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11,全ては三毛猫だった。

惨劇は免れた。姐さんの働きでと言うよりも先の小物が店名にツッコミを入れない方向でとご注進したのがきいている。ツッコミを入れていたらきりがない・・・・・・・・・・・・・・


「で、おにーちゃん。どんだけ看板を持っているのよ。」

「ふっ、千の看板を持つ男とはこの私の事だ。」

「神官パパ、どんだけ看板あるの?」

「私の看板コレクションに興味を示すとはなかなか良い傾向だな。」

「私も見て良い?」

「皆で見るか。」


お店の物置・・・・・・・・・・・・看板が出るは出るは・・・・・・・・

「看板ばかりだね・・・・・・・・・『神官さんのお菓子屋さん』これは定番ネタだね。でも神官さんの姿とお菓子だけなのに色々違った見せ方あるんだね。」

「こっちはパパがお菓子食べてる所だし、こっちは子供にお菓子を渡してる。パパが誤認(もとい五人)のお使いを背後に従えて鍋からお菓子を与えている姿もある。このお菓子はなんだろう?裏を見ていると、【西方平原国】神殿付左官工房所属、菓子鏝・・・・・・菓子鏝って誰?」

「おおっ!懐かしいな【白の都】で神殿の左官の職人頭の一人で『秋分聖堂』で『飢えたる子と導きの死霊』と言う名の漆喰画で有名な芸術家だ。今頃は豊穣神殿で外壁の漆喰画を作っているとか【聖徒大聖堂】の改修に携わっているとか・・・・・・・・・死霊っ子(元)お前も知っているだろう。あの時漆喰職人の所に弟子入りした孤児っ子。」

「なつかしいね、元気そうでよかった・・・・・って『導きの死霊』ってなに?ちょっとあたしがそこでそんな大したことしていないよ!所々なんかあたし達が美化されていて恥ずかしいんだけど!」

「あれ、まだ書いてある。『私はこの菓子で命をつないで幸いにもこの年までまっとうに生きていけました。甘い神官様と優しき死霊っ子達に万の感謝を込めて・・・・・・・』」

「・・・・・・・・・・・・・」

「この看板、飾ったら一財産じゃない?」

「そうだった、あまりにも出来が良すぎて売ってくれと言う声があったから大事にしまっていたんだな。ほら、この絵はお前等の姿をきっちりと再現しているだろう。時々懐かしくなったとき眺めるんだ。」


「これ、こっちは猫の絵がかいてある。」

「こっちのも猫の絵だね。」

「こっちは文字だけで『菓子作る神官、孤児っ子派遣事務所』?なんか身売りされるみたいな。」

「それか、孤児っ子を養子とか弟子に斡旋していたらなんか思いついて・・・・・・・・冗談で作ってもらったやつだな。」

「それ冗談になってない気がする。」

「普通にあたし達も手伝いに駆り出されているし・・・・・・・・」


そこそこ教育されている子供なので祭や賦役の炊き出しとか市の売り子として貸し出されていたりもする。店番とかさせてそのままお持ち帰りなんて言うのも良くあったりする。そして割と好評だったりするので行儀見習い代わりに家を出る子供達に読み書きを教えてと言う親たちは一定数存在する。


「所でこの看板ってどこで作っているの?」

「建具師(扉、窓等を専門に作る職人)の爺さんの手元としているお前等の兄弟分がいるんだ。そいつに窓の細工の練習代わりに看板を頼んだんだ。そこにある『腰回りの御供』とか『糖と脂』なんていうのも奴の作品だ。」

「まともなのないの?流石に色物系ばかりだと・・・・・」

「結構ノリノリだったぞ、その流れで看板の依頼も増えたとか・・・・・・色町のおねーちゃんの姿を描いたのもあったなぁ。【霜降】で看板と店名があっていない話をしたら触発されて作ったのも・・・・・・・・・ここにあったか・・・・・・・・・・・」


其処で取り出されたのが皿の上に乗っかった猫の絵が何とも微妙な『ねこ・・・・』と書かれた看板である。

「猫は売り物じゃないでしょう。」

「時期を選べば子猫がそこかしこで生まれるからちょっとした交渉で手に入るだろう。」


うにゃ?


「ああっ、一年くらい前に猫の形をしたお菓子作っていたのって。」

「よく覚えていたじゃないか。ちょっとそれに合わせて猫型のお菓子を作ったりしていたのだが・・・・・・・・何を勘違いしたのか猫料理を・・・・・・・・・」


うみゃー!


「猫型の型を用意してプリン作ったり・・・・・・・・・しただけなのに・・・・・・・・型枠代だけで赤字だった。」

「でも、おにーちゃんそれ洒落とか趣味でやっていたでしょ。」

「うっ!」


うにゃん


「確か男爵家の御嬢さんこんな可愛らしいの食べられないと悩んでいたけど。」

「あの型枠伯爵家の御嬢さんが持ち帰っていたよね。」

「あれでなんかパテを作って宴席で評判だったそうだよ。乾酪やら肉のパテで猫型に作って供したら可愛らしいとかどこから食べるなんて論争が・・・・・・・・」


タイヤキかよと思っても言わない。前菜料理で麺麭に塗り付ける物を形作って楽しんだのかとその発想に驚きと悔しさを隠せない勇者(笑)であった。取り敢えず型枠返せよとか考えたのは本編とは関係ない。その型枠は某伯爵家に秘蔵されて後の世に歴史的資料として博物館に飾られていたりするのだがどうでも良い話。


「師匠、そろそろお客様がお見えになられますが・・・・」

「ふむ、参ろうか。」

「それは良いですけど埃まみれですよ。」

「おっと・・・・・・・・・」



身支度を整える神官こと勇者(笑)、それなりに身分がある客を迎えるにあたって主自らでないと格好がつかないというか相手方が馬鹿にされたと思ってしまうだろう。面倒かと思うけど互いに面子を尊重しあうのは礼儀と言う名の闘争回避策である。人は刃物を持った面々には礼儀正しくするべきである。

客商売だから客にはあたり良く応対するのが・・・・・


「客商売ってどっちの方?お菓子屋さん?神官さん?」


ちびっこ、それは危険だから疑問はおいておこうな。あと、地の文に(略)



芒種国の一行が到着する。長い旅路の末にここに食を求めに来る。、旅路の食事は勇者(笑)の指導が行き届いて格段の進歩を見せているがそれでも不自由がある。地にある物で美味を作る食道楽な異世界人がいない限り限られている知識で何とかするしかない。極北の海で食テロリストをしている変人なんてものは探しても見つからない。ただ、この変人は世界各地で食テロを行っている。

「変人言うな!ちょっと聞けば美味しい物知るだろうが。知識があるのは否定しないけど求めないのはどうかと思うぞ。ちょっと地元の者と話をして美味しい物を聞き出すなんて誰でもできるだろうが。」

取り敢えず言うと地の文に(略


菓子作る神官こと勇者(笑)は食べ物を求める物には寛大である。

貴族様一行に麺麭に色々な具材を挟んだサンドイッチと汁物を用意して一息つくように段取りをする。

貴族様達が一息ついている間に下々の面々に近くにある飯屋(類縁関係あり)を紹介して交代で食べていくように言う。貴族様という物はそういう事に疎い物である、判っているのが同道していればよいのだがそこまでできる面々が貴族家に仕えるかと言うと・・・・・・・・・・・


できるのが仕えたらのっとりかけるか仕事だらけで泣きを見るか・・・・・・・・・代々仕えている面々も居るのだが旅路まで面倒見切れるだけの経験があるかないかと言われればこれは経験の差というべきか。

一番良い方法は慣れるまで現地に強く信用出来る案内人を用意することである。


「できるか!そんな簡単なものじゃないだろう!」

「侍従、何を叫んでいるのか?」

「失礼いたしました。旦那様、なぜか叫んで突っ込みいれないと入れないといけない気がしましたので。」

旅に付き従っている侍従が叫んでいるのを某伯爵が部下が気が触れたのではないかと心配したのだがただの地の文への突込みである。


閑話休題(それはさておき)


お付の者達が休憩を取っている間、主客達は旅の疲れを癒している。(彼等主観)

軽食を平らげ茶を喫し、菓子を饗される。

「ごゆるりとー」

まだ礼法が出来ていないのか間延びした声の子供が給仕代わりに持ち込んだ菓子がある。


「ねこだな。」

「ねこですね。」

「愛らしい姿ですが・・・・・・・・・・なんで鍋に入っているのでありましょうか?」

「旦那様、この店の名前のひとつが『三毛屋』となりますからそのつながりでありましょうか?」

「なるほどな、でもこの菓子の形は無駄に技術を」


ねこのかたちをした人形焼である。菓子作る神官こと勇者(笑)の遊びである、金型作成は【魔王領】の岩妖精(鍛冶倭人)達である。【人族連合】では名工でも作らない一品であるのだが岩妖精に縁故がある勇者(笑)は酒の席での悪ふざけで作らせたのである。岩妖精達も悪ふざけにのりにのって無駄に技術の粋を極めて無駄に芸術性とか極めて作り上げた一品である。商売にならない焼き型製作をした件の岩妖精達は奥さんやら会計担当やらにシバカレそうになったのだが不憫に思ったのか勇者(笑)が製作代金を負担したのは過去の話である。

職人を育てるのは遊びと客である。金金言っている連中には理解できない理屈である。そういう腐った連中は育ち切った職人を見てビジネスモデルとかと言って食い物にするのである。


鍋一杯に入っている猫の焼き菓子、更に

「こちらもよかったらどーぞー」

と将棋盤を模した木皿に将棋の駒を模した焼き菓子を初期状態で並べたものが用意される。これも遊び心にあふれているものである。貴族様の側には子供達が控えている、細かな用件については彼等が聞き届けているのである。


「これは遊べばよいのか、食べればよいのか?」

少々ふざけて聞いてくる一行の頭らしい壮年の貴族が聞けば

「どちらでも御随意に、私達の間では将棋勝負をして取った駒を食べて最後に勝者が全てを食べるという遊びをしておりますが。我等が師父である『菓子作る神官』は菓子と共に『戦というものは負ければ全てを失う、そこからどう思うかは私達次第である。』と教えと問いを下されましたが・・・・・・・・・・・兄弟姉妹の間でも問いについては統一した答えが無いのですが・・・・・・・・・・・」

「子供よ。我等もその流儀に法って遊びながら食すのも一興であるな。この菓子の追加はあるのかな?」

「それでしたら後、四戦するくらいはすぐに用意できますが・・・・・・・・・・・・・皿のほうが・・・・・・・・・・・」

「構わぬ、ゆるりと指しながら楽しむとしよう。神官殿が我等を足止めさせて下の者を休ませようとしている企みに引っかかった振りをするのも貴種の嗜みである。教えといい企みといい汝等は善き師を持ったものだな。」

「はい、道にて朽ちる子(孤児の別称)の私は善き巡り合わせに感謝しております。師父の教えを受ける事が出来たのは幸いであります。」

「うむ、それさえ判っていれば十分だ。この将棋菓子、汝等の流儀で楽しむのも悪くない。少年よ一手付合え、戦の悲惨さを味合わせてやろう。」


給仕の少年は断る術も立場も無かった。共に控えている弟妹分達に後を頼むというだけである。


「貴方、子供相手に大人気ないかと・・・・・・・・・・・・・・・」

「戯れですから、奥方様。」

「御父様ほどの技量を持たれる方が子供相手に無体を・・・・・・・・・・・」


菓子を使った将棋・・・・・・・・・・・

「少年よ、中々善き攻めであるな。この駒である菓子の一つ一つが我等が預かっている将兵でありその背後には守るべき民があるのだ。ならば、負けるわけいかぬだろう。」

「はい。」

「ならば、汝はどう動くかな?」


将棋膠着中


「むぅ、中々やるではないか・・・・・・・・・・・」

「時折、人日前騎士爵卿が遊びに来まして指導してくれますから・・・・・・・」

「むむむ・・・・・・」


決着

「ふむ、何とか辛勝といったところか・・・・・・・・」

「参りました。」

「しかしひとつ聞こう、少年よ。なぜに取った菓子を食せぬのか?」

「駒のひとつが将兵であれば、無碍に奪うのは・・・・・・・・・・・正しきことなのでありましょうか?」

「善き問いだな。それは常に考えねばなるまい。軍学における永久の命題の一つだ、殺すべきか殺さざるべきか・・・・・・・・・・・・・殺さざるという考えはお前の師父の甘さが残っているのだろうな。」

「いえ、師父曰く『殺さずに置いて労役とか身代金を課したほうが金になるだろう。それに奪い取った地には耕す手は多いほうが良い、彼らも家族の元に帰ることが出来て万々歳であろう。』と言っていましたが・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・何と言うか、甘い考えだが悪くないと思った我が感動を返せと言いたくなるのはどうしたものか・・・・・・・・・・・」

「『善をなすならば利を説け。』と・・・・・・・・・・・」

「彼が戦場に立たなかった幸運を我は噛み締めるぞ。そして浮草を通して縁結ぶことが出来たことを・・・・・・・・・・・善意の顔をして利益を説かれたら負けないまでもこっちも流血を強いられる。」

「えっ!女騎士義母上の縁者で?」

「うむ、我は従兄にあたるし妻は芒種国の王族で彼女を姉と慕っていた間柄だ。」

「えっ!ちょっとそれだったら言ってくださいよ!おいっ!女騎士義母上をお呼びしろ、神官師父も・・・・・・・・・」


少年は大人びた風情をかなぐり捨てて弟妹分達に指示を出す。

貴族氏はにやり意地の悪そうな笑いを浮かべて苦戦を強いられた少年に意趣返しが出来たとばかりに眺める。

「貴方、普通に面会を求めたほうが・・・・・・・・」

「問題ない、神官殿も浮草も裏で様子を伺っていたしな。」


程無くして神官と女騎士が現れる。そして旧交を温める定番のやり取りが執り行われ席に着く人員はまた増えるのである。


そんな中、すり寄ってくる猫達。今いる場所は菓子屋の庭に設えた食卓である。

其処には山海珍味とまではいかないが心づくしの美味なる菓子やら乾酪やらつまみみたいなものが用意されている。つまりはそれのおこぼれを狙っている物である。

すり寄ってくる猫という物は余程の猫嫌いか社会不適合者でもない限り愛される物であり、この場において猫嫌いはいなかった。猫アレルギーの猫好きがいたのは不幸である。

ちなみに猫好きの猫アレルギーは某伯爵一行の侍女である某騎士爵令嬢である。


ふぇっくし!


かわいい娘さんが出すくしゃみの音ではありませんな。


「おやおや、みけちゃん達来てしまったのかい。今日はお客さん着ているから離れていな。」

うみゃ

うみゃみゃ

うな

みゃ


この庭は普段猫の集会場になっていて、猫が屯している。その猫は勇者(笑)が連れてきた初代みけちゃんの子孫達なのであるがどうでも良いことである。常に数匹、多い時には十数匹・・・・・・・・

のんびりできる暖かい場所と美味しい物が手に入れば、縄張りとかあまり気にしなくなってしまう。ついでとばかりに色々な交流があって一つの品種群として成り立っているのは興味深い話である。


「なんだいお前達、ちゃんと餌もらっているだろう・・・・・・・・ちがうって?かまって欲しいのか?本当に甘えん坊だなぁ・・・・」


猫共は勇者(笑)にまとわりついてうにゃうにゃいっている。何時もならばもふり倒すのだが今は来客中である。少々都合が悪い。なんか行きつけのキャバクラ嬢に挨拶されている場面を見られたみたいで・・・・・・・げふんげふん


この場合はニャバクラでは?(by森林神)


そんな彼の様子を奥さん達はからかい混じりに

「あんた、いつもいつも可愛い子達にもてもてだね。」

「ちょっと嫉妬してしまいますわね。若い娘に囲まれて・・・・・・・・・」

「若いし可愛いけど猫だよ。」


「浮草よ夫婦仲良いのは良いが従兄(あに)を無視していないか?」

「本当に私を忘れているなんて王族への不敬ですわよ。」

伯爵夫人あんた正確には元王族でしょうが・・・・・・・・・・・・自分等を無視されていることに不満をふざけた口調であらわしている。少々ばつが悪そうに勇者(笑)

「申し訳ない。少々猫にまとわりつかれて手が離せない・・・・・・・・」

しっかり腕にはみけちゃん(六代目)を抱え込んでいる。


「これってねとられ?」

「このどろぼうねこが!っていうばめんでしょ。」

「あんたらはどこでそんなことばおぼえてくるんだい?」

「うわぁ!」


どたばた・・・・・・・・


うにゃん


「これは神官殿の猫達ですかな?」

伯爵夫婦と令嬢は近くに居る猫を抱き上げながら・・・・・・・・・

「このみけちゃんを除いて近所の子なんですけどね、うちから出した子やその子供達なんですけどね。」


にゃん


一同は静かに猫をもふりながら近況を語り合い旅路の不自由さを愚痴ったりしている。伯爵一行は芒種国大使として【狭間】へと向かう途中であるらしい。『菓子作る神官』である彼にも同道を求めるも

「私は世界から外れた者です、世界は今生きている人達ががんばってまわすべきでありましょう。」

と固辞する。

「同道してくれれば道中飢え餓える事無く快適な旅路が保障できると思ったんだがな。」

「まぁ、素敵。神官様、私達を不憫と思し召すならば私達の旅路に助力の一片を・・・・・・・」

「御前等、うまいものが食べたいだけだろう。」

その一言に黙り込んでしまうのである。


「そういえば神官様ここの猫達は三毛猫が多いですね。」

「うむ、初代の流れ汲んで様々な毛色が出ているが基本は三毛猫みたいだな。一見三毛っぽくないのも多いが。」



そんなことを言いながら猫の毛並みを見渡す一同。


レベル0(基本形) 神官さん宅の『みけちゃん(六代目)』

「これは基本形であるな。」

「しっかり三色、黄色黒白・・・・・・・わかりやすいですわ。」

「でも六代目って代々三毛猫を愛でているのですか?」

「店の看板猫というか私には三毛猫がついている印象が強いらしくって。居ないとがっかりされるんですよ。」

うにゃん


レベル1(応用系)銀細工師のご隠居の愛猫『ちび』

「でかいな。」

「こっちは白、鯖虎に黄虎・・・・・・・・・同じ三毛猫でも毛色が違いますわね。」

うな


レベル2(応用系2)粉屋のネズミ捕り猫『しろちゃん』

「ふむ、白猫・・・・・・ぶちだな。」

「あら、この模様可愛いですわ。でもこれ三毛猫ですの?」

「こっちのぶちとそっちのぶちがちがういろだよー」

「まぁ、本当。でも、これってほとんど白猫。」

にゃん


レベル3(発展系)醸造所のネズミ捕り猫『赤錆ちゃん&黒錆ちゃん』

「こっちは色々な毛色が混じっていますから遠目ではわかりづらいですわね。」

「よく見てみると色々な毛色が細かく混じっているのですね。」

「毛質のもふもふ感は一番ですわ。」

「醸造所の皆に可愛がられているから。」

あーう なーう


レベル4(引っ掛け)鍛冶屋の竈番(多分)『灰被り』

「あっ!こいつは触らない!ちび度もこの灰被りを丸洗いしていけ!」

「はいっ!」

「まてー!」

「どうしたのか神官殿?」

「いえ、あの猫は火の落ちた竈の中が好きで隙を見せると灰まみれで・・・・・」

「灰猫ではなかったのですか?」

「洗ってきたよー」

ぶなー

「あら、綺麗な三毛ですわね。」

うなー

「何で竈の中に入るんですかね?」

程々にあったかいからでしょう。


レベル5(上級者向け)神官さん宅の『みけちゃん(5代目)』

「普通に三毛猫だな。」

「何がどうなっているのでしょうか?」

「六代目とそっくりですけど・・・・・・・・」

「実は・・・・・・・・」

飼い主である神官さんは事実を・・・・・

「この子三毛猫じゃなくて四毛猫なんです。それに気がついたのは命名した後で・・・・・」

んみゃん

「白黒黄色に灰もある。確かに四種あるが・・・・・・・・・・」

「別に三毛猫でもよろしいのでは?」


猫達は人間共のくだらない会話など我関せずとばかりに媚を売り貢物をせしめていく。元女騎士浮草は久方振りの既知との茶を楽しむのである。それを微笑ましく思いながら勇者(笑)と姐さんは茶菓子に軽食にと振舞うのであった。

うにゃん


一頻り愛でられて貢物をせしめた猫達は一つ、また一つと散らばっていく。

伯爵一行は今日の移動は諦めたのかそもそもこの街で泊る予定だったのか用意された宿へと向かうのである。


それを見送る菓子作る神官一家。その様子を見て死霊っ子(元)

「そういえば看板『節制の敵』のままだった。」



ここまでが書き溜め分となります。次は未定。

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