできないよ。さあ、部屋の中に入って」


 護衛はわたしを部屋の中に戻すと、扉を閉めてしまった。


「嘘よ! パパが悪いことをするはずがないわ。パパは優しい人なのに。ううっ! パパぁ!」


 わたしはベッドに突っ伏して泣き喚いた。


 しばらく悲しくて泣いていたけれど、ふと思いつく。


「パパに会って確かめないと! そうだ! 皇太子とマリエル公女のところに行こう。そしてパパに会わせてくれるようにお願いしよう」


 迷うことなく窓を開けると、鳥に変身してわたしは飛び立った。


 皇太子宮へ――。



 よく考えずに皇太子宮に来てしまったけれど、今は夜遅いのよね。


 皇太子とマリエル公女は寝てしまったのではないかしら?


 でも、明日の朝にはカルクシュタイン王国へ旅立たなければならない。


 何としてでも皇太子とマリエル公女に会わなければ!


 しかし、そんなわたしの心配は杞憂きゆうに終わった。


 皇太子とマリエル公女は庭園のガゼボでお茶を飲んでいたのだ。


 あれ? もう一人知らない男の人がいる。誰だろう?


 まあ、いいか。とりあえず、庭園に下りよう。


 わたしはガゼボの近くの木陰に降り立った。

果たしてエリアーナは父親に会えるのだろうか?

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