表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
83/103

心優しき王子

「父上にはまだ内緒だよ。アイリ様が驚かせたいからって」

「それは……」


一時期体調が悪かったのは、そういう事か、と従者は思う。因みに、離宮からの手紙を従者は見分しないため、従者がこれを聞いたのは、マティアスからである。


ファビアーノに報告が無いのは驚かせたいから、というわけではなく、まだ怒っていると思っているからだろう。


ましてや、マティアスに打ち明けている時点で、不義の子だから、と考えるのはあり得ない。


これを聞けば、ファビアーノはすぐに離宮へ行くだろう。その確信が、従者にはあった。


しかし。


「分かりました。決して言わないと、約束します」


にこやかに従者が笑う。その方が面白い、と思った自分の意地が悪い事は、百も承知である。


マティアスはそんな事にはもちろん気がつかず、子供なりの、固い約束の儀式を取り交わした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ