出会いは必然、それもまたいとをかし
「不思議に思ってるね。ここに来るまで罠がなかった事を、でもその理由を知ってるのは君じゃないのかい?」
まさか...【能力】のことか?
【俺の能力】、それは不幸を幸運にするという謎の能力。
当時の試験監もこの【能力】をどう分類したらいいのか、判断がつかなかったらしい。
まぁ、何をしてもゴキブリ並の生命力と運の良さ、これを偶然とは言い難いのだから【能力者】だらけの日本では、有り得るかもしれないと判断したそうな。それにお袋と親父は日本人、それに加え俺の戦闘能力が高かったから、ここまで生きて来られたのだろう。
「君の能力【幸運】は、すごく曖昧で不思議だなぁ~。興味深い」
っとおどけた顔で言う社長様々。
はぁ~こりゃ参ったと俺。しかし、社長直々なんてほんと、ついてるのかついてないのか分からない。今更だか、俺の人生微妙だなと改めて認識した。
「けれど、君の能力はそんな程度じゃないと思うぞ。もっと違う能力....あるいは、ただ運が強いだけか....。私はもう気づいてしまったが、これは君の楽しみにしておこう」
なんて、真剣な顔で言われたらますます気になっちゃうって。
夜眠れるか心配になってきちゃった。と思いつつ、未だに社長様々の顔をじっくり拝んでなかったな。南無阿弥陀仏。南無阿弥陀仏。.....ハッ!!そっ...そんな、冬って訳じゃないよ⁉
神々しいだけなんだからっ...!!
「今拝みましたね。なら、お金ください。お賽銭です。お賽銭」
「な...そんなことしてませんっ!......南無阿弥陀仏はしましたが」
「というより、南無阿弥陀仏は違うと思いますが」
気まずい。気まずいぞ。
というよりなんか覚りを開らてるのか!?
心の声を読まれるなんて...うわああああ.....っと俺の心の中は頭を抱え暴れている。
入社式も済ませてないのに、上司に喧嘩を売ってしまった....戦場で背中をブチ抜かれるよりも、日常で心の背中をブチ抜かれるほうが嫌
だ。
なんて俺は不幸だぁああああ。
「あれ?俺の事、忘れてません?空気になる事はたびたびありますが、ここまで酷いのは初めてです。さて、ホーム....本部へ早く行きましょう。いつ空襲がくるか分かりませんからね」
なんて口を尖らせながらスタスタとその''ホーム''と言われる本部へ足を運びながら、一、二階の罠を回収していく。....結構あるな、じゃなくて。普通の人ならこれ死んでるぞ
幸運....なのか?不幸なのかさっぱり分からない
句読点がおかしいのは、随時読み返して直します。