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王妃の手紙
――親愛なる国王陛下へ。
この度の気遣いに感謝いたします。お体にお気をつけてお過ごしください。
殿下方の事も、十分に気遣ってくださいますよう、お願い申し上げます。
エヴェリーナ殿下は幼いので、時たま突拍子もない事をなさいますが、危ない事でなければ、笑って許して差し上げて下さい。
マティアス殿下は、マリッカ様に似て気が強い面もありますが、優しく、繊細な方です。もしお時間があれば、お話を聞いて差し上げて下さい。
陛下は御父君ですから、お分かりの事かとは存じますが、どうぞお願いいたします。
我らが国王陛下に、神の加護があらんことを。
アイリ・ソフィア・ザヴィカンナス――