表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
102/103

祝福

アイリが王宮へ戻ったのは、それから一年後の事だった。


すでに王妃の出産は広く知れ渡っており、お祝いムード一色である。


生まれたのは王子で、ヨエルと名付けられた。マティアスもエヴェリーナも大喜びで、毎日毎日、ヨエルがいる珊瑚の宮へ様子を見に来ては、早く大きくならないかな、と成長を楽しみにしている。


一時期、ザヴィカンナス侯爵が、密かにではあるが、ヨエルを東宮にと推そうとしていた事もあったが、アイリが、マティアス殿下に決まっています、と突っぱねてからは、おとなしくしている。


そして、ファビアーノの最重要課題であった三王妃制廃止は、アイリが戻る三か月前に可決された。


オネルヴァは最後まで、陛下を信じていますわ、としか言わず、抗いもせずに王宮を後にした。今も、屋敷でそう口にしているようである。いつか必ず、陛下が迎えに来ると。


しかし、アイリを嵌めようとしていた事を、一族の者は知らされているため、哀れみこそすれ、その言葉を真に受ける者はいなかった。一族追放にならなかっただけ良かった、と安堵するばかりだ。


そんな様子である為、再婚も望めず、やがて精神を病んでいるとされ、施設に送られたようである。


それはアイリは知らず、ファビアーノだけが知っている。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ